AMD、5台のディスプレイを同時に動かせるGPUをリリース

図1　AMDがリリースした新型グラフィックスプロセッサRadeon E8860

このGPU（graphic processor unit）については、セミコンポータルで一部すでに報道しているが(参考資料1)、2GバイトのGDDR5仕様のDRAMメモリを搭載したマルチチップモジュール（MCM）のパッケージに入れている。メモリとGPUとのアクセスを高速にするためだ。メモリのスループットは72Gバイト/秒と非常に速い。

Radeon E8860は、従来のE6760と比べて、92%も高い性能を示す。性能が上がったため、30Hzのフレームレートで最大5台の3840×2160ディスプレイを駆動できる。このため、大画面のインテリジェントな対話型のデジタルサイネージへの応用も狙っている(図2)。この応用では、道路や路線の交通情報など複数のストリーム映像を映し出すことができる。このGPUモジュールの出力はPCIe Gen3（第3世代のPCI Express）をサポートしており、最大のデータレートは32Gビット/秒。

図2　Radeon E8860のインテリジェントデジタルサイネージへの応用　出典：AMD

高性能プロセッサでは、回路を局所的にオン・オフしたり、周波数を落としたりする低電力技術を常時使うため、消費電力がいくらという表現をとらないことが多い。サーマルデザインパワーが37Wと表現している。消費電力を減らすため、温度センサーを搭載して電力を測定し、温度に応じて周波数と電圧を変えるゲーティング技術を駆使している。

参考資料
1. 組み込みシステムになびくAMD/IPextreme/Mentor〜EuroAsia2013から(2) (2013/11/06)