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不況はいつ戻るか、回復のタイミングをいかに捉えるかを探るSPIフォーラム

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ようやく、不況の底を打ったかのようなニュースが次々と出てきている。ただし、よく見ると、10〜2月の間、抑えに抑えてきた在庫がなくなりかけてきただけのようでもある。強い需要が出てきたわけではなさそうだ。その間、前年比で50%減という強い生産抑制を行ってきたその反動が出てきたのである。このため、この2月比でみると生産増強という事態になってきた。


しかし、前月比における生産増強も、前年同期比で見ると20%減、30%減とやはりマイナスなのである。ただ、底を打ったと見てよい状況になっているのではないだろうか。先週、Mentor Graphics社CEOのWalden Rhinesさんに最近の景気状況について聞いた時も似たような状況を認識されており、2月まではアンダーシュート気味とおっしゃられた。本格的な回復はいつだろうか。

マクロ経済の観点から、半導体ビジネスの景気がどうなるかをドイツ証券副会長の武者陵司さん、在庫調整の観点からUSB証券のアナリスト山本義継さん、半導体ビジネス成長のカギを握るのは営業力と主張するアイサプライ副社長の南川明さん、という3名のアナリストはこの不況をどう見ているか、セミコンポータル主催のセミナーSPIフォーラムで語ってもらう。半導体メーカーは新たな成長に向けてどのような戦略をとるべきなのだろうか。トップテンにいる半導体メーカーとして昨年15%という2ケタ成長を唯一遂げたクアルコム社から前田修作さんに、クアルコム社の戦略とビジネスモデルをお話ししていただく。このようなセミナーを企画した。4月21日東京の虎の門パストラルで、聞くことができる。

今や誰もが不況脱出、雇用再開について気にしている。今の状況を不況だとか、悲観的に見ることは誰にでもできる。しかし、景気が回復した時点を認識できるかどうかによって、回復時に成長できるかどうかが決まる。実はこのことはかなり難しい。回復を人よりもいち早く認識できる能力こそが重要である。いろいろな指数のトレンドや直近の状況などを加味しながら、そのタイミングを捉えていく。せっかく景気が回復し始めたのに実感せず、そのタイミングを見逃していると今度は、負け組になってしまう。負け組とは、世界の半導体メーカーの平均的な成長率よりも低いメーカーのこと。これではいつまでたっても浮上しない。

今回のセミナーは、日本の半導体メーカーがこのタイミングをとらえて、世界の半導体メーカーよりも高い成長率を獲得され、今後勝ち組となられることを願って開催する。各社はそれぞれ製品のポートフォリオや製品戦略が違うため、一概にこうすべし、などということはできないが、ヒントはあると信じている。そのヒントを探って見つけられるか、見つけたヒントを自社に生かし切れるかによって、今後の生き残りが決まるのではないかと思う。

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