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Micronの新型SSDは64層で59mm2の3D-NANDを採用

Micron Technologyは64層の3D-NANDフラッシュメモリを搭載したSSD「Crucial MX500」を発売した。ストレージ容量は250GBから2TBまで4種類(図1)。Micronの3D-NANDはIntelと共同開発した、浮遊ゲート型のメモリセル構造を持つ。東芝やSamsungがMNOS構造を採用したのとは対照的。SSDとしての工夫も多い。

図: Micron Crucial MX500

図1 Micronは256GBから2TBまで4種類を同じ2.5インチ、M.2 Type 2280サイズでそろえた


64層の3D-NANDフラッシュメモリチップのメモリ容量は256Gビット。チップサイズがわずか59mm2しかない(図2)。これはメモリのアーキテクチャが東芝やSamsungの方式とは根本的に違うためだ。Micronのメモリは、アドレスデコーダやセンスアンプなどのメモリ周辺回路を全てCMOSトランジスタで構成し、セルアレイはその上のいわゆる多層配線領域に形成している、と同社Solid State Storage部門Marketing ManagerのJonathan Weech氏は語る。CMOS周辺回路とセル部分が立体的に重なった3次元構造になっているため、これまでCMOS回路とメモリセルを平面的に並べていた構造よりも少ない面積で形成できる。


図: Micron 第2世代3D NAND 3D NANDのメリットを拡大

図2 64層浮遊ゲート3D-NANDは多層配線領域にセルを形成


東芝やSamsungは、MNOS構造のメモリセルを用い、それらをシリコン基板内に埋め込む方式のアーキテクチャを採用している。このため、電極をチップ表面から取り出すための深い穴を掘り、導電材料を埋め込むといったプロセスが加わる。これに対して、Micronのメモリは、深い穴を掘る必要がない、すなわち新しいエッチング装置を導入する必要がない。多層配線のようにCMOS回路を作った上から順次、形成していく。

Micronの3D-NAND化は、東芝やSamsungよりも遅れたが、64層のメモリセルを持つSSDの出荷はそれほど遅かった訳ではない。Micronは3D-NANDの歩留まりを含め量産の立ち上がりが意外とスムーズにすんだ、と昨年述べていた言葉が、それを物語っているのかもしれない。

MX500のSSDとしての特長は、全世代の製品MX300と比べ、ランダム読み出し・書き込みが共に高速になり、シーケンシャル読み出しも高速になったことである(図3)。例えば、ランダム書き込みはMX300の83K IOPSに対して、90K IOPSと8.4%高速になった。このために、「ダイナミック・ライト・アクセラレーション機能」と呼ぶ、いわばキャッシュを使う二段構成を採った。これは、キャッシュ部分(MicronはAdaptive Poolと呼ぶ)にSLC(single level cell)を用い、ストレージ部分にTLC(triple level cell)を使い分けた。つまり書き込みにはまずキャッシュのSLCメモリにデータを書き込み、保存した後、メインメモリとしてのストレージのTLCに送り書き込む、という動作を行う。このことで書き込み速度が増すように見える。


図3 MicronのSSD新製品MX500と同社従来品MX300との比較


さらに、秘匿性の高いデータには暗号をかける機能を追加し、誤り訂正用などの冗長ビットを独立のNANDアレイを用意している。さらにデータの読み出し・書き込み中に電源が落ちる場合には電源低下の検出、データ損失を防ぐ工夫もしているという。MicronのWeech氏は、このSSDを初の民生用製品と述べている。

(2017/01/24)

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