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ウェアラブル向け生体センサ読み出しIC2種とセキュア認証IC

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IoT向けのチップは、センサごとにアナログフロントエンド回路が異なるため、ウェアラブルや工業用IoTなど用途を決めて設計する必要がある。Maxim Integratedは、心拍数計測用チップMAX86140/86141と、心電図・生体インピーダンス計測用アナログフロントエンド(AFE)を集積したMAX30001を発表した。さらに複製できないセキュア認証用のチップDS28E38も追加発表した。

図:予防的健康管理&フィットネスシステムソリューション

図1 ヘルスケアチップを2種類使った事例 出典:Maxim Integrated


生体用の心拍数は手首や指などに巻き付けて皮膚の表面に向けてLEDを発射し、手首や指の体内部の血管からの反射を検出して、心拍数をカウントする。LED光は、血管の周囲ではあまり吸収されずに血管内で大きく吸収されるため、血液の流れの大小によって心拍数に換算するというもの。そのMAX86140/86141には、LEDドライバや、光デバイス、周囲光の検出回路、周囲光を打ち消すためのアルゴリズム回路などを搭載している(図1)。

また、MAX30001は、胸部と手首で心電図(ECG)と生体インピーダンス(BioZ)を測定する回路を集積している。ECGはセンサを搭載したベルトを胸の周りに巻き、心臓の拍動を捉える。脈波のデータを拍動ごとに収集しているが、マイコンで走る心臓のアルゴリズムも集積している。BioZは手首のところで脂肪の量を測定する。拍動は、医療グレードの精度を持っているという。二つのICとも消費電力を従来の半分以下に抑え、バッテリ寿命の低下を抑えている。この二つのICをARM Cortexマイコンで制御している。


図:MAX30001の利点

図2 心電図と生体インピーダンスを測定 出典:Maxim Integrated


ヘルスケアや医療向けのチップは、プライバシに触れるようなデータを取得するため、ウェアラブルなデバイスには、セキュリティで保護することが欠かせない。このため、Maximは、半導体チップのバラつきを固有のデータとして利用する同社のChipDNA技術であるPUF(Physically Unclonable Function)を集積したチップDS28E38もリリースした(図3)。この技術は、暗号鍵の生成にMOSFETの特性バラつきを利用する。半導体トランジスタごとにランダムなアナログ特性を持っているため、これがチップ固有のデータとなる。このデータを使って暗号鍵を生成する。


図:DS28E38 DeepCover(R) Secure Authenticator with ChipDNA(TM) Technology

図3 チップ固有のIDで暗号鍵を作るDS28E38 出典:Maxim Integrated


セキュリティでは、万が一データを取られても、暗号をかけていれば読み出すことが極めて難しいという考えでデータなどを暗号化する。しかも暗号鍵はチップ内のどこを探しても存在しない。PUFを使わない場合は、暗号鍵を比較的セキュリティの高いメモリ領域(アクセスには認証が必要)に保管しておくが、PUFはそもそもカギがチップ上にはないため、保護されることになる。サイバー攻撃を受けても結局はデータを読めないため、データを守ることができる。暗号鍵は必要な時にデバイスごとに固有のカギを生成し、使われなくなるとカギは即座に消滅するという。

PUF技術を使うためにはMOSFETトランジスタの特性が経時変化で変わらないことが前提になっているが、信頼性試験の結果、プロセスや電圧、温度などによって経時変化はなく、信頼性は高いとしている。

(2017/12/08)

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