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半導体業界M&A、落ち着く懸案の一方、くすぶり続ける火種

10%増近い史上最高の販売高を記録した半導体業界を牽引するモバイル機器の飽和感が増すなか、この春以降のM&A関連の活発な動きが依然続いている。ここのところ目まぐるしく変転して注目となったIntegrated Silicon Solution Inc.(ISSI)は、中国投資コンソーシアムへの売却を株主が承認、また、IBM社のmicroelectronics製造事業のGlobalFoundriesへの売却について政府の承認が得られて、ともに大きな山を越える段階に至っている。一方、M&Aの火種の方はいまだ尽きることなく、世界各地でくすぶりが続いている。

≪ほど遠い終息感≫

毎回のように攻勢が変わって注目せざるを得なかったシリコンバレーの高機能メモリソリューション・ベンダー、ISSIであるが、やっとのこと、中国投資コンソーシアム、Uphill Investmentへの売却を、以下の通り株主が承認している。約$765 millionまでせり上がったという受け止め方がある。

◇Shareholders approve ISSI acquisition by Chinese consortium-ISSI shareholders vote for $765M acquisition by Chinese investors (6月29日付け San Jose Mercury News (Calif.))
→シリコンバレーの半導体メーカー、Integrated Silicon Solution Inc.(ISSI)の中国投資コンソーシアムへの約$765 millionでの売却が月曜29日、ISSIの株主により承認された旨。ISSIを巡る2ヶ月の応酬に終止符、もう1つのシリコンバレーの半導体メーカー、Cypress Semiconductorが、該売却から除外されていたと不平を訴え、中国のコンソーシアム、Uphill Investmentを相手取って入札競争を始めた経緯の旨。

◇ISSI Shareholders Approve Acquisition by Uphill Investment (6月30日付け Bloomberg)

◇ISSI Stockholders Agree to Chinese Consortium Acquisition (7月1日付け IHS Electronics360)

もう1つ、これも推移を注目せざるを得なかったIBM社のmicroelectronics製造事業のGlobalFoundriesの売却について、最終的な政府承認が得られてまもなく完了するとの以下の現地記事が目に入ってきた。

◇GlobalFoundries gets last OK to obtain IBM chip business-GlobalFoundries is cleared to purchase IBM Microelectronics (6月29日付け Poughkeepsie Journal (N.Y.))
→GlobalFoundriesが、IBM社のmicroelectronics製造事業買収について最終の政府承認を得て、該取引がまもなく完了する見込みの旨。

◇GlobalFoundries nearing completion of deal for IBM's microchip business-Regulatory process to acquire manufacturing operations is complete (6月30日付け Albany Times Union)

◇GlobalFoundries gets last OK to obtain IBM chip business (6月30日付け Poughkeepsie Journal)

今後どうなっていくか、続いて以下の表し方、表わされ方である。Big Blueのあだ名があるIBMが、Orange Countyに拠点の1つがあるGlobalFoundriesに移っていく、とカラーの変化で示す記事も見られているが、なにしろ過去に遡っての思いから大きな節目を感じるものである。

◇IBM-GlobalFoundries Deal Finalized (7月1日付け EE Times)
→米国regulatorsによる最終的な承認を受けて、IBMが、半導体製造operationsのGlobalFoundriesへの売却を完了、IBMは、世界第2位の半導体ファウンドリー、GlobalFoundriesに$1.5 billionを支払う旨。
GlobalFoundriesは、向こう10年IBMの独占的な半導体プロセッサ技術プロバイダーとなり、該取引によりGlobalFoundriesの現状capacityが10%以上拡大される可能性の旨。

◇GLOBALFOUNDRIES completes acquisition of IBM Microelectronics business (7月1日付け ELECTROIQ)
→半導体業界で最も聡明、最も革新的な科学者&エンジニアのあるものを加えて、GLOBALFOUNDRIESは、10-nm, 7-nmそしてそれ以降と先端プロセス技術への道程を固めていく旨。

◇Globalfoundries completes acquisition of IBM microelectronics business (7月2日付け DIGITIMES)

