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4K、60fpsディスプレイをサポートできるIPコアをArasanがリリース

携帯電話やスマートフォン内部のデータバスとしてMIPIインタフェース(図1)が標準規格として使われているが、その中のカメラやディスプレイとのインタフェース用に高速伝送する半導体回路が登場した。これは米国ベンチャー、Arasan Chip SystemsがMIPI C-PHY v1.0とMIPI D-PHY v2.0をサポートするIPコアをリリースしたもの。

図1 携帯機器に搭載されているMIPIの例 出典:MIPI Alliance

図1 携帯機器に搭載されているMIPIの例 出典:MIPI Alliance


このC-PHY v1.0のデータレートは17Gbps、D-PHY v2.0のそれは18Gbpsと極めて高速である。ディスプレイ用のD-PHY v2.0を使えば、4Kディスプレイを60フレーム/秒という非常に高速で動作させることができる。1080pのHDだと240フレーム/秒も可能で、高速で走るクルマやテニスボールなどを追跡してもくっきり見えるようになる。

MIPI(Mobile Industry Processor Interface)インタフェースは図1のように、携帯電話やスマホの内部回路のIC同士を接続するのにこれまでは使われてきたが、Arasanの製品はIPコアなので、今後の高集積SoCへの応用に向く。プロセッサやメモリなどを集積したSoCをディスプレイやカメラと直結できるようになる。ArasanはMIPIインタフェースのIPに注力してきたIPベンダーであり、こういったIPを半導体メーカーやシステムメーカーにライセンス供与する。

今回、Arasanがリリースしたのは、アプリケーションプロセッサとディスプレイを直結するためのDSI(Display Serial Interface)向けのD-PHY v2.0とカメラを直結するためのCSI(Camera Serial Interface)向けのC-PHY v1.0規格に準拠したIP。ArasanのIPソリューションには、IPだけではなく、ハードウエア開発キットやプロトコルアナライザ、検証IPソフトウエアスタック/ドライバなども提供し、オプションでコンサルティングサービスも行う。

MIPIはこれまで携帯電話を中心に使われてきたが、これからは大型で高精細なテレビやプロジェクションなどのディスプレイにも展開できるようになる。

(2016/03/01)

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