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ON Semiが急速充電対応モバイル電池パック向けバッテリマネジメントを開発

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旧三洋電機半導体グループが所属するON Semiconductor(図1)はモバイルバッテリ向けのバッテリマネジメントICを開発した。これはSB 2.0やUSB-PD、Quick Charge 2.0/3.0など6種類の急速充電規格に対応する。Samsung Galaxy Note 7爆発の原因はいまだに明らかではないが、バッテリマネジメントICは、リチウムイオン電池の管理に極めて重要な役割を担う。

図1 新型バッテリマネジメントICを提案するON Semiconductorのデジタルソリューションズ・ビジネスユニット プロダクトマーケティングマネージャーの近藤英雄氏

図1 新型バッテリマネジメントICを提案するON Semiconductorのデジタルソリューションズ・ビジネスユニット プロダクトマーケティングマネージャーの近藤英雄氏


ゲームソフト、ポケモンGOのようなGPS(衛星利用の位置情報システム)と連動するアプリを動かす用途は、これからもSNSの世界で広がっていくと見られる一方、電池の消耗が激しくてポケモンGOのゲームをやめたという消費者も見受けられるほど、バッテリを消費する。スマートフォンやタブレットのバッテリの消費を減らしたいという要望はとどまらない。このため、外出先でスマホやタブレットを充電するモバイルバッテリ(パワーバンクともいう)がポケモンGOファンには欠かせなくなっている。

市場調査機関、マーケットアイはモバイルバッテリの市場を2019年までに年率平均17.5%で成長していくと見る。2015年には3億8000万台の市場が2016年は4億5000万台になり、2019年には9億台を超えると予想する。モバイルバッテリはスマホやタブレットと共にSNSやゲームでGPSと連動するようなアプリが今後も増えていくと見られており、モバイルバッテリの需要はたしかにありそうだ。

ON Semiconductorが開発したモバイルバッテリ向けのバッテリマネジメントチップ「LC709501F」は、マイコンと電圧変換、USB検出IC、電源の4回路ブロックからなり(編集注)、それを52ピンの6mm×6mmのQFPパッケージに収めた(図2)。このバッテリマネジメントICには、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスに供給する電流を、ユーザー(モバイルバッテリのメーカー)が自由に設計しやすいようにパワーMOSFETをICの外に出した。このため、ユーザーはこのバッテリマネジメントICと必要なパワーMOSFETを選択し、モバイルバッテリ回路を構成できる。


図2 4回路ブロックからなるバッテリマネジメントIC 出典:ON Semiconductor

図2 4回路ブロックからなるバッテリマネジメントIC 出典:ON Semiconductor


ON Semiは、バッテリマネジメントICだけではなく、バッテリ保護ICも提供する。リチウムイオン電池のそばに置いて、電池の過電圧、過電流、過熱を管理し超えると電力を遮断する。元々急速充電用のパワーMOSFETも製造しているため、モバイルバッテリのメーカーは、ON Semiのチップセットを使えばワンストップショッピングで必要な部品を購入できる。この新しいICを組み込んだモジュールのBOMコストは、従来のボードと比べ2割程度下がると見積もっている。

このパワーマネジメントICの特長は、複数の急速充電方式に対応していることだ。Qualcommが提案しているQuick Charge2.0/3.0はもちろん、従来のUSB 2.0 SDP、さらにはこれからのUSB Type-C、USB-PD(パワーデリバリー)など6種類をカバーする(図3)。USB検出回路は実はこれらの急速充電プロトコルを電圧とタイミングでどのプロトコルであるかを見つけるために集積している。


図3 さまざまな急速充電に対応 出典:ON Semiconductor

図3 さまざまな急速充電に対応 出典:ON Semiconductor


もう一つの特長は、モバイルバッテリとスマホをつなぐと充電が始まるが、充電時間、残量のバッテリ状態の他に、電池の寿命や充電回数などをディスプレイに表示する機能もある。iOSとAndroidに対応しているため、スマホの所有者はアプリをダウンロードさえすれば、バッテリ状況をスマホで見ることができる。モバイルバッテリメーカーには、その情報表示のトップに自社のロゴを埋め込むことも可能だ。ロゴを埋め込んでからアプリとしてアプリのストアに載せる。

こういった機能は今回のバッテリマネジメントICが初めて。開発したのは、旧三洋電機のバッテリマネジメントのチーム。彼らはLiイオンバッテリ設計製造部門と密にコンタクトを取りながら、バッテリマネジメントICをこれまで開発してきた。その知識とノウハウを生かし、これからのUSB Type-CやUSB PDなどのUSBベースの急速充電方式をカバーする。急速充電には、ホスト(モバイルバッテリ)とゲスト(スマホ)の通信のやり取りが必要で、そのプロトコルのソフトウエアはマイコンのフラッシュメモリに格納している。

(2016/10/20)

編集注)会見では4チップと述べていたため、10月20日時点では4チップと書きましたが、正確には4回路ブロックであり、全てモノリシックに集積しているとの申し出がありました。このため、4回路ブロックと直しました。

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