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Intelファウンドリの責任者Sunit Rikhi氏、戦略を語る

Intel社Technology and Manufacturing Group担当のバイスプレジデントであり、IntelのCustom Foundry UnitのジェネラルマネジャーでもあるSunit Rikhi氏に、ファウンドリビジネスの現状、問題点などについて、Semiconductor Engineeringの編集者Mark LaPedus 氏とEd Sperling氏がインタビューした

Semiconductor Engineering: 今Intelのファウンドリビジネスはどのような状況でしょうか?

Rikhi氏: 当社は、ごく限られた顧客と共にファウンドリビジネスを始めました。今は第一段階を終えました。当社の生産体制を確立し、もっと広い顧客にサービスを提供できるように進めています。生産ラインに流しているシリコンウェーハはすでにあります。この生産工程を上流から下流まで4年間築き上げ、経験を積んできました。今は、新しい顧客に向けて提供できる生産能力を拡大中です。ですから、ファウンドリビジネスの成長の第二段階に入っています。

SE: Intelは最近、新規顧客としてパナソニックを加えました。パナソニックも14nm技術を低電力のファウンドリプロセスで提供しようと手を広げてきました。それは、どういうことでしょうか?

Rikhi氏: 14nmノードでは、プロセスのポートフォリオをLP(低電力)版とGP(汎用)版の二つをカバーするように広げています。LP版とGP版について多くの顧客と話し合っています。パナソニックはLP版顧客の一つでした。今回の交渉で私が理解したことですが、パナソニックはIDMからファブレス企業へとスイッチしていませんでした。同社はあるファウンドリとすでに関係を結んでいます。その関係の下にあり、16nmプロセスではなく14nmプロセスを選択しました。だから当社を選び、当社には新規顧客になります。

SE: Intelの2.5D/3Dのスタックダイ技術やSiP(システムインパッケージ)技術についての取り組みについて教えてください 

Rikhi氏: 少しだけお話しますが、当社は2.5Dという言葉を社内的に使っていません。SiP技術という言葉を使っています。この技術は、性能を上げるため、チップ間を広いバンド幅でつなぐものです。3Dに上げる研究もあります。しかし、現段階では当社が3D技術をどのようにしているのか、私は明らかにする立場にはいません。例えば、Alteraは顧客の1社ですが、マルチチップパッケージ技術を当社と一緒に発表しています。

SE: そのマルチチップパッケージ技術はどのようなものでしょうか?

Rikhi氏: ヘテロジニアスです。

SE: 2.5D/3Dスタックダイを設計するためのEDAツールはあるのでしょうか?

Rikhi氏: まだ生産レベルには遠く及びませんが、あると思います。開発中でしょう。だからこの技術が開発され、実際の製品に導入されると、もっといろいろな要求を採り入れたツールに改良されますが、それまではまだ限られたツールしかありません。

SE: いつ2.5D/3Dチップは主流になるでしょうか?

Rikhi氏: 生産量という点について見るといつ主流になるのかどうか、まだはっきりしません。しかし、当社がヘテロなマルチチップを使いSiPの形で提供する日は着実にやってきています。

SE: 御社のロードマップに関して、3nm以降もスケーリングできると考えていますね?

Rikhi氏: それはまだ研究段階です。

SE: 従来のスケーリングと先端のスタックダイ技術への移行とのトレードオフはいつ始まるでしょうか?

Rikhi氏: 今はその時期ではありません。従来のスケーリングに代わり、スタックダイ構造へ進む時期はわかりません。3次元構造などのスタック技術は、従来のスケーリングとは別の技術です。パッケージング技術かムーアの法則かという選択はありません。

SE: ロジックのプラットフォームはスケーリングが続く限りもっと狭く定義されるのでしょうか?

Rikhi氏: 逆に、当社は14nmと10nmのSoCを提供します。7nmでも同様です。何でも集積しようとしているだけです。集積化が進むにつれ、付随する要素がいつものように出てきます。それもチップそのものではないかもしれません。

SE: それはSoCのアナログ回路ですか?

Rikhi氏: 32nmの時にこのようなアナログ化の議論があったことを覚えています。14nm時代までには、アナログ部分はオンチップに集積しないだろう、と業界では考えられていました。しかし今日、14nmのSerDes技術を持っています。どうやってこれができるようになったのでしょうか?当社は非常にデジタルの多いアーキテクチャを使っていますが、一般にはデジタルとアナログの共存回路です。性能と電力が優れたチップは最も小さなチップにあります。

SE: TSMCと比べてどう思いますか?

Rikhi氏: TSMCはこれまで30年に渡って純粋のファウンドリサービスを業界に提供してきた実績と英知があります。しかし当社は良い位置にいると思います。顧客がそれを教えてくれ、エコシステムのパートナーが教えてくれます。だから非常に速く習得しています。しかし、ファウンドリ他社のようなサービスを運営していく方法について、当社は知っているふりはできません。しかし、技術面に関しては最高のモノを持っています。例えば、22nm以前ではベストのトランジスタを持っていましたが、ベストな配線ではありませんでした。これを変えました。14nmでは、新世代の技術を持っています。電力と性能を改善し、ムーアの法則の経済的なメリットを追求しています。

SE: ファウンドリ顧客を獲得することは、想定していたよりも難しかったでしょうか?

Rikhi氏: まさにその通りです。Intelの全社員が取り組まなければならないことは、このビジネスに参入すること、と考えた人たちは、顧客はついて来ると思っていました。その後、Intelがファウンドリビジネスで成功する方法はない、と考える人もいました。心配な点がいくつもあったからです。例えば、どのようにしてIntelが生産能力を持ち、どのようにしてビジネスに必要なものを全て習得できることを信じてもらえるでしょうか。だから両極端の考えがありました。真実がはっきりするにつれ、両極端の考えは事実ではないと思うようになりました。結局、その中間でした。私はみんなと話をしました。技術は社内にあるからです。しかし、請負契約し責任を果たすように努めました。そのことによって、技術よりももっと多くのサービスを、顧客のために売るように考えを切り替えました。それは、多くの社員が評価せず理解しないものでした。

SE: Intelはファウンドリビジネスのどの分野で成功すると見ていますか?

Rikhi氏: インフラストラクチャと通信分野です。技術を求める応用は巨大です。速度と電力がカギとなります。当社はFPGAの分野で成功するでしょう。FPGA以外でも、当社とファウンドリビジネスでの合意しているものの、それを発表していない顧客もいます。

SE: 14nmチップはもう出荷していますか?

Rikhi氏: 今、シリコンを出荷しつつあります。試作のシリコンです。

(2014/07/25)
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