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2018年期待膨らむ量子コンピュータ、クルマのCASE

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明けましておめでとうございます。今年も週間ニュース分析をよろしくお願いします。
昨年末から正月三が日にかけて、IT/エレクトロニクスではさほど大きな事件もなく平和な日々を過ごした。2018年の展望というより、もう少し3〜5年後の中長期的な展望に関する記事が多く見られた。

1月1日の日本経済新聞は、未来の頭脳として、量子コンピュータを採り上げた。量子コンピュータは量子力学の重ね合わせの原理を利用した新しい超並列コンピュータの一種。量子ビットがnなら、2のn乗の並列度を実現できる。IBMが5量子ビットの量子コンピュータを試作したという意味は、2の5乗すなわち32並列の演算を行うコンピュータということである。従来のフォンノイマン型コンピュータが苦手な「巡回セールスマン問題」で代表される超並列処理演算を得意とする。ただ、量子コンピュータできることは全て従来のコンピュータでも、原理的に時間がかかるが、できる。

カナダのD-Wave社が量子コンピュータを商用化したが、D-Waveを先頭に、IBMやGoogleをはじめ世界各地で量子コンピュータの開発が始まっている。中国のアリババ集団が2015年から中国科学院と共同でその開発していると日経は述べている。

そのアリババと日本のホンダは共同で、コネクテッドカーを開発する、と3日の日経が報じた。アリババの中国内の電子商取引のインフラを利用し、スマートフォンのようにクルマ自体も決済機能を持たせるという。アリババのネット決済サービス「アリペイ」の登録者は5億人を超えるとしている。コネクテッドカーは、新しいソフトウエアの更新をディーラーに持ち込まなくても、パソコンのように無線でできるほか、事故時の即座な対応やテレマティクス機能なども実現できる。ホンダは、アリババ集団傘下の高徳軟件とコネクテッドカーのサービスを開発するという。

クルマのメガトレンドをCASEということばで表しており、Connected car(つながるクルマ)、Autonomous (自律運転)、Sharing (シェアリング)、Electricity (電動化)の四つの流れを意味している。

クルマの電動化では、モータの回転数を自在に変えられるインバータとバッテリがカギを握り、インバータの小型化にパワー半導体の一つSiCが注目されてきた。富士電機はインバータやパワー半導体に2018年度に350億円の設備投資を計画している。17年度のパワー半導体事業の売り上げ1000億円から2020年度に1300億円に高めるための設備投資となる。

SiCパワー半導体を研究レベルから現在の商用レベルまで育てた、京都大学の松波弘之名誉教授のインタビュー記事を1日の日経産業新聞が紹介している。松波氏がSiCの研究に着手したのは1968年、シリコンのパワー半導体が実用化され始めたばかりだったが、SiCのワイドギャップ半導体材料の未来を信じて、研究を続けてきたという。SiCは地下鉄銀座線に使われて以来、省エネ効果を発揮し、小田急やJR山手線にも使われている。JR東海が20年に投入を予定しているN700S新幹線にも採用される予定だとしている。クルマでもホンダが2016年に発売した燃料電池車の昇圧コンバータにもSiCデバイスが採用されたとしている。

12月29日の日経では、従来のリチウムイオン電池に代わり、電解質を固体に変えた全固体リチウムイオン電池にトヨタが投資するという記事を掲載しているが、生産性に難がありまだ、実用化には至っていない。これまでもセミコンポータルで全固体リチウムイオン電池を報道してきた。トヨタは英国のベンチャーIlika社と共同でこれを開発してきたが(参考資料1)、まずは車内のインテリア用に使っていくことを検討している。

IntelやARMのCPUの脆弱性(Meltdown and Spectre)がハイテク雑誌The Vergeで指摘され、Intelが株価を下げたというニュースがあった。IntelとMicrosoft、Appleはバグを修正しソフトを更新する、と述べているが、その真相はまだよくわかっていない。

参考資料
1. 自己放電少なく1万回の充放電サイクル可能な全固体Liイオン電池 (2016/04/27)

(2018/01/05)

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