M&Aの火種の方はいまだ尽きることなく、前回はAdvanced Micro Devices(AMD)の事業分割あるいは分離の噂が打ち消されていたが、今回はQualcommの半導体事業のスピンオフ、そしてMediaTekのNvidiaとの合併の噂と、一向に鳴り止まない市場の喧騒と相成っている。

◇Qualcomm has no plans to spin off chip business at present - chairman-Jacobs: Qualcomm is not looking to spin off chip business (6月30日付け Reuters)
→Qualcommのexecutive chairman、Paul Jacobs氏。同社boardは、過去には考えたことはあるが、Jana Partners hedge fundが4月に示したように半導体事業を分離する計画は如何なるものもない旨。長い時間、何年も議論してきているが、該事業を一緒にやることのシナジーがdissynergiesを上回ると依然考えている旨。

◇MediaTek declines to comment on merger rumors (7月1日付け DIGITIMES)
→MediaTekがNvidiaとの合併を考えているという中国語Economic Daily News(EDN)の報道について。MediaTekは、該報道に根拠はなく、市場の噂についてはコメントしない旨。投資家の間ではこの噂が駆け巡っており、2社が一緒になって自動車用市場に拡げていく可能性、としている旨。


≪市場実態PickUp≫

【米貿易権限法(TPA)成立】

米国議会で難航の経緯があった米大統領貿易促進権限(TPA)法案がやっと成立に辿り着き、日米はじめ政治経済懸案の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の道筋が開けてきているが、米国Semiconductor Industry Association(SIA)からも大きな勝利との反応が表わされている。

◇米貿易権限法案、29日成立へ、TPP交渉加速 (6月29日付け 日経 電子版)
→オバマ大統領が29日(日本時間30日)、環太平洋経済連携協定(TPP)妥結の前提となる米大統領貿易促進権限(TPA)法案に署名する旨。同法案の成立を踏まえ、日本、米国などのTPP加盟各国は7月中の大筋合意に向け閣僚会合開催も含む大詰めの交渉を加速させる旨。TPAとほぼ同時期に上下両院を通過した、貿易による失業者に対する公的支援制度を定めた貿易調整援助(TAA)法案にも署名する旨。

◇米貿易権限法が成立、TPP交渉加速の環境整う (6月30日付け 日経 電子版)
→オバマ米大統領が29日、環太平洋経済連携協定(TPP)妥結に不可欠な大統領貿易促進権限(TPA)法案に署名し、同法は成立した旨。大統領は議会から通商交渉権限を一任され、TPP交渉を加速させる環境が整う旨。オバマ氏は妥結までに「厳しい交渉が待っている」と述べ、12カ国による全体合意の先行きに険しさもにじませた旨。

◇Back in the Driver's Seat on Global Trade (6月29日付け EE Times/Blog)
→Washington D.C.で米国半導体業界を代弁するSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident and CEO、John Neuffer氏。Trade Promotion Authority(TPA)は、自由貿易および半導体業界にとって大きな勝利である旨。

【中国半導体業界自立化】

半導体製品輸入偏重から脱却して半導体製造の自立化を国家計画に盛り込んで邁進している中国の狙いについて、取り組みの1つの表し方である。

◇China Sinks $100 Billion Into 'Champion' Chipmakers-Analysts: China to invest $100B in home-grown chipmakers (6月29日付け Investor's Business Daily)
→Morgan Stanleyのアナリスト最新レポート。中国が、半導体製造における"国家チャンピオン"を作り上げるために5年にわたって$100 billionを投資する計画の旨。その目標は大きいが単純であり、中国の半導体の大志はすでに製造を席巻、そして国家セキュリティに関わる領域に向けられている旨。

