セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

アプライドマテリアルズ、22/20nmノードに合わせた製造・検査装置を発表

米アプライドマテリアルズ社は、22nm/20nmノード以降の微細化プロセスに対応した新しい製造装置OptivaおよびOnyxと検査装置1機種を発表した。Optivaはチップ同士を重ねる3次元IC向けのTSV技術の側壁酸化膜の堆積にも使える装置。ウェーハプロセスメーカー、アセンブリメーカー、どちらにも供給できる。

図1 Low-k材料の機械的強化と誘電率低減を図る装置Onyxの威力

図1 Low-k材料の機械的強化と誘電率低減を図る装置Onyxの威力


22/20nm時代の消費電力は「トランジスタが2/3、配線が1/3と言われている」(アプライドマテリアルズジャパン 代表取締役社長 渡辺徹氏)が、配線遅延を減らす効力のあるlow-k材料とCu配線とTSV配線技術。アプライドはまずlow-k薄膜を改善するための処理装置Onyxを発表した。アプライドは、以前からlow-k材料としてBlackdiamondと称する誘電体材料を開発してきた。一般にlow-k材料は原理的に膜をスカスカの低い密度にすれば誘電率は下がる。しかし、機械的な強度も下がってしまう。このためプラスチックモールド樹脂を流す後工程で膜にダメージを与えたり時には破壊してしまう恐れがあり、誘電率の十分低いlow-k材料を使うのには躊躇してきた。

今回アプライドが開発した装置Onyxは、堆積させた膜にある種の処理を施すことで膜の機械的強度を上げようというもの。機械的強度は8〜10%強化されるとしている。この処理は表面処理ではなく、原子レベルの化学処理であり、10〜20nmの深さに原子や分子を浸透させることで膜を強化するという。カーボンの中にSiを貯め込む、という言い方をしているが詳細はつかめない。結果的に機械強度は増すうえに誘電率も下がる(図1)、と一石二鳥の効果があるとしている。

もう一つの装置Optivaは、コンフォーマリティが優れた低温(200度以下)CVD装置であり、イメージセンサのマイクロレンズの保護膜形成や、TSVのようなアスペクト比の高い溝の側面を覆うのに適している。特に集光効果が高いとして最近注目を集めている裏面照射型のCMOSイメージセンサのマイクロレンズの保護膜に効力を発揮する。保護膜が不十分だと下のレンズを傷つけてしまう恐れがあった。レンズ形状でのコンフォーマリティは95%以上だとしている(図2)


図2 コンフォーマリティの高い低温CVD装置Optivaの効果

図2 コンフォーマリティの高い低温CVD装置Optivaの効果


Optivaはコンフォーマリティの高さを利用してTSVの側面保護膜の形成にも威力を発揮する。従来の一般的なCVDと比べビアのコンフォーマリティは15倍も高いとしている。

3つ目の新製品G5は、欠陥検査を自動化した装置である。これまで、まず大きなスケールで全体をグローバルに目視検査し、次に細かい部分をSEMで位置合わせし、観察、合否判定してきた。これをグローバル検査からSEM検査、分類までを自動化した。例えば、表面パターンの欠陥を検査する場合、表面の下に見える本来の欠陥ではないもの(ニューサンス欠陥:Nuisance defectと呼ぶ)までも欠陥と判定しないように、より分けるアルゴリズムを開発した。SEM後のフィルタをかけると真の欠陥だけを取り出すことができる(図3)。


図3 偽の欠陥をよりわけるアルゴリズムを開発

図3 偽の欠陥をよりわけるアルゴリズムを開発


この欠陥検査装置は20nm台のノードに使える装置だとして、10nmの欠陥を検出する。使用する画素は1nmに相当するという。

アプライドは、これらの装置によって、これからの3次元トランジスタや、ダマシンプロセスのCu配線、ダブルパターニング、TSVなどに向けた技術に対応していく。

(2011/12/15)

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2024 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.