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台湾からの参加者が目立つ国際固体素子材料コン、英語での講演増える

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半導体デバイスと材料の国際会議、国際固体素子材料コンファレンス(SSDM)が仙台の東北大学で10月7日から開かれるが、海外からの参加者が増えたそうだ。最終的な参加者は実際に会議が開かれないと明らかにならないが、少なくとも事前登録者数で比較する限り、台湾からの参加者が2008年の80名から2009年は104名と増えた。

2009年は事前登録者の段階で、昨年の689名から今年は800名に上る。論文の投稿数は866件で2008年の749件よりも100件以上多く、過去最高だという。採択数も最高で、昨年の527件を大きく上回り591件となった。

実行委員会/論文委員会によると、海外からの参加が目立つという。今回から、研究発表ではなく基礎を教えるチュートリアルセッション(ショートコース)では英語で解説する。元々SSDMは国際会議だから一般の発表は長年、英語を公用語としてきた。しかし、チュートリアルセッションは日本語で、LSIの基礎やゲート技術、配線技術などを教えてきた。今回から英語に変えたことで、アジアからの参加者が増えたのではないかとみている。

米国でのIEDM(International Electron Devices Meeting)やISSCC(International Solid-State Circuits Conference)は米国での公用語である英語で発表しているが、日本での国際会議を英語で発表する機会はそれほど多くはない。しかし、今や英語が世界の共通語となった以上、英語での発表を強制することは英語での意思を通じさせる手かもしれない。

日本人はつい日本語に頼る傾向が強すぎる。これではいつまで経っても世界に対して負い目を持ってしまう。下手な英語でもかまわない。ブロークンイングリッシュでも気にしない。意思が通じさえすればよい。アジアの人たちと付き合っているとつくづくそう感じる。文法など気にしない。通じさえすればよいのである。平気で「I go to the shopping center yesterday」と言う。日本人はgoではなくwentであることにこだわる。アジアの人たちはyesterdayと言えば過去に決まっているから訂正しない。でも立派に通じる。

日本の記者会見では考えられないが、台湾で行われたSEMICON Taiwanの記者会見に2度ほど出席したが、いずれも英語のみだった。中国語の通訳すら付かない。外国企業の外国人が日本で記者会見する時は、ほとんどの場合、通訳がつく。台湾の記者は決して英語に強いわけではない。しかし、英語だけの記者会見に出席しているほとんどの記者は台湾人である。日本での記者会見に出ていると日本語に頼りすぎることを痛感する。

国際会議では発表者は原稿を読んで講演することが多いが、原稿だけを目で追いかけていると、質問で立ち往生することが多い。日本人の発表ではごく当たり前の光景である。これでもよいと思う。次第に場に慣れ、英語にも慣れてくるようになるからだ。しかし、英語での発表を最初からあきらめてしまえば、いつまで経っても英語恐怖症から抜け出せない。例え日本人同士でも、大学や教育現場において英語で講義することは英語に慣れることであり、少なくとも英語恐怖症から脱却すべき手段になりうると思う。文法なんか気にしなくてよい。意思が通じさえすればよいのである。

そして、SSDMなどで台湾や韓国からのエンジニアと英語で語り合うことで、彼らの文化や考え方も体験でき、グローバルに出ていくことに抵抗がなくなるのではないだろうか。今回は唯一、作家の瀬名英明氏のトークショーのみ日本語で行うという。これも無理やり英語でやり、こなれていけば、もっと気楽に日本の文化、日本人の考え方を海外の人たちに理解してもらえることになる。下手な英語を大いに使おうではないか。

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