中でもDRAM生産をどうするか、具体的な動きが次の通り出てきている。

◇XMC likely to be China DRAM hub, says DRAMeXchange (7月1日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。Wuhan, Hubei province(湖北省武漢市)が、中国の国産DRAM業界の展開に向けて選ばれる様相、現地の12-インチファウンドリー、Wuhan Xinxin Semiconductor Manufacturing(XMC)が、DRAMの主要生産基地となる旨。Wuhanは中国のDRAM生産hubに向けた他の5つの候補を負かそうとしており、選ばれると、中国のMinistry of Industry and Information Technology(MIIT)が2014年10月に設立したNational IC Industry Investment Fundによる支援を中央政府から受ける旨。

【インテル関係】

インテルの4G applicationプロセッサが来年にずれ込んで、次の計画との時間軸の狭まりが懸念される事態が、以下の通りである。

◇Digitimes Research: Intel 28nm SoFIA 4G AP delayed to early 2016; may face overlap issue with 14nm version (6月29日付け DIGITIMES)
→設計が完了、半導体は量産準備完という事実にも拘らず、Intelの28-nm SoFIA 4G application processor(AP)の打ち上げが、依然まだ完全になっていないソフトウェア部分を巡る調整から2016年始め以降になりそうな旨。2015年についてはIntelは依然SoFIA 3G/3G-R APsに依存する必要があり、今年後半に急速に伸びる見込みの4G市場からのビジネスopportunitiesを失う可能性の旨。2016年にさらに問題になりそうなのは、同社14-nm SoFIA製品ラインが2016年後半にすでに計画されており、2016年始めからの28-nm品と重なってお互いの需要に影響し合う可能性がある旨。

もう1つ、同社の女性社長が来年早々退任などいくつかのトップ人事関係の発表が行われている。

◇Intel President, Execs Step Down (7月2日付け EE Times)
→IntelのPresident、Renee James氏ほか同社トップexecutives数人が退任する計画が発表された旨。社長として2年、CEOのBrian Krzanich氏に次ぐ立場で製造、ソフトウェア、セキュリティ技術およびcorporate strategy/planningを担当している旨。

◇米インテル女性社長が退任、他社のCEO職を模索 (7月3日付け 日経 電子版)
→米インテルは2日、レニー・ジェームズ(Renee J. James)社長が来年1月に退任する人事を発表、後任は未定、ジェームズ氏は他社の最高経営責任者(CEO)就任の機会を探る旨。社歴28年の同氏は2013年に現職に就任、同時にCEOに就任したブライアン・クルザニッチ氏と二人三脚で、半導体世界最大手の改革に取り組んでいた旨。

【Qualcommの肩入れ支援】

米国のQualcommが中国のSMICと連携して上海にリサーチセンターを設立、中国のHuaweiおよびベルギーのImecもこのコラボに参画することは前回示したが、これについて引き続く反応である。

◇SMIC to benefit most from new venture with imec, Qualcomm (6月26日付け Want ChinaTimes)

◇Commentary: SMIC gains access to 14nm process technology (6月29日付け DIGITIMES)
→中国のSemiconductor Manufacturing International(SMIC)がHuawei, Qualcommおよびベルギーのmicroelectronicsリサーチ機関、IMECと先端半導体の開発、生産を行う合弁を設立するという最近の発表は、IC部品の現地生産を立ち上げる中国の目標に向けてもう1つのmilestoneとなる可能性の旨。計画されている該合弁、SMIC Advanced Technology Research and Development(上海)は、当初IMECのノウハウに基づいて14-nm CMOSなど先端プロセスを開発、関連R&Dプロジェクト実行にSMIC fabsを活用する旨。

Qualcommの支援は、以下の通り韓国のstartupメーカーに向けても行われている。

◇Qualcomm to invest 100 bln won in S. Korean start-ups-Qualcomm to invest in Korean startups for "mobile ecosystem" (7月1日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→Qualcommが水曜1日、"韓国でのモバイルecosystem促進"に向けて韓国のstartupメーカーに最大$89.5 millionを投資する旨。Qualcomm Venturesが、"向こう数年"の間その額の約半分を直接に投資する旨。

【wearable業界】

Yole Developpementが、wearable業界の今後のついての見方、そして注目のApple Watchの中の部品構成を表わしている。consumer, ヘルスケア, および産業用の3つの市場が伸びを引っ張るとしている。

