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日本市場を狙い、フランスSoitecとLETIが3次元集積ウェーハを提供

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SOIウェーハ大手のフランスSoitecとフランスの研究開発機関LETIは、3次元ICをウェーハレベルで積層する技術を共同開発してきたが、このほどこの提携を拡大し顧客に対してもそのソリューションを提供することになった。3次元ICはもはや、1社ですべて賄うべき技術ではない。SOIウェーハの量産実績のあるSoitecとTSV技術開発を行ってきたLETIとが相互補完する。彼らの狙いは日本市場だ。

Soitec CEOのAndre-Jacques Auberton-Herve氏(左)とLETI CEOのLaurent Malier氏(右)

Soitec CEOのAndre-Jacques Auberton-Herve氏(左)と
LETI CEOのLaurent Malier氏(右)


Soitecは、これまで単結晶メーカーからシリコンを購入し、SmartCut技術でSOIウェーハに加工して量産するというビジネスを展開してきた。LETIは研究所とはいえ、この20年間でベンチャー企業を35社設立してきた。Soitecもその1社である。

両社は、ウェーハツーウェーハで3次元ICを生産する技術を共同で開発してきた。前処理から、ウェーハ同士の接合、基板を薄く削る技術、TSVエッチングまでの広範囲に及ぶソリューションを共同で提供する。LETIは1985年からTSVを研究してきており、現在は10:1の高アスペクト比のTSVを低温で形成できるまでになってきている。

3次元の集積化には200mmおよび300mmウェーハに対応でき、製造装置にはユーザーと互換性のある装置を選定した。ドライフィルムラミネーター、スピンコーター、DRIE、SmartViewウェーハアライナー、マスクアライナー、ウェーハボンダー、ボンディング剥離装置などからなる。

このビジネスモデルは、酸化膜でウェーハ同士を接合するSmartStacking技術、ウェーハ同士の接合によって電極パッド同士を直接接合する技術、さらにSOIで実績のあるSmartCut技術という3つの要素技術を使い、顧客からの要求を満足させたウェーハツーウェーハのソリューションを提供する。もし薄いシリコン膜のウェーハがほしいのであれば薄いSOIウェーハを使って顧客に提供する。このビジネスではSOIは3つの要素技術のオプションの一つにすぎない。


Soitecの3Dサービス


STマイクロエレクトロニクスに提供したバックサイドからの光導入によるCMOSセンサーを紹介する。この技術は表面のフォトダイオードの上にメタルを配線する方式では、フォトダイオードの上にメタルがかぶらないようにレイアウトする必要があり、微細化には限りがある。裏面から光が入射するような構造であれば、フォトダイオード上のメタルをどう設計しようが全く影響を受けない。このため画素数を増やしたりさらに微細化したりできる。

裏面から光を入射させるためには、フォトダイオードや回路を構成したウェーハ表面をカバーした後、ストレスの少ない別のウェーハをその表面に載せ、接合する。400℃以下の低温で熱処理した後、回路が構成されているウェーハを削り、最終的に洗浄する。SOIに受光層を作り込み、シリコンのCMOS回路ウェーハと接着させたCMOSイメージセンサーをSTマイクロに提供している。SoitecとLETIは今回の提携拡大を、ウェーハツーウェーハで作る3次元ICを提供するワンストップ技術ソリューションだと位置づけている。


用途と市場

(2009/12/04)

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