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台湾、IC設計業界がファウンドリビジネスの次の規模で好調に推移

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先週は明るいニュースはあまりなく、しかもビッグニュースといえそうなネタは少なかった。今年における台湾のIC生産額の統計がITRI(工業技術院)から発表され、2008年は対前年比4.4%増の501億米ドル(1兆5300億台湾元)になる見通しで、ファウンドリビジネスのIC製造業界、ファブレスのIC設計業界、アセンブリのICパッケージング業界についても発表されている。

台湾半導体の中でもっとも大きなIC製造業界は7328億台湾元、続いてIC設計業界は4347億台湾元、パッケージング業界は2525億台湾元、テスティング業界は1118億台湾元という見通しである。これらの数字を見て、IC設計産業のウェートがもはやパッケージング業界をはるかに抜いていることに気がついた。

台湾の半導体産業はパッケージング工程から始まった。米国の半導体メーカーが後工程であるパッケージングを台湾に移転した。多くのメーカーが台湾に押し寄せ、パッケージングを主体に半導体産業が始まった。1980年代終わりごろから、プロセスにも力を入れ始めた。パソコン時代には、インテルのCPUとセットで使う、チップセットの設計でファブレスが台頭した。今や、台湾のファブレス第一位のMediaTek社はマルチメディアチップの設計が得意で、世界ファブレスランキングでも上位5社内に位置している。台湾はファウンドリビジネスばかりに目が行きそうだが、ファブレスの設計力も侮れないものがある。

日本の半導体大手7社の設備投資がまとまった。対前年比21.8%減の8067億円となった。この7社とは、東芝、エルピーダメモリ、ソニー、ルネサステクノロジ、NECエレクトロニクス、松下電器産業、富士通マイクロエレクトロニクスの各社。ルネサスはもはや生産能力を争うビジネスモデルではなくなったとして、ウェーハの生産能力を上げるために次から次へと微細化の設備をそろえるというビジネスにはいかないことを伊藤達会長は明言している。

ルネサスに関係するマイコンチップで、日立製作所と三菱電機のマイコンのダブりをなくして、新しいアーキテクチャを進めるという話を以前採り上げたが、そのチップRXシリーズがいよいよ製品化される。これでようやく日立と三菱の合弁であるルネサスらしさが出てくると思われる。

取り上げておきたいニュースは、太陽電池である。太陽光発電協会は国内向け太陽電池市場が22%減と、2年連続縮小したと発表した。しかし、海外向けの輸出は伸び、16%増えたとしている。これは、日本の経済産業省がかつて、家庭用太陽電池のパネルを搭載する場合に補助金を出し、かつ売電可能という新しい補てんシステムを推進していたが、補助金はすでに切れたため。逆に、日本の住宅補助金制度をドイツやスペインなどが導入し始めたため、家庭用での太陽電池への関心は欧州だけでなく米国でも高まっている。

太陽電池のような環境負荷をかけないという動きは電子機器の低消費電力化への動きとも重なって、光配線技術の期が熟してきた。Hewlett-Packardが光配線技術をサーバー内、プリント基板上、半導体チップ上、といたるところに利用し始めた。高速伝送通信がバス間に要求されるようになってくると、サーバー内のボード間だけではなく、ボード内、チップ内、などバスのデータレートが高くなってきたが、電気だけで実現するには消費電力があまりにも増加してしまう。このことにHPは懸念を抱き、光配線を実用化するための開発を始めており、商品化には他のメーカーと協力してやっていきたいとしている。

新しい無線通信ネットワークとしてインテルがアグレッシブにWiMAXネットワークを構築に向けて動いている。インテルの投資会社であるインテルキャピタルは、マレーシアで来月、WiMAXの稼働を開始するGreen Packet社に5000万リンギット(マレーシアドル)を投資する。日本では3Gネットワークができているからといって、WiMAXを無視することはできないだろう。もし仮にWiMAXが世界標準になったら、日本は井の中の蛙になってしまうからだ。

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