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ルネサスが1000人リストラ、富士電機はパワー半導体に250億円追加投資

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2018年に世界の半導体産業が13〜14%成長したのに対して、1〜9月末の累計売上額が0.1%減のほぼ横ばいという成長しか示さなかったルネサスが1000人近くを削減する、と2月4日の日本経済新聞が報じた。パワー半導体への富士電機の投資やデータセンターでのオールフラッシュアレイの拡大など成長に向けたポジティブな動きもある。

日経によると、ルネサスエレクトロニクスの1000人は、従業員の5%に当たる。2015年3月期以降に連結黒字が定着してきたが、2017年にアナログ半導体のインターシルを買収、18年9月にはIDTを7300億円で買収することを決めた。インターシルを買収したのにも関わらず、売り上げが全く上がっていない。2018年1〜9月期までの累積売上額は5696億2400万円で、前年同期比-0.1%となっている。

しかも第3四半期だけを見ると、季節柄最も成長する時期にもかかわらず、売り上げは前年同期比7.8%減の1802億2600万円にガクンと落ちている。現在の中国経済の変調からすると、第4四半期には大きく落ちるはずであるため、第4四半期もこの調子だと、ルネサスは再び危ない状況になる。財務数字には直接現れないが、特に人材流出は大きい。これからのルネサスの技術力、顧客への信頼力などのカギを握るからだ。IDTの買収を決めた時点で、半導体業界では疑問視する向きが圧倒的に多かった。

一方、パワー半導体産業に追い風が吹いている今、富士電機は250億円を投資し、電気自動車やハイブリッド車に使われるパワー半導体を増産する、と2月4日の日経産業新聞が報じた。「山梨県の工場などで設備増強を進め2020年度までに、半導体ウェーハの生産能力を18年度に比べ2倍に引き上げる。同社は18年度も半導体向けに300億円の設備投資を進めているが自動車向けの引き合いは強く、さらなる投資が必要と判断した」と日経は述べており、産業機器、エネルギー、鉄道など電力を必要とする分野に向ける。特にクルマ用は48V系の回生ブレーキのマイルドハイブリッドから300V〜350Vのプラグインハイブリッドに至る電気モーターを使う用途での需要があると見込んだようだ。

電気利用のクルマのインバータにはIGBTが主力だが、回生ブレーキのオンボードチャージャーにはSiC半導体が使われ始めている。富士電機はIGBTもSiCも両方持っており、パワー半導体を伸ばしていく方針だ。

三菱電機は、家電ごとの電力量を、センサを使わずAIを使って可視化する技術を開発した、と1月31日の日経産業が伝えた。これまでのモニター住宅で予め分析した電気の使い方をモデル化し(学習させ)、照合するというもの。エアコンや冷蔵庫など個別の機器ごとにセンサを設置する必要がない。2018年7月から東北電力と実施している実証実験に、この技術が使われているという。

NANDフラッシュの単価が下落し続けているため、フラッシュメーカーの収益が落ちているという報道が多い。2月1日の日経は、SamsungとSK HynixのNANDフラッシュ事業の営業利益が下がっており、Hynixは赤字になったと伝えた。東芝はじめ他のNANDフラッシュメーカーも厳しいと見ている。

一方、NANDフラッシュの価格が下がってきたことは顧客にとってうれしいニュースであり、データセンターのストレージやサーバーにフラッシュアレイを使う例が増えている、と1月30日の日経が報じた。オールフラッシュアレイは、HDDを全く使わないタイプのストレージデバイスで、SSDをアレイ化して機器に設置している。NANDフラッシュが値上がりする前の13〜14年の価格差が6〜7倍あったが、18年は3倍強まで縮まったという。

この2年間、DRAMの値上がりが続き、スマホも値上げしてきたため、その台数が伸びず、世界的に4.1%減少の14億490万台となった。Appleは9四半期期ぶりに減収したと1月31日の日経が報じた。18年10〜12月の同社の売上額は前年同期比5%減の843億1000万ドル、純利益は0.5%減の199億6500万ドルだった。特にiPhoneは香港、台湾を含む大中国市場で27%減と大きく沈み、iPhoneの売上額は15%減となった。メモリの値上がりが続き、スマホも値上げしたことが大きい。

(2019/02/04)

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