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東京オリパラへのテクノロジーの準備が始まった

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東京オリンピック・パラリンピックに付けたテクノロジーやビジネスが動き始めた。NTTドコモは5Gに加え、Wi-Fi設備を大量に備える。オリパラ開催期間に自宅などでのテレワークを勧める企業が登場した。米中貿易問題では、短期的に華為との取引停止問題の影響が拡大している。

6月21日の日経産業新聞は、NTTドコモの澤田純社長とのインタビュー記事を掲載、東京オリパラの通信環境を充実させるため、メイン会場となる6万8000人を収容するオリンピックスタジアムにWi-Fiアクセスポイントを1300カ所に設置すると報じた。またサッカーやラグビー競技が行われる東京スタジアムには450カ所のアクセスポイントを設置し、2020年春にドコモが商用サービスを始める5Gも活用し、VR(仮想現実)や試合のデータなどを組み合わせた付加サービスも提供するとしている。

NTTドコモがWi-Fiを主体にし、5Gを付加サービスに使うのは、5Gがまだ最終目標の20Gbps(下り)に到達していないからだ。米国と韓国の一部で5G商用サービスが始まったとはいえ、データ速度はまだ最大1Gbpsしか達しない。現在のサブ6GHzでのサービスでは、データ速度が20Gbpsには到達できないため、本来の5Gとは言えない。基地局向け通信機器ビジネスで華為やEricssonと肩を並べるNokiaのマーケティング担当VPのPhil Twist氏も、まだ4Gの延長にすぎない、と20日の日経の記事の中で述べている。

5Gの本当の価値はレイテンシが1msと短く、リアルタイム応答と高い信頼性にあるとして、工場内でも使われるようになる。工場内の自動化、さまざまなモータ制御をリアルタイムでできれば、より多くの制御機器を同時に動かすことができる。工場内の遠隔操作やVRなどにも欠かせなくなる。実際、クルマのティア1サプライヤであるBoschは5G用の周波数帯の免許を政府から取得しているという。

2020年のオリパラ開催中、東京都内の交通渋滞や鉄道の混雑を避けるため、リコーは大田区の本社を一時閉鎖して社員2000人を対象に自宅などでテレワークを実施する、と20日の日本経済新聞が伝えた。NECやパナソニック、SUBARUなどもテレワークを行う。オリパラの準備段階として、今年は厚生労働省が2017年から開始しているテレワーク・デイズを活用する。

厚生労働省は今年、テレワーク・デイズ2019と名付けた、国民運動を7月22日から9月6日の1カ月以上に渡り実施する。この運動には2017年に950団体、6万3000人、2018年には1680団体、30万人が参加した。この運動は、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックで市交通局が呼びかけテレワークの活用を推進し、混雑が避けられたという報告をベースにしている。

米中貿易戦争は激しさを増している。Appleが主要取引先に対して、iPhoneなどの中国での集中生産を回避するように要請した、と20日の日経が伝えた。Apple向けの中国生産の内、15〜30%を中国以外の地域に分散するように検討を促しているという。

米国商務省は安全保障上懸念のある外国企業のリストに中国政府系スーパーコンピュータ大手の曙光信息産業やAMDとの合弁会社など5社を追加すると22日の日経が伝えた。華為に加えて、スパコンおよび関連メーカーへの製品を禁輸することになる。

メモリメーカーも禁輸へ動く。Micron Technologyは広島工場へ大規模な投資を行うと述べた矢先に、投資計画を見直し、Western Digitalも華為との取引を中止した、と19日の日刊工業新聞が報じた。Micron広島工場のDRAM製造棟の増設工事を当初計画よりも7カ月遅らせる。投資の急ブレーキは華為との取引中止に起因すると見ている。WDは東芝メモリのある四日市工場でNANDフラッシュメモリを生産してきたが、トランプ政権の禁輸措置を受けて一時的に取引中止を決めた。

東芝メモリは、韓国のSamsungや中国のOppo、Vivoなどへ営業攻勢を強めると日刊工業は報じているが、これも実は危ない。中国共産党は、企業が競争し合っている間は静観しているが、大きくなり独占状態に近くなると、企業を支配してきた歴史があるからだ。アリババ、テンセント、百度、滴々など全て政府の息がかかった企業に変身している。OppoやVivo、小米などが華為を抜き、中国ナンバーワンになった途端に政府が乗り出してくるリスクがある。

Western DigitalのCEOであるSteve Milligan氏は、米中貿易戦争に関し『技術は世界中で絡み合っている。中長期的には米中両方にとって良いことではない。米中両政府は相違を克服して、建設的な解決策を見出してくれることを願う』と18日の日経産業で語っており、トランプ政権とは距離を置いている。

(2019/06/24)

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