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引き続く米中摩擦の中、スパコンでも凌ぎ合い & 中国関連業界の今

決してだれの利益にもならないと、米国の業界。そして、重大な半導体の不足の事態に直面と、中国の業界。引き続く米中摩擦のもたらす火の粉に両国双方の関連業界から反発ないし問題視の声が高まってきている。そんな中、恒例年2回のスーパーコンピュータ最高性能「Top 500」が発表され、2012年秋以来ぶり米国システムが首位の座についたが、システム総数では中国がリードを広げる拮抗状況である。そして、半導体はじめ中国の関連業界の現状と現下の中国で開催のイベントでの先端の取り組みを追っている。

≪お互いに降りかかる火の粉≫

中国のテレコム大手、ZTEに対して対イランの問題から米国ハイテク部品購入の門戸を閉ざしているが、米国政府が解除するかどうか、依然膠着状態が続いている。半導体については圧倒的な輸入過剰依存の中国であり、半導体不足の危機感が高まってきている。

◇China's ZTE expected to take last step to lift ban: U.S. official-ZTE is expected to meet requirements to lift US ban (6月22日付け Reuters)
→中国・ZTE社が、米国サプライヤ禁止を取り上げるための最後の要求に適合する見込み、米国銀行の別段預金に$400 million預け入れることの旨。
Commerce Departmentは、ZTEに対し同社が米国市場にアクセスできる前に罰金$1 billionの支払いおよび該預け入れを命じている旨。

◇Amid Uncertainty with ZTE Ban, China Faces Critical Semiconductor Chip Shortage (6月28日付け The Epoch Times)
→中国のテレコム大手、ZTEが米国ハイテク部品購入禁止を取り上げるかどうか米国政府からの決定を待っている一方、中国の半導体業界内の問題がこんどは注目となっている旨。

米国・Trump政権は、中国に対して関税措置に続いて、米国の技術への中国の投資に対する審査条件のハードルを以下の通り高めようとしている。米国政府内では、M&Aに目を光らせるCommittee on Foreign Investment in the US(CFIUS)の役割に重きが置かれることになる。

◇Trump Plans New Curbs on Chinese Investment, Tech Exports to China -Treasury is crafting rules that would block firms with at least 25% Chinese ownership from buying companies involved in ‘industrially significant technology’ (6月24日付け The Wall Street Journal)

◇U.S. Plans to Curb Chinese Tech Investments, Citing Security-US reportedly to limit Chinese investment, tech sales to China (6月25日付け BloombergQuint (India))
→Trump政権が、米国の技術への中国の投資についてより深く精査、ある技術については中国への売却を阻止する計画の旨。両方のinitiativesともに国家安全上の懸念に基づくもの、Steven Mnuchin米財務長官は、Committee on Foreign Investment in the US(CFIUS)の役割を高めるとしている旨。

◇中国資本25%以上の企業、米が投資制限検討、米紙報道 (6月25日付け 日経 電子版)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は24日、トランプ米政権が策定している中国企業の対米投資制限について、中国資本が25%以上の企業を対象にする検討に入ったと報じた旨。重要な技術の輸出も規制する旨。6月末までに規制の原案を発表する予定。制裁関税に続いて中国の知的財産侵害への対策を強化する旨。検討中の規制案は中国人投資家が25%以上出資する企業が、重要な技術を持つ米国企業を買うのを阻止する旨。

米国政府の関税措置について、米国Semiconductor Industry Association(SIA)からの慎重な対応を求めるステートメントを前回の本欄で示しているが、米国関連業界からの同様な率直な声が広がっている。

◇China Tariffs Seen Hurting Tech Sector-Tech groups oppose US tariffs on Chinese goods (6月26日付け EE Times)
→1)すでにSemiconductor Industry Association(SIA)およびSEMI trade groupともに、もっと良い中国からのintellectual property(UP)保護のやり方を必要とする考えを好むが、ビジネスには悪いとする関税については承認しないとしている旨。National Association of Manufacturers(NAM)も同様の感じ方を表明の旨。
 2)ハイテクassociationsのいくつかが中国の乱用に対する米国のintellectual property(IP)保護についてTrump政権を支持しているが、該取引の一環として中国製製品についての新たな関税には反対している旨。「貿易戦争は決してだれの利益にもならない。」と、National Association of Manufacturers(NAM)のCEO、Jay Timmons氏。
Trump政権のお膝元でも、背に腹は代えられぬと、「ハーレー・ショック」が以下の通り起きているのは、テレビのニュース報道でもトップに取り上げの通りである。

