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MaximはADASセンサ向けPMICを4種類リリース

日本のクルマ市場へ参入する米国半導体が増えているが(参考資料12)、ADAS向けのパワーマネジメントに特化したICをMaxim Integratedが4種類発売した。全て自動車用途を狙った製品で、中には同軸ケーブルに電源を載せるPower-over-Coax機能の製品もある。カメラ用、レーダー用、さらには電源保護回路ICもある。

図1 これからのクルマには大量のカメラやレーダーなどのセンサが搭載される 出典:Maxim Integrated

図1 これからのクルマには大量のカメラやレーダーなどのセンサが搭載される 出典:Maxim Integrated


Maximが今回発売する4つのPMIC(パワーマネジメントIC)にはそれぞれ特長がある。これからのクルマでは、自動運転に向けて特にADAS(先進ドライバー支援システム)機能が欠かせないため、ADASシステムに向けたものだ。ADASでは、1台当たり8~10台のカメラや4〜12台のレーダーなどのセンサを多数使う応用(図1)が計画されている、と同社Automotive事業部門のディレクタであるWarren Tsai氏は語っている。

クルマでの応用は、高温動作やノイズ耐性だけを満たせばよいという訳ではない。機能安全、いわゆるASIL(Automotive Safety Integrity Level)規格を満たさなくてはならない。それもAからDまでの4段階あり、Aは単純で便利な機能のみだが、Dが最も厳しく故障すると死につながる恐れを解消しようというもの。Tsai氏によれば、MaximはASIL-D対応のパワーソリューションを用意しているという。

今回リリースした製品は4種類あり、それらを簡単に紹介しよう。MAX20019は、小型カメラ用のDC-DCコンバータで、同軸ケーブルに電源ラインも載せたPowr-over-Coax電源ICである。Ethernetのラインに電源を載せるPower-Over-Ethernetの電源と似た概念だ。3mm×2mmの小さな10ピンTDFNの1パッケージに2個分のDC-DCコンバータを集積しており、同軸ケーブルは2メートルの長さまで使えるとしている。2個分の電源を入れたのはカメラセンサとシリアライザ用の二つの回路を駆動するため。

MAX20014は、レーダーセンサ用のPMICで、ここにも3個のDC-DCコンバータが集積されている。デュアルの3Aのバックコンバータ(降圧用)と、750mAのブーストコンバータ(昇圧用)である。これも小さな4mm×4mmの24ピンTDFNに収容されており、コンバータの効率は5V出力で90%以上と高い。短中距離レーダー用で、MCUコントローラやネットワークトランシーバへの電源も備えたとしている。

MAX20075/76は、12Vのクルマのバッテリから3.3Vあるいは5Vに降圧させるDC-DCコンバータ。静止時の消費電流が3.5µAと低いのが特長だという。もちろん効率は5V出力で90%を超えている。例えば、クルマのキーレスエントリなどの機能をはじめ、ECU回路ではクルマのエンジンを切っても電源が動作しているケースが多い。「出張で空港に1週間駐車していたら、帰ってきたときにバッテリが上がってしまったら困るでしょう」とTsai氏は言う。これまでのDC-DCコンバータではスペック上は3.5µA程度でも抵抗分割が必要で、そこに流れるリーク電流も加わっていたという。さらにこの製品は入力電圧範囲が3.5Vから36Vまで可能で、過渡的には40Vも受け入れている。これは寒冷地などでバッテリが12Vから3.5Vまで下がってしまうと、始動時に他のバッテリをつなげて始動すると、過渡的に36Vまで上がることがあるからだとしている。

そして最後の製品は、電源ではなく保護回路ICのMAX20087である。これは、例えば4台のカメラに電源を供給するときにはセンサフュージョンのような形になるが、ケーブルが間違ってショートするとカメラに大電流が流れ、壊してしまう恐れがある。このICは、電源側でショートしたときに回路を遮断する機能を持つ。4mm×4mmの20ピンTDFNパッケージに収容され、4つのカメラに対してそれぞれ最大600mAまで保護できる。また、8ビットのADコンバータを集積しているため、I2Cインターフェースを通して出力電流・電圧・入力電圧を読むことができる。

これらの製品はASIL-B/Dを満たすものも多く、ADAS用のカメラやレーダー用途の電源や保護回路としてこれからのADASシステム用に開発されたものである。


参考資料
1. CMOSを含めたセンサフュージョンでADAS市場を強化するON Semi (2018/07/13)
2. Xilinx、自動運転向けたSoCのロードマップを明らかに (2018/07/12)

(2018/07/18)

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