◇Consumer, healthcare, and industrial to drive wearable industry to potential value of $90B by 2020 (7月1日付け ELECTROIQ)
→Yole Developpementがリリースした技術&市場分析、"Sensors for Wearable Electronics & Mobile Healthcare"。wearable業界は2020年までに295 million個に達し、$90Bの市場価値になる旨。consumer, ヘルスケア, および産業用の3つの市場が、このすばらしい伸びを引っ張る旨。

◇Apple Watch Tear Down Reveals European Chips (7月3日付け EE Times)
→Yole発。Apple Watchの半導体設計slots獲得として、STMicroelectronicsおよびNXPが各2個、AMSとDialog Semiconductorが各1個と欧州勢が入っている旨。wearable業界は2020年に295 million台に達し、$90 billionの市場となる旨。


≪グローバル雑学王−365≫

ジャーナリストとしてアメリカ、アフガニスタン、パキスタン、エジプト、カンボジア、ラオス、北方領土などの紛争地帯を取材した経験をもつ著者による書、

『「逆さ地図」で読み解く世界情勢の本質』
 (松本 利秋 著:SB新書 301) …2015年5月25日 初版第1刷発行

を今回から読み進めていく。人間世界のさまざまな情報を組み込んで、地理的な状況が政治にどのような影響を与えているかにアプローチする「地政学」が基軸になっている。海を塞ぐ邪魔な日本、そしてイスラム国(IS)、中国、ロシアと世界の大問題と、地図の向きを柔軟に変えて眺める癖をつけることで、世界の本当の姿が見えやすくなる、とある。タイトルにある「逆さ地図」目線をもって、今後の日本が世界の中で歩むべき方向性を探っていく。


はじめに―――地図を多方向から見れば、世界各国の思惑が見えてくる

・地図に、歴史やパワー・バランス、民族や宗教、文化等の情報を入れて見ていくと、違った世界が見えてくる
・人間世界のさまざまな情報を組み込んで、地理的な状況が政治にどのような影響を与えているか
 →「地政学」
 →自国の国益をどのように守り、有利に導くかという国際関係論の考え方に
・本書は、一つの方法として地図を逆にすると見えてくる世界を理解しようとする試み

序章 本当の世界を知るには地図を逆さにして見る

■世界の問題を俯瞰するために利用されてきた地図と「地政学」

◇人類の旅と地図
・人類の祖先の旅
 →「The Great Journey」(イギリス人の考古学者、Brian M. Fagan)
  …10万年前、アフリカのRift Valley(地溝帯)からユーラシア大陸を通って、アメリカ大陸にまで拡散していった約5万3000キロの行程
・人類が地図を描き始めた時期は、おそらくは有史以前にまで
 →地図は人類が生き永らえるのに必要な情報源

◇地理学と地政学の成り立ち
・19世紀頃からヨーロッパの、特にドイツやイギリスの大学で「地理学」が、ようやく正規の講義科目として認定へ
 →15世紀の大航海時代から、19世紀から20世紀にかけての帝国主義時代にかけて、国家的規模で収集された世界の諸地域に関する地理的な知識の整理
・19世紀から20世紀にかけての植民地獲得競争
 →互いに自国の利益を確保する戦略を立てるために、地理的な条件が国家に与える政治的、軍事的影響をグローバルな視点で見ていく学問が出来上がった
 →「地政学」

■大陸国家と海洋国家で分かれる地図の見方

◇シーパワー国家の日本
・日本は、海洋を通じて世界と繋がり、海洋貿易が日本を支える大きな要素
 →豊富な魚介類、日本近海の海底にはメタンハイドレードやレアアース、天然ガスや石油までも存在
・我々日本人は自然と海洋国家的な世界地図の見方をしていることに
・地政学的な見地から大雑把に言えば、日本は紛れもなく「海洋国家=シーパワー」

