Maxim、ウエアラブル端末用開発ツールを発売
Maxim Integratedは、ヘルスケアやウェルネス、ウェアラブルといったデバイスの開発を容易にする開発環境hSensor Platformをリリースした。これによって、これまで3〜6カ月かかっていた開発期間をもっと短くできるとしている。

図1 開発環境のハードウエア 出典:Maxim Integrated
IDCによると、ウェアラブルデバイスは2016年に1億台が見込まれ、2020年には2億台へと成長すると予想している。ウェアラブルデバイスには、Apple Watchのようなスマートウォッチや、Fitbitのようなフィットネスデバイス、さらには生体医療データをモニターするウェアラブルデバイスなどを含んでいる。
発売する開発環境のプラットフォームは、このままウェアラブルセンサに使えるがもちろん、カスタマイズすることもできる。ウェアラブルデバイスのデモあるいは評価ボードとして使うことも可能だ。しかも、ハードウエアやソフトウエアのドキュメントやファームウエアも提供する。ファームウエアはサンプルコードをダウンロードで提供する。ソフトウエアとしては、基本的なアルゴリズムと特定のアルゴリズムをロードできる。
このハードウエアボードに使われているMaximの製品には、図1の写真と図2にあるように、±0.1℃という高精度の温度センサMAX30205、心電を測定するための生体電位計MAX30003、赤外光によって血中の酸素濃度と心拍数を測定するMAX30101、ARM Cortex-M4Fコア内蔵のマイコンMAX32620、そして全体のICの電源を供給するパワーマネージメントICのMAX14720が使われている。温度センサの精度は医療グレードだとしている。ただし、厚生労働省や米国のFDAの認可は取得していない。MaximはICメーカーとして、政府の認可を得るつもりはなく、ウェアラブルデバイスメーカー、すなわち顧客が得ることになろうと見ている。
図2 この開発プラットフォームのブロック図 緑色がMaximの製品 出典:Maxim Integrated
この他に、USBとUSBミニコネクタの付いたケーブルや、バッテリホルダー、ECGケーブルなどに加え、USB Type-CとマイクロUSBコネクタのケーブルなども装備されている。全て合わせて米国内で150ドルだとしている。
糖尿病の指標となっている血糖値を測定するグルコースセンサは長年研究してきたが、今は血糖値の優先度は低く、むしろ次は血圧計を医療センサに開発するようだ。