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欧州で5Gサービス導入活発、畜産IoTが相次ぐ

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次世代通信規格5Gのサービスが欧州、英国、スイスなどで始まった、と6月17日の日経産業新聞が報じた。Huawei(華為科技)の通信機器を使っている所もあり、Huawei製品の締め出しに対して欧州は日米ほど神経質ではない。日本はHuaweiへの部品供給を止める動きが相次ぐ。また、畜産にIoTを使う事例が続出するという報道もある。

日経産業は、英国における携帯通信オペレータのEEがロンドンでサービスを始めたほか、Vodafoneも7月からのサービスを予定していると報じた。EEは、通信オペレータのOrangeとT-Mobileの合弁会社で、2015年にBritish Telecomに買収された。今や英国で最大の通信オペレータになった。BTの広報担当者はHuawei製品をコアの基地局設備には使っていないが、アンテナなど無線通信ネットワークの一部で使用しているとコメントしている。Vodafoneも一部にHuawei製品を使っているとしている。

欧州で5Gサービスが始まったといえ、使用周波数はまだサブ6GHzであり、5Gの序盤戦にすぎず、データレートが4Gの100倍には全くなっていない。5Gのデータレートである20Gbps(下り)/10Gbps(上り)は、あくまでも最終目標にすぎず、5Gサービスが始まった米国のVerizonでもまだ最高1Gbpsといっているだけにとどまっている。むしろ、5Gのサービスはこれからであり、20Gbpsに達するためにはミリ波は必須となる。5Gミリ波がまだ商用化されていない今、どこが進んでいるとはとても言えない状況にある。

日本では5Gの特長の一つである、多様なデバイス(携帯電話以外)に使われる応用として、NTT東日本はローカル5Gへの参入に意欲を示している、と12日の日経が報じた。これは工場や大学内のキャンパスなどの通信ネットワークとして5G仕様を使うというもの。NTT東日本は従来の固定電話の音声収入が年間250億円のペースで落ち込みに歯止めがかからない状態で、ポスト電話料金収入としてローカル5GやIoTに力を注ぐ。

NTTグループ会社の一つであるNTTエレクトロニクスは、コア基地局の心臓部となるネットワークプロセッサLSIや光通信半導体を設計販売しているが、Huawei向けに通信チップの出荷を5月20日から取りやめた、と13日の日経が報じた。光ファイバ通信用のチップだという。通信オペレータの基地局では、携帯電話からの電波を受けるエッジ基地局と、電子交換を行うコア基地局との間を光ファイバでつなぎ、さらに基地局同士の幹線を光ファイバで接続している。

電子部品各社もHuawei向けの部品販売を止めるのなら、営業益250億円下押しになるという見通しを14日の日経が見積もっている。村田製作所、TDK、京セラ、太陽誘電の電子部品4社の合計利益見積もりが250億円の押し下げ要因になりそうだ、という見積もりを日経がゴールドマンサックス証券の協力を得て導き出した。コンデンサやインダクタなど受動部品だけならHuaweiに納入しても部品価格の25%を超えない限り問題ないと、これまで見られていた。ただ、ムラタやTDKなどはプリント回路基板にコンデンサやフェライトに米国製の半導体を搭載した「モジュール」を生産しており、モジュールのHuaweiへの輸出がむずかしい。今回の見通しは部品を全てHuaweiに納入しないと仮定した見積もりである。

畜産にIoTを使う動きが活発になってきた。IoTやAIを使って畜産の生産効率の向上を進めるためだ、と13日の日経は報じている。IoTを使う用途では、IoT専用の通信ネットワークであるLPWA(低電力広域)ではなく、セルラーネットワークを使う実験が多いようだ。セルラーだと全国をカバーしており通信品質が安定だが通信料金は高い。LPWAは1kmくらい電波を届くが通信料は安いため、広い牧場で牛や豚を飼育する場合でも使える。メッシュネットワークはセンサからセンサへの距離が短く、しかも途中で盗聴される危険もあった。

日本ハムはNTTデータと協力、カメラによる観察とAIで豚の発情をAIで判断するシステムを開発する。ダイエーもNTTテクノクロスと協力、肉牛にセンサを取り付け、反芻行動などで食欲とそれに基づく健康状態を管理する。リコーの子会社であるリコーインダストリアルソリューションズは、コストの安いLPWAを利用する牛群管理システムを開発し、牛の健康状態や発情行動をIoTセンサで把握、その牛群管理システムを販売する計画である。

(2019/06/17)

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