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2021年の半導体市場をみんなで考えよう

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2021年の半導体市場はどうなるか。昨年は、新型コロナウィルスによって先行きが全く見えない事態に襲われた。全く見えないから、メディアによってはコロナを議論せずにポストコロナを想定する企画が見られた。同様に霞が関でもコロナ対策ではなく、コロナ後の経済回復を促進するための施策がとられた。GO TOキャンペーンはその一つだ。コロナが収束した後に打つべき施策として予算を計上していた。

図 天然痘ワクチンを開発したジェンナーの銅像(本文とは直接関係ありません) 出典:ロンドン市内ハイドパークにて筆者撮影

図 天然痘ワクチンを開発したジェンナーの銅像(本文とは直接関係ありません) 出典:ロンドン市内ハイドパークにて筆者撮影


半導体アナリストでさえ、コロナは3〜4カ月で収まるだろうとの「思い」から2020年前半は経済的な落ち込みがあっても後半には回復するだろうというシナリオを描き、予想を立てた。これは見事に外れた。新型コロナの感染力は、これまでのインフルエンザとは桁違いな強さで、論文によっては40倍、あるいは100倍強いという記述もあった。数十倍は強いと考えることは妥当だろう。感染拡大(Pandemic)、猛威という言葉がまさに当てはまるインフルエンザウイルスである。

結局、半導体市場調査会社(アナリスト)は、新型コロナの性質がある程度わかってきた時点で、現実的な予想ができるようになった。コロナ禍はまだ続いている。それも次々と変異を繰り返すため、イタチごっこの様相を呈している。

一般に市場を予測する場合、未来はわからないため「希望」が加味されている。いくつかのシナリオを想定してもその通りにはならない。だからこそ、市場調査会社そのものの予測と、複数の市場調査会社の予測の見方を整理してみることが重要になる。

こういった状況を認識したうえで、今年の半導体市場を予測してみる、読者参加型ウェビナー「世界半導体市場、2021年を議論しよう」を2月17日午後1時30分から4時まで開催する。Omdiaブランドの市場予測会社のディレクターでありシニアアナリストでもある南川明氏には、同社が見る2021年の半導体市場とその背景を語っていただき、編集長の津田が各社の市場予測や半導体製造装置市場などの予測を紹介する。この事実を元に、みんなで議論するというのが今回の趣旨である。

市場予測ではGDPから目安を述べたり、ファウンドリのTSMCやトップのIntelの業績、あるいは急成長しているNvidiaやAMDなどの企業を元に推定したり、あるいはメモリメーカー上位3社の動向などに加え、半導体市場をけん引するITの大きな流れ(メガトレンド)から中長期的に見たりすることが多い。こういった見方に対する疑問や、半導体および関連会社が予想する手法の確認など、これまでもさまざまな意見や見方が飛び出した。重要なことは、大きな流れだけではなく、自社が目指す市場がどう進んでいくのか、自社の不得意な市場をどうするのか、という想定を元に各社が見通しとそれを実現するための戦略を立てることだ。

いろいろな産業の方からのご意見や疑問の中から、自社が予測し、さらにそのための戦略を作ることに活かしていただけることをセミコンポータルは目指している。


世界半導体市場、2021年を議論しよう

(2021/02/04)

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