直近の世界半導体ランキングでは、Nvidiaがダントツのトップ
2024年第1四半期における世界半導体企業の売り上げ上位10社ランキングが発表された。それによると1位のNvidiaはブッちぎりトップの業績で、前四半期比18%増の260億ドルとなった。2位のSamsungは黒字に回復し174億ドルを売り上げたものの、1位との差は大きい。3位Intelは同17%減の127億ドルで4位のBroadcomの120億ドルに肉薄している。
図1 2024年第1四半期における世界半導体トップ10ランキング 出典:Semiconductor Intelligence
このトップテンランキングは、米市場調査会社のSemiconductor Intelligenceが発表したもの。5月22日にNvidiaから24年2月〜4月の決算が発表されたことで、その金額をランキングに掲載した。厳密には第1四半期ではないが、それに近いことでNvidiaの決算の数字をそのまま使っている。
このランキングからわかることは、メモリメーカーの明確な回復である。Samsungが前四半期比6.7%増の174億ドル、SK hynixは同9.9%増の93億ドル、Micron同は23%増の58億ドルと、メモリメーカー上位3社が全てプラス成長となっている。前四半期は2023年第4四半期であり、通常はクリスマスシーズンで次の四半期、すなわち今期はマイナスになっていた。しかし、それがプラスになったことから回復がいよいよ始まったことを示している。
メモリ以外では産業用に主力を置いている企業がマイナスだが、一桁マイナスで収まっている企業もある。同1.9%減のInfineon Technologiesや2.8%減のルネサスエレクトロニクスなどは善戦しているといえそうだ。これに対して、Texas InstrumentsやSTMicroelectronics、NXP Semiconductor、Analog Devicesは、それぞれ10%減、19%減、8.6%減,14%減と回復が遅れている。また、Broadcomの売上額は120億ドルだが、まだ1Qの発表が6月に入ってからになる予定で、ここでは2023年4Qの数字を使っている。
上位15社の平均成長率は2%増、メモリメーカーは平均12%増、非メモリメーカーは平均2%減であり、18%増というNvidiaの一人勝ちの様相を示している。
今後だが、全体として第2四半期の見通しは、プラスになりそうで、先頭のNvidiaはさらに7.5%増の280億ドル±2%と予測している。このところNvidiaの予想よりも実績はやや上振れしているため、それ以上になる可能性も否定できない。前四半期に今期の売上額を240億ドルと見ていたが、実績ではそれを20億ドルも上振れしていた。