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5Gを控えているのにもかかわらずMWCの報道が少なく拍子抜け

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先週は、バルセロナでMWC(Mobile World Congress)が開催されたがニュース少なく拍子抜けだ。開催前に発表されたSamsungの新型スマートフォンGalaxy S9に関するニュースと、各国の通信オペレータが5Gの商用化を速めると発表したことにとどまる。

3月1日の日本経済新聞は、Samsungがスマホと家庭の電化製品やAV機器をつなげる操作ソフトを統一すると報じた。1本のアプリで、テレビや冷蔵庫をスマホで操作できるようにソフトを1本化するという。日経によると、例えば「瞑想」機能を使えば、室内のテレビがオフになり部屋の電灯が暗くなり、スピーカーから癒し系の音楽が流れるというようなシーンが登場する。一つの機能をオンするとテレビと電灯とスピーカーが連動することになる。

これは家電メーカーにとってもスマホからの無線信号(あるいは赤外線)を受信し、操作できるようにするために家電機器のソフトやハードを標準化する必要がある。家電製品はSamsung製だけではないからだ。ここに家電メーカーにとって新しい標準化が必要になるはず。日経の取材陣は華為科技にもインタビューしており、5G時代に家電をつなぐためのスマホを用意するようだ。

第5世代の通信技術「5G」は、最大10Gbps(アップリンク)/20Gbps(ダウンリンク)のデータレートに加え、1ms以下のレイテンシ(遅延)、さらにスマホや携帯電話だけではなくIoTやドローン、ロボットなど大量のデバイスがインターネットにつなげるためセルラーネットワークである。MWCでは、5Gの商用化時期を米国のVerizonが2019年前半に開始できる、というコメントを掲載し、韓国のKT(Korea Telecom)も19年中の商用化を見込んでいるという。

5Gは世界中で歩調を合わせるため様子を見ながら進んでいるが、周波数の割り当てだけは国ごとに違う。日本でも総務省が18年度末までに5G向けの電波の割り当てを決める計画になっている。実際には周波数が決まってからでは遅いため、候補に上っている3.5GHz、4.5GHzあたりで実験をNTTやソフトバンクなどが進めている。ミリ波は5G初期の段階では使われないだろう。

5Gの基地局の送信機向けGaNパワートランジスタを住友電工やWIN Semiconductorなどが開発を進めているが、このほどパナソニックもGaNのパワーMISトランジスタを開発したと発表した。ただし、2月26日に報じた日刊工業は、データセンターや基地局の電源に使う低周波のパワーデバイス用途を匂わせており、27日に報じた日経産業新聞も携帯電話基地局やデータセンターの大電流に耐えるとしているため、送信機の用途ではなさそうだ。単なる産業向けの電源用途と考えてよさそうだ。

MWCの報道は少なかったが、AI(人工知能)に関するニュースは先週も多い。NTTは3メートル離れても認識率が90%と高い音声認識技術を開発したと27日の日刊工業が報じた。「NTTはもともと雑音環境での音声認識技術を保有しており、これに音の揺れを吸収するAIを組み合わせて新たな認識モデルを構築した。クリーンな音声にさまざまな雑音を模擬的に生成した環境下で、AIが学習し認識精度を高めた」と報じている。マイクでの音声ビームフォーミングを使ったわけではなさそうだ。

NECはAIを使ってモバイルネットワークの基幹系部分であるバックホールの設計計画や運用業務を効率化するサービスを通信オペレータ向けに提供すると27日の日刊工業が報じた。精度に予測した将来の通信処理量を基に、通信機器の需要量を提示するという。発売は2018年度上期だとしている。

総務省は、傘下の情報通信研究機構(NICT)のAI通訳技術を民間に開放する。NICTの翻訳技術は、観光に重点を置いており、防災や買い物に必要な言葉の翻訳が得意だという。国はこの技術を民間に開放することで製品化を速めたいとしている、音声認識・処理するためのクラウドサーバーは国が用意する。

(2018/03/05)

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