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半導体購入企業トップ10社、半数が2桁成長

2020年の半導体消費額のトップ10社が発表された。1位はApple、2位Samsung Electronics、3位Huawei(華為科技:ファーウェイ)、4位Lenovo、5位Dell Technologiesと順位は2019年と同じだが、各社の変動は大きい。米中貿易戦争や新型コロナの影響を受けている。

表1 世界の電子機器メーカー上位10社による半導体消費額(2020年) 出典:Gartner

表1 世界の電子機器メーカー上位10社による半導体消費額(2020年) 出典:Gartner


このところ先頭を行くAppleは、前年比24%増と最も多くの半導体を購入、消費した。この金額は536億1600万ドル、ほぼ5兆5000億円以上に上る。幸い、日本の半導体メーカー上位2社(キオクシアとソニーセミコンダクタソリューションズ)は共にApple 向けの半導体製品を出荷しているため、Apple と共に成長している。Appleの要求は厳しいが、獲得できれば売り上げは大きい。ただし、納入する半導体製品に改良や進歩がなければAppleに容赦なく切られる。厳しいながらも一緒に成長していくという気持ちがなければビジネス機会を失うことになってしまう。

SamsungもApple同様、20%台の半導体消費額を示した。大きく凹んだのは、3位のHuaweiだ。半導体購入額は190億8600万ドルだが、4位Lenovo の購入額185億5500万ドルに迫られている。2020年の9月15日を境にしてHuaweiの購入額は大きく変わった。米中貿易戦争によってHuaweiへ先端半導体製品を事実上、販売できなくなったからだ。米国製をはじめとする最先端の半導体製品をファーウェイに事実上販売できなくなった上に、米国製装置を使って製造された半導体製品もHuaweiに事実上出荷できなくなったこともある。

Huaweiは9月15日以降、先端半導体を入手できなくなることを知っていたため、QualcommやMediaTekなど5Gモデムやアプリケーションプロセッサを大量に購入していた。このためHuaweiバブルが起きたほどだが、9月15日以降はピタリと止まった。Huaweiはスマートフォンを製造できなくなり、その代わりXiaomi(小米)や、BBK Electronicsが伸びた。BBKは傘下にOppoやVivoを持つスマホメーカーだ。

パソコンメーカーは大きくは伸びなかったが、スマホも持っているLenovoは10.6%も半導体購入額を増やした。この伸び率は、DellやHP、HPEのようなパソコン、サーバの会社よりも高い。スマホやタブレットは急回復、パソコンやサーバの市場も2020年後半からテレワーク需要で久々の成長を見せている。

(2021/02/10)
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