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通じない和製発音の英語と日本語表記

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ベンチャー企業という言葉の英語が見当たらない。アメリカ人にVenture companyあるいはVenture corporationというと、ベンチャーキャピタルのことか、と聞き返される。VCといえばもちろん、ベンチャーキャピタルを意味するが、単にベンチャー(venture)と言ってもベンチャーキャピタルを指すことが多い。

起業したての会社であれば、スタートアップカンパニー(start-up company)あるいは単にスタートアップと呼ぶのが普通だ。複数でもstart-upsですむ。しかし、困るのは創業して10年以上経つ中小企業をどう呼ぶか。日本ではこれでもベンチャーと呼ぶことが多いが、10年以上経つとstart-upの時期は過ぎてしまっているし、悩んでしまう。日本語を英語で表現する場合の難しさの一つといえよう。

先日も、数回日本に来たことのあるアメリカ人と和製英語について話していたら、和製英語よりも発音が全く違うことが困ると言っていた。和製英語なら話をしている文脈から正しい意味を後で気がつくことが多く、さほど問題ないが、和製発音の方が問題ありで、話している言葉の意味が全く分からないという。

特に、McDonaldsが全く通じなくて困ったという話を聞いた。日本語ではアクセントなしでマクドナルドと発音するが、これでは全く通じない。英語は、「ダ」にアクセントを置き、「マクダネルズ」と聞こえる。アタマの「マク」はほとんど聞こえない。「ダネルズ」あるいは「ダヌーズ」と言う方が通じる。

この誤解は英語教育の問題に起因するのではないだろうか。中学から高校までおよそ8~9割の日本人が6年間も英語を勉強したのにもかかわらず、卒業しても誰一人英語を話せない。生徒が悪いのではなく教育制度が悪いのだろう。アジアの人たちとこの問題を議論すると、たいていの国の人たちは高校を卒業すると日常会話程度の簡単な会話を話せるという。それも日本と同じ中学校から英語を習い始める。さらに、フィリピンやインドネシア、マレーシアでは大学の授業は教師も教科書もほとんど英語なので、大学卒業者はほとんどが英語を話せる。日本は大学を出てもほとんどの人が英語を話せない。

日本では、ローマ字読みに忠実に英語を読ませることがこれまで日本語として採用されてきたが、このやり方に問題が大ありなのだ。外国人には通じない読みの「英単語」を教育されてきたものだから、学校を卒業しても外国人と話ができない。

「アンビリーバボー」という言葉をときどきテレビや雑誌で見かけるか、これはまさに外国で使われている英語の読みである。Unbelievableは「アンビリーバブル」ではなく「アンビリーバボー」と書くべきではないだろうか。通じない英語を日本語として読ませることに今、どのような意味があるのだろうか。

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