◇「ハーレー・ショック」で波紋、トランプ関税、企業戦略妨げに (6月26日付け 日経 電子版)
→米国がしかけた貿易摩擦が巡り巡って自国の産業界を苦しめている旨。二輪大手、ハーレー・ダビッドソン(Harley-Davidson)は、欧州向けの生産を海外に移すと表明。ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車各社も中国産部品への関税増に懸念を強める旨。企業が最も嫌うのは事業環境の先行きが不透明なこと。「このままでは投資を決断できない」――。貿易摩擦の帰結点が見えないなか産業界が身を縮めれば、経済への打撃が増す旨。

米中摩擦の波が打ち寄せ、波紋が広がる中、年に2回のスーパーコンピュータのランキング・Top 500が発表されている。強力な最高計算速度を競う「TOP500」、実用性能を評価する「HPCG」および省エネ性能を評価する「グリーン500」に都度注目しているが、単純な計算速度で分かりやすい指標である「TOP500」では米国のシステムが2012年11月以来はじめてのこと、首位の座を奪還している。しかしながら、ランキングに入るシステム数では中国がリードを広げており、安定した首位かどうかは今後にかかってくる。
「HPCG」および「グリーン500」での我が日本勢の位置づけに改めて注目しているところである。

◇U.S., China Spar in Supercomputers-U.S. wins in petaflops, China has more systems (6月25日付け EE Times)
→スーパーコンピュータの最新Top 500リストで、米国が性能首位を取り戻したが、いつまで続くかがある旨。中国は高性能システムの数でリードを広げているだけでなく、初期exaflop-class computerで性能首位を取り戻すよう競って取り組んでいる旨。

◇US Regains TOP500 Crown with Summit Supercomputer, Sierra Grabs Number Three Spot (6月25日付け www.top500.org)
→25周年を迎えたスーパーコンピュータTOP500、トップに大きな変動の旨。
2012年11月以来はじめて、米国が世界で最も強力なスーパーコンピュータの座を獲得、トップ5のうち4つのシステムが新規あるいは実質格上げという大きなturnoverにつながっている旨。TOP500のトップ5:

                   High Performance Linpack(HPL)性能
 1 Summit                米国 122.3 petaflops
 2 Sunway TaihuLight           中国 93 petaflops
 3 Sierra                米国  71.6 petaflops
 4 Tianhe-2A               中国 61.4 petaflops
 5 AI Bridging Cloud Infrastructure(ABCI) 日本 19.9 petaflops

◇スパコン「京」、実用性能ランクで3位に後退 (6月25日付け 読売新聞)
→スーパーコンピュータの実用性能を評価する国際ランキング「HPCG」(High Performance Conjugate Gradient)が25日発表され、3期連続で世界トップだった理化学研究所のスパコン「京」が3位に後退、1、2位は共に米国のスパコンだった旨。HPCGは、建物の構造解析やエンジンの熱伝導分析など、産業で使う計算速度を競うもので約半年ごとに発表され、京は2016年下半期から首位だった旨。
スパコンの単純な計算速度を競う国際ランキング「TOP500」も同日発表され、産業技術総合研究所の「ABCI」(AI Bridging Cloud Infrastructure)が国内最高の5位に入った旨。ABCIは人工知能(AI)の研究開発用スパコン。省エネ性能を評価する「グリーン500」では、日本の新興企業「ペジーコンピューティング」などが開発したスパコンが1〜3位を占めた旨。

米中の摩擦が続き、威信をかけたしのぎ合いが見られる中、中国関連業界の今はどうか。まずは、我が半導体業界について、中国の業界の現状そして今年の見通しを簡潔に示した台湾からの記事である。

