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CypressのpSoC 6はセキュリティ確保したIoT向けデュアルコアマイコン

Cypress Semiconductorは、セキュリティシステムを集積し、モータ制御などの軽い演算も可能な高性能なデュアルコアマイコンpSoC 6を発表した。pSoCシリーズはCypressがこれまで力を入れてきたアナログ回路も集積したマイコン。これまでのタッチセンサを実現するCapSense機能も集積し、IoT用途に合わせた仕様となっている。

図1 今回リリースしたpSoC 6のブロック図 SRAM容量は288kBが正しい。セキュアブートや暗号化機能を持つ 出典:Cypress Semiconductor

図1 今回リリースしたpSoC 6のブロック図 SRAM容量は288kBが正しい。セキュアブートや暗号化機能を持つ 出典:Cypress Semiconductor


これまでのIoT端末デバイスは、高性能なエッジコンピューティング(ゲートウェイなどに)か、電池で10年持たせられる超低消費電力用と、二分されていた。今回のpSoC 6はその間を埋めるためのIoTデバイス用のマイコンという位置づけとなる。集積されているCPUコアは、ARM Cortex-M0+とM4で、演算したい場合はM4、制御主体の場合はM0+を使い分ける。

IoTではセキュリティが最大の関心になってきたが、パソコンと同様、起動時のセキュアブート機能、またフラッシュメモリにデータストレージを保護するTEE(Trusted Execution Environment)機能を内蔵している。ここでは、個人情報などの大事なデータを暗号化しておき、その暗号キーを保存する機能。その保存場所は、フラッシュメモリ内に置かれ、この領域をアクセスするには、前もって届けている認証用のID/パスワードが必要となる。ARMのTrust Zoneではなく、独自方式でセキュアな壁を築いたもの。

演算から制御までコストを高めずにマイコンでIoT制御を実現しているが、ややハイエンドな位置づけのプロセッサコアはIoTに合わせた低消費電力技術を導入している。動作時の演算をM4で行う場合には、電源電圧1.1Vで、150MHzのクロック周波数で動作させても電流は6.0mAだが、動作モードでもっと電流を抑えたい場合には、電源を0.9Vに落とし、さらにクロックも50MHzに落とすと、消費電流は1.5mAに減る。できるだけ消費電力を落としたい低電力アクティブモードの場合は、周波数を8MHzに落とすと消費電流は320µAにまで減少する。M0+のプロセッサの場合でも、動作時に1.1V、100MHzで動作させると消費電流は2.5mA、低消費電力動作の場合は0.9V、25MHzで0.5mAと低い。

動作させないディープスリープモードの場合はpSoC全体で4.5µAとなる。ウェイクアップ信号が来ると、低電力アクティブ動作およびアクティブモードでの立ち上がり時間はそれぞれ10µs、100µsと速い。

他社と差別化したい機能を付けるためのアナログ回路は、12ビットのADC/DAC、オペアンプとコンパレータをそれぞれ2個選択できる。従来から持っている静電容量方式のタッチセンサとして実績のあるCapSense技術も持つほか、周辺回路のAFE(アナログフロントエンド)のカスタム化を図るためや、タイマーの調整を行うためのソフトウエアで定義する周辺回路SDP(Software defined peripherals)もある。こういったフレキシブルにカスタム化を図れることが大きな特長の一つでもある。


図2 Bluetooth LEのプロトコルスタックを開発できるマイコンボード

図2 Bluetooth LEのプロトコルスタックを開発できるマイコンボード


Bluetooth LE(low energy)のプロトコルスタックを開発するためのボード(図2)も用意しており、次世代のUSB規格であるUSB Type-C対応のインターフェースも搭載している。また開発したプログラムは512MビットのNORフラッシュに格納できる。CapSense機能を使うタッチセンサも標準搭載している。

pSoC 6のシリコンサンプルと開発キットおよびソフトウエアはサンプル出荷を開始した。量産は2017年第4四半期初期になる予定。

(2017/03/16)

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