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地球の環境対策に貢献する半導体戦略、技術などがニュースに

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先週は、環境というキーワードに沿ったビジネス、製品、製造技術などに動きが目立つ週であった。シャープは、太陽電池に力を入れている一方で、LEDを照明に使おうというビジネスにも力が入っている。オランダのフィリップスや東芝、松下電器産業のグループなども早くからLED照明ビジネスを拡大していく旨を発表する中で、シャープはLED照明にフォーカスするのが大きな違いだ。

これまで照明ビジネスのこれら大手メーカーは、白熱灯を蛍光灯に替えて、消費電力の低減、すなわちCO2削減へとつなげていこうとしている。特に欧米では、白熱電球が好まれ、蛍光灯はあまり普及してこなかった。ここへきて、白熱灯を蛍光灯へ置き換えようとしている。松下や東芝は、白熱電球をそのまま取り替えられる方式の蛍光灯ランプを市場に出してきている。コスト的には白熱電球と比べると蛍光灯電球は数倍の値段に対してLED電球だと数十倍もするため、短期的にLEDに置き換えるのはそう簡単ではない。

LED照明のメリットは、消費電力が少ないだけではなく、蛍光灯に含まれる水銀を含まないということ。蛍光灯はこの点、環境にやさしい電球とはいえない。ただ、LED電球のコストがあまりにも高すぎるため、すぐにLED照明に取り換える需要がどの程度あるのか、疑わしい向きもある。

ただし、シャープに対する期待は、この状況がテレビをすべて液晶に換えてしまう、と液晶テレビ宣言をした1999年の時点に似ていることから、一概にLED照明を否定できない。1999年はまだブラウン管テレビ全盛期の頃で、記者発表会で当時の町田社長がアナウンスしたとき、本当にシャープは大丈夫かと、大勢の記者は心配した。今回のLED照明へのフォーカスは、もしかするとLEDテレビにフォーカスするといった当時のアナロジーであれば期待できるかもしれない。

液晶テレビでは意外にも蛍光灯のバックライトが消費する電力が大きく、プラズマテレビよりも小さいはずと思っていいたがそれほどでもない。ここにも白色LEDを使って消費電力を下げるという動きがある。もっと新しい原理のフラットパネルディスプレイとして、FED(電界放射型ディスプレイ)や有機EL(エレクトロルミネセンス)などのディスプレイに低消費電力デバイスとしての期待が大きい。FEDは、ばらつきを抑えられる構造にして、電源電圧も15V程度まで落とすことができるようになり、低消費電力化のめどが立っている。有機ELは消費電力こそ低いが有機膜の信頼性寿命がまだ短いため、長期間使うという観点ではまだ慎重なメーカーが多い。製品寿命の短い携帯電話には有機ELが多数使われてきているが、携帯電話向けの小さな画面を狙った有機EL事業には東芝松下ディスプレイテクノロジーが2009年10月の稼働を目指し石川県に工場を設置すると25日に発表している。テレビ用に有機ELを使ったメーカーはまだソニーしかいない。

製造面でも環境に配慮した動きとして、先週ルネサスが企業内で使うエネルギー使用量を2012年度までに1990年度比で半減にするという目標を7月24日に発表した。半導体プロセスで使うPFCガスの排出量をこれまで減らしてきたが、地球温暖化に寄与するPFCガスそのものを除去する装置を導入する。高知工場では太陽電池を設置し、半導体プロセスの一部をまかないCO2削減に貢献する。

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