◇China IC output value to surge 28.8% in 2018, says Digitimes Research (6月25日付け DIGITIMES)
→Digitimes Research発。2018年の中国の年間IC生産額が28.8%増の$27.59 billionに増大する見込み、引き続く国内需要、capacity拡大、製品portfolios最適化およびメモリ価格およびoutput増大が支えている旨。
"Made in China 2025"プログラムに基づいて、該国内市場で必要とされる半導体製品の中国の自己生産比率は2020年までに40%に達し、2025年までにさらに70%まで急増、IC生産capacities拡大に向けた重要国家政策となっている旨。TSMCおよびUMCが中国に12-インチウェーハファウンドリーfabsを設立しているほかにも、Semiconductor Manufacturing International Corp(SMIC), Huali MicroelectronicsおよびHuahong Grace Semiconductor Manufacturingなど中国のプレーヤーが、National IC Industry Investment Fund(Big Fund)および現地政府出資からの財政支援を得て12-インチウェーハfabを建設する合弁を設立の旨。
Intel, SamgungおよびSK Hynixが中国で運営しているメモリ工場での新規capacity拡大が予定通り完了する見込みであり、中国での12-インチfabsの月次生産capacityが2025年までに100万枚を越えると見積もられる旨。
加えて、Yangtze Memory Technology, Hefei Rui-Li IC, およびFujian Jinhua Integrated Circuitという中国のhome-grownメモリメーカーがすべて積極的に先端メモリ製品の開発を進めているが、関連技術の供給が依然不明確であり、計画された新しいcapacitiesが予定通り完了できるかどうか見えないところがある旨。

ディスプレイ業界では、有機ELについて圧倒的に席巻しているSamsungを追いかける中国の集中的な取り組みである。

◇中国有機EL、サムスン追う、スマホ向け量産急ぐ−5000億円投資10カ所に、維信諾、最先端工場稼働 (6月28日付け 日経 電子版)
→中国メーカーがスマートフォン向け有機ELパネルの大量生産に乗り出す旨。中国で唯一安定した量産実績を持つ維信諾顕示技術(ビジョノックス)が河北省で最先端工場を5月に稼働した旨。液晶パネル世界大手の京東方科技集団(BOE)など1カ所で投資額が5000億円前後に達する工場が今後3年間で10カ所立ち上がる旨。スマホ向け有機ELパネルで9割のシェアを握る韓国サムスン電子の背中を中国勢が一斉に追う旨。

半導体の設備投資で見ると、今年について日本と欧州を合わせたものより中国が上回るという予測がIC Insightsによりあらわされている。

◇China's semi capex forecast to be larger than Europe and Japan combined in 2018 (6月27日付け ELECTROIQ)
→IC Insightsが来月リリースする2018 McClean ReportのMid-Year Update版(200+ページ)より。中国に本社を置く会社の2018年半導体業界capexが$11.0 billion、世界全体予想$103.5 billionの10.6%となる旨。中国の会社のこのcapexはほんの3年前、2015年の5倍になるだけでなく、日本と欧州に本社を置く会社の今年のcapex合計予想、$10.7 billionを上回る旨。

◇China's IC Capex Expected to Top Europe and Japan Combined (6月28日付け EE Times)

◇China semi capex to be larger than Europe and Japan combined in 2018, says IC Insights (6月29日付け DIGITIMES)

中国で開催のイベントから注目。年初米国でのCESの中国版、「CESアジア」における中国企業の人工知能(AI)技術の熱い開発競争である。

◇中国企業、AI応用競う、CESアジア、500社以上が参加、京東集団(JDドットコム)、深蘭科技(ディープブルーテクノロジー) (6月26日付け 日経産業)
→中国企業の間でも人工知能(AI)を巡る技術開発競争が激しくなっている旨。13〜15日に上海市で開かれた中国の家電IT見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)アジア」では、AIをテーマにした展示ブースが相次いだ旨。参加企業も大幅に増え、机上の空論ではなく、AI活用の実用化をにらんだ製品やサービスが数多く並んだ旨。今年のCESアジアには約100社のスタートアップを含め500社以上が参加、出展企業数はスタート時の4年前に比べほぼ倍増、日本からは三菱電機などが初出展した旨。本家の米国で開かれるCESと同じく自動車メーカーの存在感も高まっている旨。

