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先端パッケージファウンドリの米NHanced社、最新ハイブリッドボンダー設置

チップレットや3次元ICの先端パッケージング技術のファウンドリ企業である米NHanced Semiconductorsは、すでに工場を設立、次世代のハイブリッドボンディング装置を導入した、と発表した。米イリノイ州に本社を置くNHancedは、チップレット、3D-ICだけではなく先端パッケージに必要なシリコンインターポーザやフォトニクスなども扱う。

Besi - BE Semiconductor Industries

図1 ハイブリッドボンディング技術を開発したBesi 出典:Besi社


NHancedが導入した装置は、BE Semiconductor Industries (Besi)社が開発したハイブリッドボンディング装置で、Besi Datacon 8800 CHANEOと呼ばれている。室温で銅ピラー同士を接続する。サブミクロンサイズの微細ピッチのパッドで銅配線を形成する場合に、性能や速度、精度(誤差)、割れや欠け制御などの要求が増えているが、これらをコスト効率よく対応できるとしている。

Besi社の実績のあるDataconプラットフォームをベースにして設計した、Datacon 8800 CHAMEOは、室温で誘電体の直接融合ボンディング技術を用いており、その後の一括アニーリングで電気的な接続を完成させる。最新のビジョンシステムを組み込んでいる。「この新しい装置のスループットを上げたため、当社の顧客へのコストを下げることができる」とNHancedの社長であるRobert Patti氏は述べている。

同氏は、「さらに優れた点は歩留まりが上がったことだ。このため、もっと大きなアセンブリ装置を導入できるので、さらなるコストダウンを図ることができる。すなわち数十個のチップレットを含む製品も可能だ」と語っている。

この新しいハイブリッドボンディング装置はNHancedの投資の第1弾となる。米国における半導体ICのエコシステムをさらに広げ拡大していくという。この先端パッケージング技術によるファウンドリビジネスを同社は、ファウンドリ2.0と呼んでいる。いわゆる従来のファウンドリから調達するダイやチップレットを使って、カスタマイズした3D-ICや2.5D-ICの先端パッケージングやインターポーザなどでアセンブリする、という製造請負サービスを提供する。

NHanced Semiconductors社はイリノイ州バタビアに本社を置くが、ノースカロライナ州モリスビルのリサーチトライアングル近くに研究開発部門があり、少量生産や社内向け製品開発、カスタム試作などをビジネスとして行い、先端パッケージとアセンブリの工場はインディアナ州オドンにある。回路設計に長けた設計エンジニアをはじめ、レイアウトや配置・配線、シミュレーションなどのエンジニア、検証技術の専門家、ソフトウエアを組み込むロジック設計の専門家、プロセスエンジニアなどを抱えているという。

(2024/05/31)
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