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Gartner、今年の半導体市場を7.4%成長に下方修正

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米市場調査会社のGartnerは、2022年の半導体デバイス市場は前年比7.4%増の6392億ドルになりそうだと、下方修正した(参考資料1)。WSTSが6月の市場予測で、16.3%増と上方修正したばかりだが、ここに来て急ブレーキがかかったようだ(参考資料2)。Gartnerは四半期前には今年の半導体市場は13.6%成長と予測していた(参考資料3)。

Semiconductor Revenue Forecast, Worldwide, 2021-2023 (Millions of U.S. Dollars) / Gartner

図1 Gartnerが下方修正した22年・23年の世界半導体売上額 出典: Gartner


半導体不足は緩和されつつあるが、2023年は前年比2.5%減の弱含みになりそうだ、とGartnerは見ている。半導体の最終市場、つまり消費者の財布のひもが固くなっており、インフレ気味で税金や利率、物価、ガソリン価格なども上がる傾向にある。このため、スマートフォンやパソコンなどの消費者向け商品にお金を使わなくなってきている。こういった消費者向け商品に使われるメモリ需要は減退し、価格は下落してきている。

Gartnerは、2022年における世界のパソコン出荷数量が前年比13.1%減になりそうだとみている。パソコンは2020年、21年と連続してプラス成長してきたが今年は減少に転じるようだ。このため、パソコン向けの半導体売上額は今年5.4%減になり、スマホ用半導体売上額はプラス成長するものの3.1%成長に留まる。2021年にはスマホ用半導体売上額は24.5%も成長した。

半導体製品に対する在庫は急速に回復してきており、リードタイムは短縮し始めており、価格は緩んできているという。

Gartnerによれば、半導体市場はダウンサイクルに入ってきており、特に消費者向け市場は景気後退になりつつある。しかし、データセンター市場はクラウド投資が続いているため、2022年は20%成長が続くと見ている。また、車載半導体市場は今後3年間以上、2桁成長を記録し続けると見ている。これは、クルマ1台当たりに使われる半導体製品がますます増えていくからで、特に電動化と自動運転に大量に消費されるとしている。車1台当たりの半導体コンテンツは2022年に平均712ドルだが、2025年には同931ドルに上がると見積っている。

参考資料
1. "Gartner Forecasts Worldwide Semiconductor Revenue Growth to Slow to 7% in 2022", Gartner (2022/07/27)
2. 「2022年の世界の半導体市場は16%成長の6465億ドル(84兆円)へ」、セミコンポータル (2022/06/10)
3. 「ガートナーが見る今年と2026年までの半導体市場」、セミコンポータル (2022/05/18)

(2022/07/27)

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