これも2月末あたりにスペイン・バルセロナで開催のMobile World Congress(MWC)の上海版がこのほど開催されており、中国市場に問いかけるMediaTekとEricssonのコラボが見られている。

◇MediaTek and Ericsson collaborate to accelerate and expand NB-IoT device ecosystem-MediaTek teams with Ericsson for NB-IoT device ecosystem (6月28日付け DIGITIMES)
→MediaTekとEricssonが、narrowband internet of things(NB-IoT)機器のビジネス機会推進に向けて協働、Mobile World Congress Shanghai exhibition(2018年6月27-29日:Shanghai New International Expo Centre[SNIEC])にて両社は、NB-IoT connectivityによる安全スマートドアロッカー、子供たちの安全監視およびwearableヘルスバンドを披露の旨。


≪市場実態PickUp≫

【1-3月グローバル半導体販売高】

IHS Markitより本年1-3月のグローバル半導体販売高が$115.8 billionとあらわされ、前四半期比3.4%減、前年同期比22%増となる。季節性もあって前四半期比マイナスであるが、DRAMが引っ張ってメモリはプラスの伸びとなっており、NANDフラッシュの軟化を補っている。半導体販売高の推移および分析に引き続き目が離せないところである。

◇Global 1Q18 semiconductor industry posts US$115.8 billion in revenues, IHS says (6月27日付け DIGITIMES)
→IHS Markit発。2018年第一四半期のグローバル半導体業界売上げが$115.8 billion、前四半期比3.4%減、前年同期比約22%増。ワイヤレス通信市場における販売高減少および第一四半期の季節性からマイナスの影響があるが、車載およびconsumer半導体など他の分野は正常な市場の伸びとなっている旨。メモリcategoryは第一四半期で1.7%と最も高い伸び、$39.7 billionに達し、enterpriseおよびストレージ市場で需要が増えている旨。実際に、DRAMのpricingおよび出荷ともに該四半期で増加、サーバDRAMの力強い需要が引き続き半導体市場を引っ張っている旨。しかしながら、NANDは軟化の兆候を示し始めており、主に価格の一桁低下から該四半期の間での売上げが僅かに減少の旨。「売上げが僅かに減少と言えども、NAND市場は依然史上2番目の四半期売上げとなっており、enterpriseおよびclient solid-state drive(SSD)市場需要が力強い。」と、IHSのメモリ&ストレージsenior director、Craig Stice氏。

◇Global chip market posts 22 pct growth in revenue over Q1: IHS Markit-IHS: Chip sales reached $115.8B in Q1 (6月27日付け Yonhap News Agency (South Korea))

【Micronの動きから】

Micron Technologyが、8GビットGDDR6メモリの量産開始を発表、同社で最高速、最も強力なグラフィックスメモリであり、人工知能(AI)、車載などに向けた高性能メモリとして絶好調の現状の市場への今後の浸透に注目である。

◇Micron begins volume production of GDDR6 high performance memory (6月25日付け ELECTROIQ)
→Micron Technology社が、同社8GB GDDR6メモリの量産を発表、数世代のGDDRメモリに向けた経験&実行に立脚したGDDR6は、MicronのMunich Development Centerで設計されたMicronの最高速、最も強力なグラフィックスメモリであり、artificial intelligence(AI), networking, 車載およびgraphics processing units(GPUs)など高性能メモリを必要とするいろいろな応用に向けて最適化されている旨。加えてMicronは、GDDR6 documentationおよびinteroperability立ち上げに向けてcore ecosystemパートナーと協働、設計のtime to market高速化を可能にしている旨。

◇Micron begins volume production of GDDR6 (6月26日付け DIGITIMES)
→Micron Technologyが、8Gb GDDR6メモリの量産を発表、artificial intelligence(AI), networking, 車載およびgraphics processing units GPUs)など高性能メモリを必要とするいろいろな応用に向けて最適化されている旨。

かつての国内半導体メモリ部門がマイクロンメモリジャパンとなって、小生の馴染みの方々も今なおお会いすることがあるが、グローバル人材の育成に向けて独自の研修システムが整備されている。

