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プロ仕様から携帯プレーヤーまで全オーディオのカバーに注力するADI

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米Analog Devices社(ADI)の日本法人であるアナログ・デバイセズ社がプロ仕様からパーソナルな携帯プレーヤーまですべてのオーディオ製品をターゲットとしたICチップの製品ポートフォリオを充実させてきている。ADIは言う、「シグナル・チェーン全体をカバーしています」と。

かつてのオーディオ製品なら広いダイナミックレンジと低いTHD+N(全高調波歪+雑音)をひたすら追求し、音の強弱の激しいクラシックからロックまで幅広い音楽を再生できることを主目的としていた。しかしCDやDVD、MP3などデジタル・ソースの種類は増え、オーディオ製品の種類が増えると、性能はそれだけではなく消費電力、バーチャルサラウンドなどの新機能、設計ツール、電力効率なども考慮に入れなければならなくなってきた。ここにADIの各種製品が生きてくる。

オーディオのシグナルチェーンは、ソース(アナログとデジタル)からの信号をアナログならA-D変換し、DSPに入りそのままデジタルバスに通すか、もう一度D-A変換でアナログに戻す。A-D/D-A変換はオーディオコーデックの役割も果たす。


オートモーティブ向けソリューション


積和演算専用のマイクロプロセッサであるDSPの役割はさまざまだ。マイクから欲しい音だけを抽出するための音声ビームフォーミングはS/N比を上げるための信号処理が必要で、DSPはその信号処理アルゴリズムを計算するために使う。MP-3プレーヤーなどの音声圧縮伸張信号に対しては伸張圧縮アルゴリズムをDSPで計算する。家庭内シアターやDVDプレーヤー用途では、オーディオ信号処理だけではなく、MPEG-2/4やH.264などの画像圧縮伸張処理にDSPを必要とする。音声周波数の低い部分の振幅を拡大するためのバスブーストのアルゴリズムの計算にも使う。電子楽器ではDSPによる音の創出は必須だが、エレキギターのアンプでもアコースティックギターに近い音を32ビット浮動小数点DSPのSHARCプロセッサで計算して作り出すことも可能だ。

SHARCプロセッサは精度の要求される浮動小数点演算が必要なマルチチャンネルオーディオやポストプロセッシングで音場を作り出すのに使われたり、ダイナミックレンジの広さが要求されるプロオーディオスタジオ向けにも使われる。固定小数点演算のBlackfinプロセッサはマイクロコントローラ的な仕事も行い、デジタルラジオの伸張処理や各種のマルチメディアインターフェースでの圧縮伸張処理などに使う。プログラムしやすい低価格の信号処理にはSigmaDSPが向く。

例えば自動車向けのオーディオ製品やMP-3プレーヤーなどのドッキングステーションには、SigmaDSPとA-D/D-Aコンバータ、SRC(サンプルレートコンバータ)をベースとして、デジタル信号もアナログ信号も出力する。ソースは実にさまざまあり、AM/FMラジオやデジタルラジオ(日本でも2011年開始を計画)、衛星ラジオ、CD/DVD、MP-3、Bluetooth、カーナビなどの信号を受信できる。

このSigmaDSPは、グラフィカルな開発ツールSigmaStudioを使ってプログラムすることができる。このソフトウエアは開発ボードを購入するとついてくるというもの。グラフィックイコラーザや、バスエンハンスメント、バーチャルサラウンド、エコー、ボリュームコントロールなどの機能をライブラリとして備えている。このツールは、音を出しながらプログラムできるという特徴もある。


SigmaStudio


出力段のパワーアンプでも電力効率の高いD級アンプ(別名デジタルアンプとも呼ばれている)ICも製品化している。D級アンプは薄型テレビのように設置場所の狭い機器に使う。厚さが10cm以下の薄型テレビには、パワーアンプの放熱フィンを取り付けることができないため、D級アンプは最適である。8Ωのスピーカーを接続する場合、15W×2のステレオアンプの効率は87%以上というADAU1592や、14W×2の出力で効率90%以上のADAU1513などの製品がある。


(セミコンポータル編集室)

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