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半導体産業は中長期的にも好調が続く見通し、東芝にTSMC出資?

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半導体産業の好調はどこまで行くか。メモリの単価はDRAM、NANDフラッシュとも連続値上がり、もしくは高止まりが続いている。東芝メモリの株式売却に関しても、TSMCも興味を示しており、特に3D-NAND技術を拡張する選択肢の一つと考えている可能性がある。

2月28日の日本経済新聞によると、標準品のDDR3の4GビットDRAMの単価は3ドル前後と、2017年1月まで8カ月連続で上昇したのち、高止まりしていると報じた。今冬のパソコンモデルから本格的に数多く搭載されたDDR4の4GビットDRAMの2月の単価は3.3ドルと前月比3%値上がりしている。NANDフラッシュもMLC(マルチビット/セル)タイプの64Gビット品の大口単価は3.6ドル前後で1%高となり、5カ月連続で上昇した10月に一服したが、12月から再び値上がりに転じたとしている。128Gビット品は4%高という。つまり、従来品でも値上がりがゆっくりだが続き、新製品は3%〜4%と明らかな値上げが見えている。

半導体メモリの旺盛な需要を見越すように、半導体産業を支える産業機械の受注額は2017年4.2%増の5兆6282億円になるという見通しを日本産業機械工業会が発表した。このうち内需は、3.2%増の3兆8286億円、外需は6.6%増の1兆7995億円を見込んでいる。

工場新設などの指標になる建設機械は2017年度の出荷は3年ぶりにプラスの0.4%増の1兆8790億円になる見込みだと、日本建設機械工業会が発表した。産業界で深刻な人手不足も省力化投資増によってロボット生産の追い風が吹いている。中国や米国などの海外市場での需要の底堅さがけん引しているという。この調査は、会員企業へのアンケート調査によって得られたもので、特に米国市場は会員企業の52%が需要増を予測している。

半導体市場の好調さを受け、コンプレッションモールド機械のTOWAが装置の納期を従来の3カ月から1カ月に短縮することに成功したと発表している。コンプレッションモールドは、チップを載せた基板やウェーハに一括でモールディングする機械(参考資料1)。従来のトランスファーモールド機と違い、圧力がかかりにくいため、Low-k材料や薄いモールド、WLP(ウェーハレベルパッケージング)など、薄型・多ピン・マルチチップモジュールなど最先端のパッケージに向く。

また中長期的にIoTやAI、コネクテッドカーなどを後押しする新しいワイヤレス通信規格5G (第5世代通信) のサービスの発表がMWC(モバイルワールドコングレス)であった、と3月2日の日本経済新聞が報じた。NTTドコモは昨年のMWCで20Gbpsを超えるデータレートのデモを行ったが、今年は5Gを利用したサービスを始めると発表している。Nokiaは、英BTグループと組み、サッカーなどの試合で360度カメラと5G技術を組み合わせ、現場の雰囲気を体験できるような試みを始めたと報じている。360度のカメラで映像合成により、微妙な判定を明確にする技術は、Intelのチップを使い、メジャーなテニスの試合ですでに生かされている。

半導体チップはユーザーまでも自社設計するようになっている。中国におけるスマートフォンメーカーの小米科技はアプリケーションプロセッサ(APU)を自社開発したと発表した。これまでQualcommのチップを使っていたが、同社の協力を仰ぎ、ARMの協力も得て自社開発にこぎつけた。これによりAPUの調達遅れを防ぐ。

東芝は、分社化する東芝メモリの株式売却に対して、出資企業の入札手続きを始めた、と3月3日の日経が伝えた。事業会社やファンドからの出資提案を募り、出資比率や金額などの希望を聞き取るとしている。台湾のTSMCは2月22日のDigiTimesでは、東芝メモリへの出資についてノーコメントとしていたが、3月1日の同紙ウェブ版では、TSMCが東芝メモリに出資して3D NAND事業部門を拡張する可能性があると報じた。業界筋によれば、3D NANDの工場を台湾に持ってきて、ローカルのユーザーに提供することが狙いのようだ。だからと言ってTSMCがNANDフラッシュのメーカーになるのではなく、あくまでも東芝のNANDフラッシュの増産工場という位置づけだとしている。共通のライバルはSamsungであるから、TSMCは東芝のベストパートナーになりうるという訳だ。こういった業界筋の見方に対して、TSMCは正式にはノーコメントとしている。

参考資料
1. 弱いLow-k材料や細い金ワイヤを守る低応力の新しいモールド技術 (2008/07/14)

(2017/03/06)

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