◇マイクロンメモリジャパン、日本発グローバル人材、育成プログラム、独自の英語研修、リーダーシップも伝授 (6月28日付け 日経産業)
→米半導体大手、マイクロン・テクノロジー傘下のマイクロンメモリジャパンは、「日本発」のグローバル人材を育成、英語力やリーダーシップの向上につながる独自の研修システムを整えた旨。同社は米マイクロンが旧エルピーダメモリを買収して生まれた旨。半導体市場の活況で人手不足が続くなか、充実した研修で優秀な人材をひき付けると同時に、世界で活躍できる人材の育成につなげる旨。

【人工知能(AI)への取り組み】

業界各社、そしていろいろなイベントの場で、AIへの取り組みのプレゼンが引き続き見られる中から、SynopsysのAart de Geus氏の表し方である。

◇Market And Tech Inflections Ahead-Synopsys Co-CEO Aart de Geus explains why systemic complexity will be the next big challenge, and what that means for EDA and the chip industry.-Synopsys co-CEO predicts big changes from AI (6月27日付け Semiconductor Engineering)
→SynopsysのChairman and co-CEO、Aart de Geus氏が、artificial intelligence(AI)など新技術が半導体およびelectronicsに大きな変化をもたらしていくと予想、「computationが世界の生産性を変え、mobilityが世界の知識への接続性&アクセスを変え、そして今、AIがいくつかのスマートさを加えて機器のまさに観念を急速に変えようとしている。」と同氏。

恒例のDesign Automation Conference(DAC)においても、IBM ResearchよりAIを広げる上での取り組み課題の認識である。

◇A Path to Broad AI: 5 Challenges-In search for AI that performs across tasks, across domains (6月28日付け EE Times)
→Design Automation Conference(2018年6月24-28日:SAN JOSE, Calif.)にて、IBM ResearchのAI and IBM Q、vice president、Dario Gil氏基調講演“AI is the new IT”。AIを広げるために、AI communityが直面するいくつかの重要課題:
 1) Explainable AI
 2) AI is fragile
 3) Ethics in AI
 4) Learns from small data?
 5) AI infrastructure

【微細化を引っ張るTSMC】

TSMCが7-nmプロセスの量産立ち上げ、5-nmのリスク生産開始、とQualcommはじめ具体的な大型受注を抱え、InFO(Integrated Fan-Out)実装プロセスを適用して最先端微細化での席巻の度合いを強めてきている。

◇TSMC dominance in 7nm process enhanced with InFO package-Sources: InFO packaging tech helps TSMC prevail in 7nm chips (6月25日付け DIGITIMES)
→supply chain筋発。TSMCが、7-nmプロセス領域での一掃する席巻を謳歌、来る9月に市場投入予定の新しいiPhones用application processors(APs)の量産に該先端nodeおよび社内開発のInFO(Integrated Fan-Out)実装プロセスを用いて入り、また、2018年後半にHiSilicon, Qualcomm, AMDおよびNvidiaなど10以上のclientsからの力強い受注を遂行するためにも7-nm生産を立ち上げていく旨。TSMCの2018年売上げは$32.9 billionを上回る可能性を見ている旨。

◇TSMC partners see big revenue gains from advanced process nodes-Sources: Advanced process nodes to drive TSMC partner revenue (6月26日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが7-nm microchipsの量産を立ち上げ、5-nm半導体のリスク生産を開始、同社のecosystemパートナーの今年後半の売上げが高まる見込みの旨。Advanced Micro Devices(AMD), Apple, HiSilicon, MediaTek, QualcommおよびXilinxなどが、7-nm ICsの大型発注元である旨。

最近TSMCを引退したばかりのMorris Chang氏からも、2025年にも2-nmの御旗に向けた打ち上げが行われている。

◇回路線幅2-nm「2025年にも」、TSMC、半導体微細化で (6月26日付け 日経産業)
→半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は2025年にも回路線幅を2-nmに微細化した高性能半導体を開発する方針を明らかにした旨。
TSMCは世界で唯一、次世代の3-nm品開発を具体化しており、技術開発での独走が鮮明になる旨。今月引退した創業者の張忠謀(Morris Chang)氏が会合で語った旨。3-nm品は「2年以内に開発できる」「2-nm品も2025年までに世に問えるだろう」と述べた旨。

