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曲げられるディスプレイのPDAを欧州ベンチャーが2008年半ばに商品化

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オランダのPolymer Vision社は、丸められるLCDディスプレイを使ったPDA製品、Readiusを開発、今年の半ばには商品化する、とMobile World Congress 2008で発表した。曲げられる5インチのディスプレイを折りたたむと、幅57mm、高さ115mmの携帯電話機とほぼ同じ大きさになる。

5インチスクリーンをほぼ広げる

写真1 5-インチPDAを折りたたむ

5インチスクリーンをほぼ広げる

写真2 5-インチスクリーンを広げ始める

5インチスクリーンをほぼ広げる
写真3 5インチスクリーンをほぼ広げる

完全に広げると平らになり読みやすくなる


このPDAは5インチ型のLCDを使い、16階調のモノクロで表示する。広げると、硬い筐体で支えられ、ディスプレイ画面を固定して見ることができる。スクリーンはQVGAの解像度で、ウエッブブラウザを楽しむことが可能。ディスプレイ部分の厚さは100μmと薄く、有機プラスチック基板上にプラスチックTFTトランジスタを作り込み、各画素を制御する。

携帯電話に使われているLCDスクリーンとは違い、バックライトを使わないため、スクリーンを使用したまま30時間連続して利用できる。3.5GのHSDPAのトライバンド電話機としても使え、ブラウザーや電話機の他、メールや個人配信ニュース、MP3、ポッドキャスト、e-Bookなども楽しむこともできる。インターフェースとして、ActiveSyncとUSB2.0を備え、さらにBluetooth2.0とも接続できる。e-Bookへのアクセスも簡単にできる。

スクリーンを開いた状態で、本体部分の右(スクリーンの左側)にタッチセンサーを備え、この試作機では5項目のメニューを選択できるほか、写真などの画面ではこのタッチセンサー列を上から下へ指で連続的になぞると、次の写真画面が現れる。下から上になぞると前の写真画面に戻る。まるでiPhoneのタッチスクリーンを本体部分に作り込んだような動作をする。

OSにはWindows Mobile、アプリケーションプロセッサには最大400MHz動作のARM11コアを集積している。現在入手可能なNANDフラッシュメモリーを最大8GBまでマイクロSDの形で搭載できる。

同社Display EngineerのWieger Markvoort氏によると、現在7社のプロバイダと話し合いに入っており、話の進み具合によってはいつでも商品化に踏み切れるという。今のところ、今年の半ばまでには商品化したいとしている。

同社は2006年末にフィリップスからスピンアウトしたベンチャー企業。2007年に英国のInnos社を買収し、ディスプレイの設計製造を手掛ける。

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