東京応化の半導体レジストビジネスは2007年度中間期に12%成長
フォトレジストメーカー大手の東京応化工業の9月期の中間決算によると、半導体向けのフォトレジストは好調のようだ。同社のトータルの売上高は、前年同期比で0.7%減の503億2900万円だが、大きく分けて材料事業と装置事業では、材料事業が4.7%増の430億8000万円、装置事業は24.1%減の72億4900億円と明暗を分けた。
材料事業の中は、三つに別れ、レジストなどのエレクトロニクス機能材料、フラットパネルディスプレイ向けなどの高純度化学薬品、そして印刷材料からなる。この中ではエレクトロニクス機能材料は8.6%増の269億9300万円ともっとも伸びが大きく、ディスプレイ向け材料は1.7%減の137億8300万円で、印刷材料は0.8%増の22億3700万円という結果であった。
やはり主力は半導体向けフォトレジストである。半導体レジストを含むエレクトロニクス機能材料分野は四半期で比べても成長している。前四半期が127億9200万円だが、2007年7-9月の第2四半期では2桁となる11%増の142億100万円と伸びた。
このエレクトロニクス機能材料をさらに細かく見ると、半導体向けのレジスト、フラットパネルディスプレイ向けレジスト、その他とあるが、半導体向けレジストだけを見るとさらに伸びている。g線+i線レジストとKrF用レジスト、ArFレジストを合計した数字は、昨年度上期(2006年4~9月)が129億2300万円だが、今期(2007年4~9月)は145億7600万円と12.8%の伸びを示した。
つまり半導体向けのレジストは微細化の先端を行くArFレジストだけではなく、微細化する必要のないg線+i線レジストも売れているのである。ただし、伸びは鈍い。東京応化によると、エレクトロニクス機能材料の21%を今期占めたg線+i線レジストが前年同期比で2%減だったが、今期22%を占めたKrFレジストは11〜12%増、11%を占めるArFレジストは50%増という結果であった。それぞれのレジストは前年同期に、エレクトロニクス機能材料全体でg線+i線レジストが23%、KrFレジストが21%、ArFレジストは8%しかなかった。つまり、レジストの使用状況からも、微細化だけがすべてではないことが裏付けられている。