【7年かかった和解】

スマートフォンのいろいろな切り口での特許について米国西海岸の裁判所での相互の応酬が居酒屋の盛り上がる話題になったのがひと昔もふた昔も前のこと。アップルとサムスンの間の知財紛争がこのほど和解に至っている。急成長していたスマホも伸びが鈍化、時間とともに成熟して何で争っているのかとの思いに至る。歴史は繰り返すとここでも改めて。

◇アップルとサムスンが7年経て和解、スマホめぐる知財紛争 (6月28日付け 日経 電子版)
→スマートフォンの意匠にかかわる知的財産権侵害をめぐって法廷係争を続けてきた米アップルと韓国サムスン電子が和解した旨。27日付でカリフォルニア州サンノゼの地裁に通知した旨。両社の争いでは5月にサンノゼ地裁がサムスンに賠償金支払いを命じており、趨勢は決していた旨。世界が注目した時期もある2社の争いはスマホ市場が成熟するなかで、7年を経て終焉を迎えた旨。両社の係争は故スティーブ・ジョブズ氏が存命だった2011年4月に、アップルがサムスンのスマホ「ギャラクシー」のデザインが自社の権利を侵害していると米国で提訴したのが始まり。サムスンが日本や韓国などで訴え返したことで、係争の場は10カ国に拡大。スマホ市場が急成長していた時期でもあり、衆目を集めることになった旨。

◇スマホ訴訟、薄れた意義、アップル・サムスン、7年経て和解、主役はサービス、端末は中国台頭 (6月29日付け 日経)
→米アップルと韓国サムスン電子は27日、2011年から続けてきたスマートフォンの意匠に関わる知財係争で和解したと米カリフォルニア州の裁判所に通知した旨。世紀の裁判と騒がれ、世界の産業界が注目したスマホ大手の争いは静かに幕を下ろした旨。7年間で世界経済の牽引役だったスマホは成熟製品へと姿を変え、覇権を争う裁判の意味が薄れていた旨。


≪グローバル雑学王−521≫

人工知能(AI)などのテクノロジーを駆使して、ネット上のデータと、現実世界での行動やデータなどを一元的に把握、リアルタイムのマーケティング展開を図るアマゾンの取り組みについて、

『アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」』
 (田中 道昭 著:PHPビジネス新書 387) …2018年1月17日 第1版第4刷発行

よりいろいろな角度で認識をアップデートしてきたが、今回で読みおさめである。顧客第一主義を徹底する一方で、雇用削減、低賃金、そして地域経済の衰退と、賛否両論に晒される実態が印象に残るところである。至便性&経済性には勝てないとは思うものの、会話や気持ちが通じ合うパートナー、例えば昔から続く地元の商店街の味は捨てがたいもの。我が国でアマゾン、アリババに対抗していく上での課題提起で締められており、考えを巡らせている。


第7章 ベゾスは真の顧客第一主義者か、それとも利己主義者か ――アマゾンの攻略法を考える

◆なぜ、アマゾンは批判されるのか
・ブランドイメージも、顧客からの評価もトップクラス、名実ともに「世界最強」のアマゾンの総合評価に比して
 →CSR(企業の社会的責任)での評価、CEOとしてのベゾスの評価は振るわないという事実
・実際、米国において少なくないアマゾンに対する批判の声
 →以下、その主な内容:
 →1)国家以上の影響力 …国家よりも強大な影響力を持ってしまった
  2)独占の問題    …強すぎるアマゾン、競合を蹴散らして経済界の衰退を招きはしないのか
  3)社会の弱体化の可能性 …従業員の雇用や賃金を抑圧、所得格差を拡大させている
              …さまざまな方法で課税を逃れている
  4)消費者の潜在的な脅威になっている
              …優れたユーザー・エクスペリエンスを開発の一方、個人情報を丸裸に
・企業や経営者としてのあり方を読み手それぞれの立場で考えていく機会を提供するのが本章の真の目的

