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BroadcomのQualcomm買収失敗を願うIntelがBroadcomを買う可能性

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IntelがBroadcomを買収するかもしれない。こんなニュースが3月9日午後5時(米国東海岸時間:日本時間10日午前6時)にニュース専門放送CNBCで流れた。ネタ元はWall Street Journalのようで、BroadcomがQualcommに買収提案しているが、この買収が失敗したらIntelがBroadcomを買うかもしれない、という内容だ。

このニュースが掲載された1時間後の株価はIntelが1%下げたのに対してBroadcomは6%以上も値上がりしたという。CNBCニュースによると、Intelは常に企業買収の選択肢を持っているという。だからこそ、BroadcomのQualcommに対する敵対的買収提案の行方を見守っている。BroadcomがQualcommの買収に成功したら、Intelにとっては、大きな脅威となるはずだ。Samsungはメモリメーカーであり、ファウンドリも始めた程度で、直接の競合相手ではないが、Broadcomは、Wi-FiやBluetooth、ネットワーク、光通信などに強い通信用チップを設計している。もしセルラーネットワークに強いQualcommをBroadcomが買収したら、通信の全てを握ることになる。

そうなったら、Intelといえども、Qualcommも組み入れたBroadcomを買収することは屋台骨を揺るがすほどの金額が必要なジネスになりかねない。加えて、Intelは通信用チップを、Infineon Technologiesから数年前に買収したためセルラー無線通信チップは手に入れているが、無線通信はこれしかないため、Qualcommはあまり欲しくない。これからダブりそうな製品が多すぎるからだ。しかし、Broadcomとはダブる製品は少なく、自社を強くできそうだ。

さらに問題を複雑にしていることは、QualcommがNXP Semiconductorを買おうとしていることだ。買収にはNXPの株主の反対があり、まだ決着していない。NXPは旧Freescale Semiconductorが持っていたマイクロプロセッサとマイコンを持っており、NXP買収に成功するとIntelにとってQualcommの買収にはそれらが付いてくる。無駄な買い物はしたくないと考えるのが筋だ。

パソコンがいまだに下げ止まらない産業であるから、Intelは脱パソコン戦略を急いでいる。サーバーやクラウド、データセンター、IoT(ゲートウェイ)、AI、5G、セキュリティなどと新型メモリへシフトしているが、パソコン事業の売り上げはIntel内でもまだ最大だ。もっともパソコン事業の中でも高付加価値で売れるモバイルPC市場へとシフトしており、汎用のデスクトップやノートブックには力を入れていない。この結果、Intelは2017年に9%成長の628億ドルを売り上げた。

一方のBroadcomは現在Qualcomm買収に血眼になっており、今のところ予断を許さない状況で買収計画が狂うリスクも高い。場合によっては買収をあきらめざるを得なくなる恐れもある。しかし、今のところは、買収に全力を入れているようだ。

一方、セルラー通信のモデム事業から始めたQualcommは、次世代通信の5Gでは早くもチップセットを開発し5Gの商用化を進めている。さらにモデムからアプリケーションプロセッサ(APU)へと手を広げてきたことで、ARMコアを使ったAPUビジネスをモバイルからコンピュータビジネスへも狙っている。現に、Snapdragon 845はこれまで最高性能のAPUのようだ。加えて、Wi-FiでもAtheros Communicationsを数年前買収、さらにBluetoothで老舗のCSRも傘下に収めている。加えて、電気自動車時代に備えて、クルマ用ワイヤレス充電技術にも力を入れている。既にワイヤレス技術は全て支配する意向は見えている。

IntelのBroadcom買収のニュースは、日本経済新聞でも3月10日(土)の夕刊で報じている。

(2018/03/12)

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