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各社の新年の決意、総じて前向きの2015年

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年が改まり、企業や工業会などから新年の決意が表明されている。いくつか拾ってみる。半導体ではルネサスエレクトロニクス、ITの日本IBM、半導体テスターのアドバンテスト、モバイル通信オペレータのKDDI、モノづくりのための3D CADなどのソフトウエア会社のダッソー・システムズ、JEITAなどを事例紹介する。

ルネサスの会長兼CEOの作田久男氏は年頭訓示で、「今年は勝ち残りをかけたステージに入っていく」と述べている。昨年は、「チャレンジの年、利益成長を成し遂げて自信を取り戻す」と宣言したが、ルネサスは7四半期連続営業黒字を達成した。まだ年度が終了したわけではないが、「最低限の目標は達成することができそうだ」と述べている。会社の再構築をほぼ終わりに迎え、「10年後、20年後、そして30年後、世に誇れる会社として後輩たちに引き渡していけるよう、今日に存在する我々が、気力、体力、知力、全力を振り絞って日常の業務に立ち向かうことを改めてお願いする」と呼びかけている。

日本IBMの代表取締役社長にはポール与那嶺氏が就任し、就任の言葉を述べている。日本IBMは、ITの潮流を確実にとらえており、クラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャル、セキュリティ、スマーター・プラネットへの取り組みを積極的に紹介してきた。2015年は、世界中のIBMとの密接な連携により、グローバルでのベストプラクティスを取り入れていくとしている。さらに、「最先端のテクノロジーや製品、サービス、世界中で培ったスキルや知見を通じ、当社のビジネス・パートナーとの連携を強化すると共に、引き続きお客様にとっての価値を作り、高め、成長への未来を共創してまいります」と結んでいる。この言葉こそ、世界で勝つための方法である。自社で全てを開発するのではなく、エコシステムを作り、顧客の価値を高めることで成長していく。

アドバンテストの黒江真一郎社長は社員向けの年頭所感で、今年は損益分岐点売上高、年間1200億円をキープするだけではなく、行動を起こす年にすると決意している。半導体試験装置市場は成熟期に入ったことから、今後も成長し続けていく方策を見定める、と述べている。そのために議論して、新しい市場やアプリケーション分野を見つけていく、という行動を起こすのである。

通信オペレータKDDIの代表取締役社長の田中孝司氏は、2015年のテーマを「新たな成長に向けて実行する1年にしよう」と年頭あいさつで述べている。昨年は、あらゆる分野での差別化を掲げ、au WALLET、Syn.構想、ミャンマーの通信事業に新たに取り組んだ。今年はこれらを加速させ、実行するとしている。

製造系ソフトウエアベンダーのダッソー・システムズは、3D CADやPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウエアを取り込んだソフトウエアを3Dエクスペリエンス・プラットフォームと呼んでいる。ダッソーの代表取締役社長の鍛冶屋清二氏は、年頭所感の中で、「スマート化、グローバル製造・生産、バイオサイエンスの融合など製造業が直面しているビジネス課題にお応えするビジネス・エクスペリエンス・プラットフォーム」と表現する。ユーザーエクスペリエンスの優れた3D-CADツールを使って設計したソーラー飛行機が今年世界一周飛行を計画している。「2015年は次の20年の新たな出発、そして飛躍の年となります。お客様、パートナー様をはじめとする皆様との良好な関係を継続し、」と結んでいる。

JEITA会長であり、富士通の社長でもある山本正巳氏は、2015年への期待について、地方創生、ITA(情報技術協定)の合意、次の科学技術基本計画の検討、マイナンバーへの期待を採り上げた。今年のいろいろな電子産業賀詞交歓会では、IoTという言葉が全てに登場した。企業ごとに定義がはっきりせずに使っているブームのような言葉だが、3年ころ前はほとんど知られていなかった。ようやく市民権を得た言葉になった。それだけ、期待が大きいといえる。

(2015/01/09)

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