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世界の半導体製造装置、2021年は初の11兆円を突破

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2021年における世界の半導体製造装置の販売額は初めて1000億ドル(11兆円)を突破する見込みである(図1)。これは12月15日から東京ビッグサイトとオンラインで開催されるセミコンジャパンの前にSEMIが発表したもの。2020年の710億ドル(7兆9000億円)から今年は44.7%増の1030億ドル(11.3兆円)に跳ね上がると見込んでいる。

SEMI 2021 Year-End Total Equipment Forecast by Segment (US $ Billion) / SEMI

図1 世界半導体製造装置の販売額 出典: SEMI


「世界の半導体製造装置販売額が1000億ドルを突破したということは、世界の半導体産業が生産能力を高めたということであり、それだけ強い需要があることを示している」とSEMI会長兼CEOのAjit Manocha氏は語っている(参考資料1)。デジタルインフラの構築をはじめとする半導体ユーザーのトレンドが2022年も健全な成長を促すと見ている。

ウェーハプロセスとファブ設備、マスク/レチクル装置を含むウェーハファブ装置は、2021年には前年比43.8%増の880億ドルと見込まれており、2022年もさらに12.4%増加し990億ドルに達する見込みだ。ただし、2023年は一服し、同0.5%減の98.4億ドルに落ち着くと見ている。

全ウェーハファブ装置の半数以上を占めるファウンドリとロジック分野では、2021年は同50%増の493億ドルにはねあがり、22年も成長が続き17%増になると予想する。

メモリとストレージ分野では(図2)、DRAM向け装置は21年に前年比52%増の151億ドルが見込まれ、22年には同1%増の153億ドルと予想されている。NAND向け装置は、21年に24%増の192億ドル、22年も8%増の206億ドルと予想されている。23年はDRAM、NAND共、一服しそれぞれ2%減、3%減が見込まれている。


SEMI 2021 Year-End Wafer Fab Equipment Forecast by Application (US $ Billion) / SEMI

図2 IC製品別のウェーハファブ装置の予想 出典:SEMI


後工程のアセンブリとパッケージング装置は、2020年に33.8%成長を示したが、21年は81.7%増の70億ドルが見込まれており、22年もさらに4.4%増が見込まれている。後工程では、先端パッケージング技術がけん引する。テスト装置では、2021年に29.6%増の78億ドルに成長、22年も4.9%成長が見込まれている。来年は5GやHPC(高性能コンピューティング)分野がけん引するという。

地域別では、中国、韓国、台湾が装置を使う上位3地域だ。中国は21年には最も多く使う地域となり、22年と23年は台湾が巻き返すと見られている。TSMCは米アリゾナ州と、台湾高雄市、日本の熊本県に新工場を建設することが決まっている。

2022年には世界の半導体製造装置販売額は1140億ドルとなり、12兆円を超えると予想されている。

参考資料
1. "Global Total Semiconductor Equipment Sales on Track to Top $100 Billion in 2021 for First Time, SEMI Reports", SEMI press release (2021/12/14)

(2021/12/14)

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