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SiCのMOSFET、GaNのHEMTをサンケン、ローム、富士通研がCEATECに出展

サンケン電気、ローム、富士通研究所などがGaNやSiCなどの高温動作可能なパワーFETをCEATECで展示した。特に、サンケン電気はGaNのノーマリオフ型2次元電子ガスFET(いわゆるHEMT構造)とSiCのMOSFETの両方を展示した。ロームもSiCのMOSFETを展示し、従来よりもいっそう低いオン抵抗を実現するためトレンチ構造を使った。

5インチGaN on Si


サンケン電気が示した2次元電子ガスFETは、富士通研究所が発明したHEMT構造と似ているものの、ショットキーゲートではなくp型ゲートを使っている。電子の流れるチャンネルはi-GaNとAlGaNとの界面のGaN側を走行する、HEMT的な動作を示す。特性は、ドレイン耐圧600V、ゲートしきい電圧+1V、電流15〜20Aだとしている。

このFETとショットキーダイオードを1組合計6組使って、200V/5A、2.2kWのモーターを3相交流で動かすデモも行った。展示したのはGaNで作ったこのFETと、ショットキーダイオードを逆方向に並列接続させた逆導通FET、双方向にスイッチングできるGaN交流FETスイッチ、ショットキーダイオードである。

サンケン電気のデバイスの特長は5インチSi基板上にGaN層を形成したことで、NEDOのGaN基板プロジェクトに参加した成果だという。もちろん、GaNは格子定数がSiとは全然違うためSi上にバッファ層を設けてからGaN層を形成している。Si上に形成することで大口径化が容易で、今回は5インチSiウェーハを基板とした。

サンケンはさらに3インチのSiCでもSBDとMOSFETを作った。耐圧は600Vだが電流は4Aどまりで、このMOSFETの試作展示は今回が初めて。SiCウェーハは外部から購入したとしている。

ロームは5mm角で、40AのSiC DMOSFETを展示しただけではなく、SiのIGBTと比べ、損失が半分になることを示した。250℃の高温動作で1000Vの耐圧でもリーク電流の増加は顕著には見られず、300℃まではリークの増加を見ずに1000Vの耐圧波形を観測できるとしている。このプレーナMOSFETを早ければ2010年にも商品化したいとしている。

特にスイッチングロスが少ないことから、電流容量70AのDC-DCコンバータを周波数200kHzという高周波で動かすことができるため、リアクトル(コイル)の大きさを従来の1/10と小さくできるようになった。このDC-DCコンバータは米国のアーカンソー大学と共同で試作したもの。

ロームはSiCのトレンチMOSFETも試作している。これは、4.8mm角で電流容量は300Aと大きい。これも3インチウェーハを使っている。オン抵抗は1.7ミリオームcm2で耐圧は790Vである。


MOSFET


富士通研究所が6月にプレスリリースで発表した、600VのHEMTはSiC基板上にGaN/AlGaNを成長させたもの。N型AlGaN層の中までゲートにリセスを入れ込むため、ゲート電圧がチャンネル内に大きく影響を及ぼすことで、しきい電圧を3Vと十分に高く上げることができたという。オン抵抗を下げるため電子密度の増加には、n-GaN/AlN/n-GaNのサンドイッチ層を設け、この層をプラス電荷に変えることでチャンネルの電子を増やしたという。


富士通研究所 HEMT

(2009/10/16)

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