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Linux FoundationがCHIPS Allianceを設立、オープンソースのSoC設計目指す

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非営利団体であるLinux Foundationがオープンソースの半導体チップを推進するプロジェクトCHIPS Allianceを立ち上げた。このアライアンスは、シリコンチップの設計に関する高品質のオープンソースコードを取り仕切り、チップ設計をもっと効率よくフレキシブルに創出することを目的とする。RISC-Vとも協力する。

CHIPS Allianceは、半導体チップ設計がこれからのモバイルやコンピューティング、民生機器、IoTなどにもっと効率よく作成できるようにすることが狙い。CHIPS AllianceのCHIPSは、Common Hardware for Interfaces, Processors and Systemsの略であり、最初のCHIPS Allianceを支えるメンバーには、Esperanto TechnologiesとGoogle、SiFive(サイファイブと発音)、Western Digitalが参加している。この4企業は全て無料のCPUコアを推進するRISC-Vコミュニティのメンバーでもある。彼らは、オープンソースのハードウエアを狙っており、オープンなRISC-Vもサポートしている。

RISC-VはSoCのようにヘテロなプロセッサを集積する上で、ISA(命令セットアーキテクチャ)を共通に統一しようという発想からもともと生まれたもので、フリーのCPUコアは2次的な特徴である。最近のSoCには、マルチコアCPUだけではなくメニーコアGPUやDSP、ISP(画像処理プロセッサ)などヘテロなプロセッサコアが集積されている。ISAはプロセッサが違うともちろん、命令セットも違うができるだけ共通化できる命令は共通にして標準化しよう、という発想だ。このためシンプルな命令を用意している。

一方、CHIPS Allianceは、ISAの標準化だけにとどまらず、企業や個人がリソースを共同で利用し合ったり提供し合ったりして、オープンソースのCPUチップやSoCを設計しやすくして市場にアクセスできることを狙った独立の団体を創り出すものである。Linux Foundationの取締役会や技術運営委員会、このプロジェクトを管理するように働く企業や人々のようなプロジェクトで実践してきたガバナンスに従うとする。

CHIPS Allianceは、RISC-Vとも同じような方向を向きながら、設計段階ではフリーの要素を使えるようにしようという団体のようだ。まず、高品質で企業グレードのハードウエアを作りやすくするためのチップコミュニティを提供することを狙い、舵取りのプロセスを確立することに注力していく。

(2019/03/13)

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