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パナソニック、バーチャルメトロロジーでゲート酸化膜厚のバラつきを予測

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ウェーハごとにばらつくゲート酸化膜厚の測定データを蓄積し、その後のウェーハごとの変動を予測し品質管理に生かす、というパナソニックの生産技術論文がAEC/APC Symposium-Asia 2009のベストペーパー賞を受賞した。このシンポジウムは東京・神田一ツ橋記念講堂で行われ、パナソニックが半導体の品質を管理できる事例を発表した。

微細化とともにプロセスマージンが狭くなってくるにつれ、装置のバラつき、経時変化をきっちり抑え、歩留まりを低下させないことが不可欠になってくる。パナソニックがAEC/APCシンポでベストペーパーに選ばれた発表は、バーチャルメトロロジー(VM)と呼ぶシミュレーション技術。測定ウェーハサンプル数を増やせば増やすほど精度は上がるがコストがかさむ。このため予測を含めて測定する方法、すなわちバーチャルメトロロジーを利用してウェーハバラつきを予測しようという訳だ。


Physical model


パナソニックは、ゲート酸化膜を形成するRTP(急速加熱プロセス)の装置を使って、ゲート酸化膜のウェーハごとのデータを採り、さらに変動を多変量解析方法と物理モデルを立ててシミュレーションする方法について調べた。

酸化速度のVMモデルは、Oラジカルを形成させて酸化する方法であり、Oラジカル濃度はチャンバ内圧力Pとウェーハ温度(ランプ出力Iに換算)に比例することを利用する。多変量解析のモデル式では、それぞれPとIを変数とみなして係数をかける方程式、物理モデルの式は、ランプ出力から熱損失関数を差し引いた方程式を立てた。いずれのモデルでもランプの出力はウェーハ裏面から15個のパイロメーターで温度を測るため、15個分の出力を加えておく。

二つのモデルが実測値と合っているか、実測値との相関係数はどの程度かを調べた結果、統計モデルでは相関係数は0.73、物理モデルでは0.89と明らかな有意差が見られた。また不良品と判定するアラームが誤作動する割合は統計モデルでは11%あったが、物理モデルは0%だった。これらの結果からパナソニックは、物理モデルでさらなる予測も求めることを決めた。


VM in mass production


ウェーハ数2万枚まで実測し、そのデータをもとにそれ以降、ゲート酸化膜厚をウェーハごとに予測を立て、さらにその実測値とも比較した。その結果、相関係数は0.92とさらに高まり、このモデルで予測することが可能であることを示している。


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さらに実際の電気的テストから見積もったEOT(酸化膜換算厚さ)と、今回のVMモデルによって予測した厚さとの相関も求めた。その結果、EOTとの相関係数はダミーウェーハ(NPW)での実測値が0.57しかなかったが、VM法だと0.66とむしろ高いことがわかった。

(2009/11/16)

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