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これからのケータイに求められるもの

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先日、イギリス人にアップル社のiPhoneを触らせてもらった。大きな液晶画面でキーボードがない。操作はすべてタッチスクリーンで行う。電話というより画面が大きいためPDAの一種と見なせないこともない。

タッチスクリーンの操作は思いのほか、便利である。そのイギリス人は、娘さんの写真をiPhoneにストアしているが、それを指で左から右へなぞるだけで次の写真が出てくる。逆方向になぞれば前の写真が出てくる。また、親指と人差し指をつけて画面にタッチし、指を拡げると拡大画面になり、逆に指を閉じる方向に持っていくと縮小画面になる。

初期画面には、最初からアイコンが固定されているのではなく、アイコンの提灯行列が次から次へと流れてくる。このためアイコンの数はいくつでも設定できる。Windows Vistaの3次元グラフィックス的な画面に似ている。ただし、携帯用だからソフトはずっと軽い。

iPhoneを見ていると、携帯電話とPDAとの境界がいよいよはっきりしなくなってきそうな気がする。先日のWireless JapanでNTTドコモがBlackberryの日本語版を展示していた。ウィルコムの端末も売れている。大きな液晶画面(いずれ有機ELかもしれないが)、タッチスクリーン、グラフィックスを強化するGUI、などがこれからの携帯電話のキーワードになりそうだ。

小さな画面で、小さなテンキーの携帯電話の時代はかなり飽和しているようにみえる。となると、タッチスクリーン・デバイスがこれから流行るかもしれない。またソフトの軽いグラフィックスチップ、高精細ワイドスクリーンの4インチ液晶にもビジネスチャンスがある。使いやすさを追求するソフトウエア開発も重要になる。ビジネスチャンスはいっぱい広がっている。

携帯電話の多機能化では日本がリードしてきたが、ユーザーインターフェースが改善され便利さがぐんと良くなると、日本が取り残されてしまう恐れがある。今の携帯電話の形にこだわらず、新しい形を模索し追求することでスマートフォンを開発できれば、グローバルに打って出る絶好の機会になる可能性がある。どのような電子機器が登場しようが、カギとなる部品(ハードだけではなくソフトウエアも)をしっかり握っていれば負けることはない。


津田建二

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