◇ランドパワー国家の中国とロシア
・中国では、北方の騎馬民族の侵入を如何に防ぐかが民族存亡の要
 →歴史的に北方との戦いに関心を集中、海への関心はほとんどなかった
 →地政学では「大陸国家=ランドパワー」
・もう1つの大陸国家、中国より広大な国土を持つロシア
 →ベーリング海を挟んで国境を接しているアラスカは、かつてはロシア領
  →クリミア半島を巡る戦争で経済的に疲弊、1867年にアラスカを720万ドルでアメリカ政府に売却
   …1平方km当たり、たったの5ドル
 →その後重要性が増し、アメリカにとっては極めて有利な買い物に
・海を渡ると状況判断を誤るという、大陸国家の限界が見えてくる

■歴史で見た大陸国家の限界、邪魔になった日本列島

◇中国の支配者の関心は北方に向いていた
・大陸国家、中国も、海を渡って進出を試みたが、目的を果たせなかった歴史
・一大ランドパワーの帝国、蒙古民族の元
 →1274年、日本の北九州に押し寄せた「文永の役」が失敗に
 →1281年、再度日本に遠征をする「弘安の役」
 →2度にわたる日本侵攻作戦に失敗、それから外洋に出て行くことはなかった
・中国の歴史を見ると、失敗した日本遠征を除いて、支配者の関心は主に北方に向いていて、南方である海にはあまり興味がない
 →19世紀の半ばまで続いた

◇本格的に海洋に進出しだした中国
・中国が、劇的に変化
 →1840年から2年間続いた「アヘン戦争」
  …イギリスが、植民地とするインドで採れた麻薬のアヘン、清国が買い入れ断固拒否、戦争に持ち込んで勝利
 →香港島とその対岸にある九龍半島を割譲
 →海洋から攻め込んで来る勢力に敵愾心を持つように
・1894年〜1895年の「日清戦争」にも敗れ、台湾を日本に割譲
 →中国側の主張に立てば、尖閣諸島もこの時に日本に奪われたもの
・中国が経済力がついてくると、積極的な海洋進出を試みるように
 →1980年代から列島線突破の具体化
  …「第一列島線」−日本列島から台湾、フィリピン、南シナ海に至る線
   「第二列島線」−日本の本州から小笠原諸島、グアム、ニューギニアを結んだ線
 →中国海軍は、この2つの線の内側を勢力圏内とし、海洋からの外国勢力を入れないようにする戦略を採ると決定

■地図を逆さに見ることは地政学的発想が基本

◇ハートランドを包囲するリムランド
・100年ほど前に出来上がった地政学
 →地図を基本にして、その地域特有の文化や、民族の歴史、その歴史からくる民族の基本的な発想、政治形態などの情報をインプットして俯瞰するもの
 →「海洋国家」(シーパワー)と「大陸国家」(ランドパワー)の二大勢力
 →基本的にはシーパワーがランドパワーの膨張を抑止するという想定の中で世界観を構築
・狭義の概念分類
 →ハートランド(Heartland)…西ロシア、東欧などユーラシア大陸中央部に位置する中核地域
  リムランド(Rimland)…ヨーロッパ諸国、中東、インド、東南アジア、中国沿岸部、韓国などハートランドの周辺に位置する地域
  ヒンターランド(Hinterland)…日本、台湾、フィリピンなどシーパワーの戦略物資をリムランドに支援する背後地
 →シーパワーは、リムランドを形成する国々とともにハートランド勢力を包囲、その拡大を阻止
・シーパワーの代表格は、かつてはイギリス、現在はアメリカ

◇韓国の動きを牽制する日本
・1902年に、イギリスが日本と「日英同盟」を結んだ最大の理由の1つは、当時のロシアの南下政策の阻止に
 →日露戦争は日本が勝利、ランドパワーの膨張を食い止めることができた
・第二次世界大戦後の朝鮮戦争
 →当時の日本はアメリカの占領下、シーパワー国、アメリカの兵力と戦略物資を、リムランドである韓国に輸送して支援する役割
 →ヒンターランドの役割を果たした典型的な実例
・現在、韓国が中国にすり寄る姿勢
 →日米は韓国の動きを牽制、中国は韓国を抱き込もうと必死の努力

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