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AIビジネスを狙ったベンチャーが日本でも活発に

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今朝の日本経済新聞トップに、未上場スタートアップ企業の企業価値を推定したところ、企業価値が100億円を超える企業が昨年の2倍以上に増えたという記事が掲載された。トップも2位もAI関係の会社である。一方消費者へのアンケートではAIを使いたいと思う人は中国が55%なのに対して日本では15%しかいなかった。AIはベンチャーで活発、消費者は関心が少ない、という構図が見えてきた。

日経が報じた企業価値は、株式を公開していれば「株価×発行総数」で表現される時価総額で表されるが、未上場ベンチャーは株価が明らかになっていない。そこで、日本ベンチャーキャピタル協会の協力を得て、創業20年未満の未上場企業にヒアリング、152社から回答を得たことで、企業価値を推定した。トップはAIのニューラルネットワークのフレームワークを開発したプリファードネットワークス、2位は電力管理システム開発のパネイルだが、ここもAIを使った電力の需要予測や電力料金の見積もりの仕組みを持つ会社で、AIがらみだ。3位はクラウド利用の会計ソフトのfreeeとなっている。

第一位のプリファードネットワークスはセミコンジャパン2018で、学習用途を目指したAIチップを開発し、チップのパッケージ、プリント基板への実装、プリント基板を複数枚搭載したコンピュータ、さらにそのコンピュータを数台積み上げたコンピュータラック、というサーバシステムまで、セミコン会場で見せた(詳細は、後日セミコンポータルで報道)。さらに、AIを利用した外観検査装置(不良品と良品の学習をさせたもの)を展示した。

プリファードは、東京大学発のベンチャーだが、新たに東大発のベンチャーがまた一つできた。12月14日の日経産業新聞によると、東大工学部の松尾豊研究室から生まれたスタートアップがDaisyで、AIとブロックチェーンを使った新サービスである。エッジAIで推論する場合には、応用ごとに推論モデルを立てなければならない。そのため、今はカスタム仕様で顧客ごとに推論モデルを構築している。そこで、ブロックチェーンを利用して、AIを利用するエコシステムとしてブロックチェーン内でデータを提供したり、適切な推論モデルを構築したりすることに対して、適切な報酬(トークン)を自動的に与えるという仕組みを作る。データや推論モデルをブロックチェーン内に記録し、契約内容を管理する。提供されるデータに対する価値を算出するAIモデルを開発しているという。

AIを使った教育システムの実証実験を京都市がNECや京都大学と連携し開始すると発表した、と12日の日経産業が報じた。これは、教員がグループごとに、生徒の発言内容や発話量を把握して、内容や感情をAIで認識し、授業の質を向上させる仕組みにつなげる。2019年1月から20年3月まで京都市内の小中2校で実施するとしている。実証実験では、教員が発したキーワードと、それに反応した生徒の感情や発話量の関係などを分析する。蓄積したデータを元に教員の授業の質の向上に役立つ方法を開発していくという。

AIにはもちろん、サーバが必要だが、データセンターにあるような多くのサーバを遠隔で一元管理するための半導体チップを台湾のエースピード・テクノロジーが開発しており、ここのところ快調に推移していると11日の日経は述べている。このチップはサーバ内の異常を予期・警告する特性を備えているという。エースピード社は2004年設立だが、2011年にIntelから出資を受けたことが転機になり、需要拡大の波に乗ったとする。2017年12月期の連結売上額は18億台湾ドル(約66億円)だが、純利益が5億3100万台湾ドルで、営業利益率は34%と立派な業績を上げている。

AI技術を推進するApple社がシリコンバレーだけではなく、テキサス州オースティンにも新社屋を建設すると14日の日経が伝えた。オースティンは今やシリコンバレーに匹敵するほどのハイテク産業が集積し、Samsungのファウンドリ工場をはじめ、NXP(旧Freescale)、Silicon Labsなどの半導体企業をはじめ、National Instrumentsなどのハイテク企業が集まっている。Apple社はすでに6200人が働く施設があるが、この拠点近くに53万平方メートルの新社屋を建設する。

一方で、AIを使いたいかどうかを消費者について博報堂生活綜研が調査した、と12日の日経が報じた。AIを使いたいとする中国の消費者は55%に達し、日本の15%、米国の20%を大きく引き離した。スマートフォンのアプリで生活が便利になったという調査でも、中国は73%、日本41%、米国38%が回答したという。米国では大都市、日本でも関東、関西、東海の三大都市圏でスマホを有する男女に聞いた。

(2018/12/17)

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