◆国家を超えたメガテック企業の影響力
・米国、英国といった大国が閉じていく時代
 →大国が世界に及ぼす影響力が弱くなっていく時代でも
・国家が定義される「国家の3要素」
 →領土 …領土、領水、領空が一定に区画
 →国民 …住民は恒久的に属し、一時の好悪で脱したり復したりはしない
 →主権 …対外的・対内的な性格をもって排他的に行使できなければならない正統な物理的実力
・人類の活動領域がリアルワールドからディジタルワールド、宇宙空間にまで拡張した現在
 →相対的に狭義の「領土」の重要度が低下
 →政治的に定められた地理よりも機能的な地理の方が重要である、という議論も
・アマゾンなどのグローバル企業は、国境を越え、産業間の垣根を越え、ネットとリアルの境界を越え、地球と宇宙の境界を越え、人々をつなげていく
 →世界に対して「閉じる」ことを選んだ国家を超える影響力を持ってしまった
・似た動き
 →スイス、シンガポール、イスラエルといった小国が、「閉じる」選択をした米国や英国といった大国とは対照的に、「開く」ことで国際競争力を高めていく
 →すべての要因においてスピード感が増している昨今、国家にも企業経営のようなスピード感が要求されるように

◆「要塞」の中での買い物は、私たちを幸せにするか
・2017年10月時点、アマゾンの時価総額は約$470 billion、2016年12月期の売上高は約$136 billion
 →書籍に始まり、家電にファッション、そして生鮮食料品まで、「何を買うにもアマゾン」というユーザは、年々増える一方
 →オンラインの小売企業にとどまることなく、人々の生活や商取引のあらゆる側面、すなわち経済全体のシェア獲得を推進
・もはや人々はアマゾンというインフラなしでは暮らせないかも
 →アマゾンの要塞のなかであらゆる経済活動が完結、それを余儀なくされる可能性
 →反面、アマゾンの要塞から疎外された産業、企業をスポイルし、新しい事業機会や成長機会を奪うという批判は、避けがたいものに
・結果として、競合関係にある小売業者にも「アマゾンのプラットフォーム上で売る」よう強いることに
 →手数料および販売データをも自分のものに
 →アマゾンは、他社のデータを用いて自社商品を開発、他社の価格戦略を見て値段を下げ、それによって市場シェアを広げ、得られた利益で要塞をさらに強固にしているという側面も
 →ふと、「アマゾンの外の世界にもっといいものがたくさんあるかもしれない」という疑問が浮かんではこないか

◆雇用削減、低賃金、そして地域経済の衰退という批判
・米国ではこれまで多数報告されている、アマゾンが従業員の雇用や賃金を抑圧しているという情報
 →アマゾンの配送倉庫に勤務する労働者
  →FBA(Fullfilment by Amazon)に関わる業務がかなりの重労働、然るに平均15%低い賃金での雇用という指摘も
 →また、その多くが有期雇用や季節雇用
・背景にあるのは、配送倉庫におけるオートメーション化
 →ロボットの設置、将来的にはドローンによる配達も
・地域経済を弱体化させているという批判も
 →アマゾンの成長によって、地元に根付いた小売業者が次々に閉店に追い込まれている
 →ネットショップであるため、地域社会にとって貴重な財源である固定資産税をほとんど払っていないという指摘も
・これらの批判が、先に述べたアマゾンのCSR面等での低評価につながっているのではないか

