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今後のMEMS産業の拡大に向け日本企業にもぜひ参加を

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Noah I. Himberger氏、米MEMS Industry Group Program Director

米国にはMEMSの業界団体、MEMS Industry Group(通称MIG)がある。MEMS産業を活発にするための集まりだ。そのProgram DirectorをしているNoah I. Himberger氏から電話をいただきMIGの目的やミッションなどを聞いた。

米MEMS Industry Group Program Director、Noah I. Himberger氏

米MEMS Industry Group Program Director、Noah I. Himberger氏


Q1(セミコンポータル編集長): まずMIGという団体について教えてください。
A1(MIG Program Director、Noah I. Himberger氏): MIGは、MEMSデバイスメーカーやサプライチェーン(装置や材料のメーカー)などMEMSに係わる全ての企業が集まった団体です。MEMSのエコシステムを構成するのに必要な人と人とのつながりを作ることが当面の目標です。それにより、MEMSを製品化する上で必要な、デバイスからサプライチェーン、ユーザ企業とも知り合いになり、ビジネスを発展させることができます。設立して11年、当初5社からスタートしましたが、今は140社に成長しました。

Q2: この組織はGSA(Global Semiconductor Alliance)に似ていますね。
A2: そう、まさにGSAと似ています。GSAはMIGのパートナーの一つです。MIGはGSAだけではなく、23もの団体・機関とパートナーシップを結んでいます。MIGはGSAと同様な考えのミッションを持ち、同様なステップで発展させようとしています。そのステップとは3段階からなります。まずメンバー同士のコミュニティを作り、次にMEMSの既存のマーケットと新マーケットを理解し、MEMSの商品化につなげていくことです。

Q3: MEMS業界団体がなぜMobile World Congress(MWC)に参加したのですか。
A3: 一言でいえば、MEMSの応用製品は従来、自動車のエアバッグやインクジェットプリンタのノズルなどに使われてきましたが、さらに新市場として2007年、iPhoneに採用されてからスマホやタブレットなどの携帯通信機器にも使われるようになり拡大しているからです。MWCにはMIGのパートナーであるMIPI Alliance(注1)も参加しています。
また、MWCではMIGはブースを出しませんでしたが、1月にラスベガスで行われたInternational CESでは出展し、50社の製品をデモ、紹介しました。

Q4: MIPIは携帯電話やスマートフォンの回路内にアプリケーションプロセッサからモデムやディスプレイ、コンパニオンチップなどをつなぐインターフェース規格ですが、なぜMIGがMIPIと一緒に活動するのですか。
A4: スマホ用にさまざまなMEMSがセンサとして使われるようになってきました。加速度センサやジャイロセンサ、マイクロフォンなどの数も増えています。さらに今後は圧力センサもスマホに入っていくと言われています。これらのMEMSセンサとプロセッサやモデムなど内部回路をつなぎ、プロトコルを揃えて標準化していけば、速く安くスマホに導入できます。今は、どのようなプロトコルを標準規格にすべきか、検討し始めた段階です。
携帯電話メーカーや、プロセッサ/モデムなどの半導体メーカーなどと一緒に取り組み、MEMSセンサ側からはどのようなインターフェースが望ましいのか、MIPI Allianceに伝えなければなりません。検討はまだ始まったばかりです。スマホでは市場に早く出すためにMEMS特有のインターフェースを決め、商用化する上で欠かせない標準化作業を進めています。この1〜2年インテルやクアルコムらと組んで検討を進めています。
MEMS企業としては、製品に価値を与える上で、MIPI Allianceと一緒に取り組むことがよいと判断しています。

Q5: MIGのメンバーになることはMEMS製品のタイムツーマーケットを早める上で重要ですね。どのような企業が入っていますか。
A5: 全世界140社のうち60%が米国企業、30%は欧州企業、残りが日本を含めたアジア企業です(図2)。日本企業にも是非たくさん入っていただきたいと思います。メンバーであるSTマイクロエレクトロニクスやアナログデバイセズなどのメンバーもアジアの顧客にMEMSを売るために熱心です。


図2 MIGのメンバー企業 出典:MEMS Industry Group

図2 MIGのメンバー企業 出典:MEMS Industry Group


Q6: MEMSの将来をどう見ていますか。
A6: MEMSは民生用のモバイル機器にもっと入っていくでしょう。スマホだけではなく、ヘッドマウントディスプレイやピコプロジェクタなどにも使われるでしょう。エネルギーハーベスティングにも使われるようになります。
MIGのメンバーのうち100社が米国企業ですので、米国外の企業にも参加を呼びかけています。製品化する上での技術開発や新しいアイデアを提案してくれる大学にも期待しています。
さらにMIGが主催するイベントもあります。3月にはオランダでMEMS Executive Congress Europe 2013を開催しました。5月にはボストンでM2M (注2)Forum 2013、6月にはイリノイ州でSensors Expo、11月にはカリフォルニア州でMEMS Executive Congress US 2013を開催します。日本企業も是非参加してください。

注1 MIPIは携帯電話の回路に使われるインターフェースの規格の一種で、その標準化団体がMIPI Allianceである。MIPIはMobile Industry Processor Interfaceの略。
注2 このM2Mはmember to memberの意味。Machine to machineではない。

(2013/04/02)

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