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今年は50%成長、マウザー・ジャパンの快進撃を追う

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半導体と電子部品の商社であるMouser Electronicsの日本法人、マウザー・ジャパンが2015年の設立後、快調に飛ばしている。販売実績は2017年が55%成長だったが、2018年も50%成長に手が届きそうだ、と日本総代表であり本社副社長の勝田治氏(図1)は見ている。その快進撃の理由を明らかにする。

図1 マウザー・ジャパン総代表の勝田治氏(左)、顧問で日本法人設立に奔走した顧問の横伸二氏(右)

図1 マウザー・ジャパン総代表の勝田治氏(左)、顧問で日本法人設立に奔走した顧問の横伸二氏(右)


MouserはDigi-KeyやRS Components(北米ではAllied Electronics & Automation)と並んで、半導体や電子部品の販売代理店(ディストリビュータ)の大手企業だ。創業1964年の老舗だが2000年前半まではテキサスのダラス郊外に本社を持つ小さな米国内のディストリビュータに過ぎなかった。2007年に投資ファンドのBerkshire Hathaway社が買収して以来、グローバル展開を急ぐようになった。Berkshireの取締役会には会長兼CEOのWarren Buffett氏をはじめ、MicrosoftのCEOを務めていたWilliam Gates氏、IntelのSusan Decker氏ら名だたるメンバーが顔をそろえる。IT、半導体ビジネスを熟知した人たちだ。

筆者は買収前と後にMouserのオフィスを訪れたことがあり、買収前の2003年頃はこれからアジアも大事だな、という思いを持っていたが、具体的な行動は遅かった。ところが、2014年頃に訪問したときはアジア太平洋地域の統括部門を香港においていた。さらにその2015年に東京にもオフィスを開いた。


地域別販売実績と予測 9年連続の増加が2018年の記録更新に向かう

図2 Mouserの販売実績はグローバル化で急増する 出典:Mouser Electronics


地域別の販売実績を見ると、2005年までは米国内だけに限られていた(図2)が、2006年からアジア太平洋(APAC)と欧州・中東・アフリカ(EMEA)の売り上げが増え始めた。特に2017年、2018年の伸びは大きい。2018年の成長は、米国が20%増だが、APACが43%増、EMEAは41%増と見込まれており、グローバル売上比率が2017年から米国内売り上げを超え、2018年はグローバル販売がさらに加速している。

マウザー・ジャパンの販売は、2015年に設立して以来、2016年は始動準備に追われ、ウェブ対応しかできなかったが、メールや広告宣伝、イベントセミナー、展示会への出展、さらにSEO検索対応などのマーケティング努力が奏功した。これにより2017年は前年比で55%増、と大きく伸びた(図3)。2018年も50%増と見込んでいる。このマーケティング力の強化が、マウザー・ジャパンが伸びた要因だとしている。そのために人材を採用しているという。現在は14名で、近いうちにもう1名採用するとしている。


マウザー・ジャパンの販売実績 & 2018着地見込み

図3 マウザー・ジャパンの販売実績 出典:マウザー・ジャパン


Mouserの特長は、「他のディストリビュータには90万以上の品番の製品を別々に付けている所もあるが、Mouserは同じ品番として扱っているから、豊富に製品を揃えていることがわかるだろう」と勝田氏は言う。

日本法人は、顧客サポートとマーケティングに力を入れている。設立当初は顧客サポート職を採用したが、最近はマーケティング人材を求めている。顧客サポートといっても、技術的に深い質問というよりは、ちょっとした書き方やフォーマットなどについての問い合わせが圧倒的に多いという。対応できるスタッフがいることで、顧客離れを食い止めることができる。大手ディストリビュータの中で、Digi-Keyと対比されることも多いが、Digi-Keyはウェブにフォーカスし、メディアへの広告を主体とした活動に集中しており、日本法人や日本支社もない。RS Componentsは日本法人が横浜にあり、スタッフ数も多く、在庫部品を早急に届けられる倉庫まで持っている。しかし、コストがかかりそうだ。

Mouserは、開発エンジニアにフォーカスし、たとえ少量でも量産は追わない。部品1個、2個でも購入する設計エンジニアが対象とする顧客だ。エンジニアが半導体や電子・機構部品をワンストップで買い物できるようにサポートする。ここが大きな違いだと勝田氏は強調する。

(2018/12/27)

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