◆利便性 vs. 個人情報――その潜在的な脅威
・アマゾンは顧客第一主義のもと顧客を研究する、その見返りとして、消費者は優れたユーザー・エクスペリエンスを受け取る
 →しかし現実的に残る、個人情報は完全にプロテクトされていない、という問題
・日本で2017年春に施行された改正個人情報保護法の主な3つのポイント
 →第1:個人識別符号が個人情報と明確化されたことで顔認識情報の取得にあたり、取得の同意と利用目的の明示が必要に
 →第2:匿名加工情報がビッグデータとして他企業・他団体が利活用できるようになった
     ⇒ここが最大のポイント
 →第3:ルールに則ったうえでの個人情報の第三者提供および利用がグレーゾーンでなくなった
・もしアマゾンがこれらの情報の一部をビジネスとして外部に流通させ、活用する側の企業がすでにもっているデータと組み合わせたら
 →現在のAIの水準では本人の特定も可能な時代になってきている
・EUは、データ保護規則第17条の条文の中で、「個人データを管理している者は遅滞なく個人データを削除する義務を負う」としている
 →プライバシー保護を重視するEUに対して、米国では表現の自由を重んじる傾向に
・「これなら個人情報を提供してもいい」と顧客に納得させるだけのさらなる新サービス投入
 →それは本当に、個人のプライバシーが損なわれた見返りとして足るものなのか
 →今後も、ビッグデータとプライバシーにまつわる議論を深めていく必要

◆真の顧客第一主義はベゾスから示されるか
・アマゾンの狭義の直接的な顧客に対する顧客第一主義、ユーザー・エクスペリエンスへの徹底的なこだわりは、絶対的に本物
 →社員一人ひとりに浸透、商品やサービスにも、ビジネスモデルにも、忠実に織り込まれ、それこそアマゾンの強さの正体
・これだけの強者が競合他社、そして地域社会との共存経営を軽視しているかのような態度をとるのは、非常に残念
 →これだけの影響力を持った以上、社会の公器としての自覚や責任をより顕在化させるべきではないか
 →個人的にはベゾスを尊敬しているだけに、本当に強く期待したいところ

◆アマゾンに死角はあるか
・これだけアマゾンやベゾスが米国で賛否両論であるのは、「アマゾン一強」ゆえでも
 →特定の分野にフォーカスするという戦略でアマゾンに対抗することはできないものか
 →特定分野における集中・差別化戦略、これこそアマゾンに抵抗するための唯一の手段になる、と考える
・アマゾンにはない楽しさや、情緒価値などで勝負することが肝要に
 →期待しているものに、LINEのスマートスピーカー「WAVE」
 →「アマゾン・エコー」とは異なる楽しさ、使い方を提供してくれるスマートスピーカーが誕生する可能性

◆「マーケティング4.0」でアマゾンを攻略する
・フィリップ・コトラー(Philip Kotler)Northwestern大教授の『コトラーのマーケティング4.0』
 →シェアリング経済における最も有力な販売コンセプトは、Peer to Peer、仲間から仲間のつながり
・顧客とフラットなカスタマーリレーションシップを結び、顧客と対話まで行なっていくこと
 →ここに日本企業の勝利の秘訣があるのでは
・テクノロジーの進化やSNSの発達により見失われたものに、リアルなつながり、ふれあい、思いやりなど
 →それらの潜在意識からの欲求に応えていくのが対話
・顧客の自己成長や自己実現に貢献するような商品・サービスを提供していくこと
 →確実に(顧客の経験価値への訴求を最重要視している)アマゾンへの攻略法に
 →例えば、「結果にコミットする」ことで業績を伸ばしているライザップ

おわりに――これから日本、米国、そして世界で起きること

◆「アマゾン vs. アリババ」に対抗する新経済圏を創造する日本企業
・日本随一のユニコーン企業、スマホから誰でも簡単に売り買いが楽しめるフリマアプリのメルカリ(mercari)
 →(注) ユニコーン企業…ベンチャー投資の世界にて、創業10年以内で時価総額1000億円以上の非上場企業
・今後10年の間に日本発の「アマゾン vs. アリババ」に対抗する新経済圏を創造する企業が登場するとすれば
 →それは、P2P(Peer to Peer)プラットフォーム企業、メルカリであると予想
・大きなP2Pの可能性
 →次代のビジネスの中核になると目されているブロックチェーン、クラウドソーシング、シェアリングと融合性が高い
・日本企業が、規模の経済を確立し全方位戦略で戦わざるを得ない「王者」アマゾンを攻略、乗り越えていく上でのカギ
 →「文化的イノベーション」「文化ブランド」「精神的価値」「Peer to Peer」での事業構築
 →「Peer to Peer」相互間の新たなコミュニケーション(「カンバセーション」)

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