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クルマ市場への参入相次ぎ、有機ELビジネスも活発に

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クルマ、有機ELは、これからさらに成長する市場として注目を集めている。クルマの市場への参入が相次いでいる。有機ELはAppleがiPhone 8もしくは7S以降のスマートフォンに採用すると見られていることから、量産体制をにらんだ動きが活発化している。タブレット市場が今後、復活するという見通しをIDCが発表した。

TDKと東芝は、ハイブリッド車や電気自動車向けの車載用インバータの合弁会社「TDKオートモーティブテクノロジーズ」を設立すると発表した。フェライトを発明、磁性体技術をコアとしてやってしてきたTDKは、インダクタ技術を活かし車載用の電源DC-DCコンバータや、ワイヤレス給電システムなどを開発してきた。片や、パワーエレクトロニクスの東芝は、車載用インバータやモータ事業が強い。合弁会社では、車載用のインバータを開発・製造するという。

京セラはパワー半導体を製造してきた日本インターを吸収合併した、と日刊工業新聞が伝えた。合併したのは8月1日だが、京セラの持っているSAW工場で、パワー半導体も製造するとしている。いずれもクリーンルームが必要で、それほどの微細化は求められないため、工場を共有するという。自動車向け市場に参入する狙いだと9月1日の日刊工業は報じている。

クルマには画像センサも求められており、キヤノンの持つデジカメ用のCMOSセンサをクルマ用や産業機械に供給することをキヤノンが狙っていると9月1日の日経産業新聞が報じた。このCMOSセンサは、グローバルシャッター機能と呼ぶ、全画素を一斉に露光する機能を持つため高速に画像を捉えることができる。ダイナミックレンジが広いため、クルマ用、産業用に向いている。

5日の日本経済新聞が報じた、金属材料メーカーのナプラが開発した、250度で半導体を接合しても機能を失わない金属微粉末は、SiCのように高温動作が可能な半導体に向いている。クルマへの応用が狙われるSiCパワートランジスタ自身は高温で使えても、周辺材料が高温に対応できなくて使用温度に制限があった。ナプラの材料を使えば、SiCの基板接着に使える可能性がある。

パナソニックとソニーの有機ELパネルを統合したJOLEDは、9月1日石川県の川北町で研究開発拠点を稼働させた、と2日の日経産業新聞が伝えた。投資額は200億円で、2018年度の量産を目指すとしている。電子デバイス新聞の泉谷渉氏がセミコンポータルのブログでも紹介している(参考資料1)。シャープの戴正呉社長は、有機ELディスプレイについてジャパンディスプレイを含めた「日の丸連合」を結成して韓中勢に対抗すべしとの考えを示したと8月30日の日経産業は報じている。

有機ELの設備投資を受けて、製造装置メーカーも有機ELパネル向け装置に力を入れている。8月31日の日経は、ニコンの有機EL関連事業の2017年3月期の営業利益が前期比4倍強となり、アルバックも17年6月期に関連装置の受注額が3倍になりそうだと報じた。東京エレクトロンの得意なエッチング装置でも、有機EL需要を取り込み20年3月期のパネル装置事業の営業利益は、前期比2.6倍の120億円以上を目指すとしている。有機材料の蒸着装置が得意なトッキは16年12月期に蒸着機の生産を倍増させる計画で、営業損益の黒字化を図り70億円の黒字を見込んでいる。

2016年のタブレット出荷台数が前年比11.5%減の1億8340万台になりそうだと8月30日に市場調査会社のIDCが発表、9月5日の日経産業もそれを報じたが、Cisco SystemsがAppleのタブレットiPadを活用して法人市場を開拓するというニュースもある。CiscoのWi-FiインフラとAppleのiPadを融合したいという需要があるためだ、と2日の日経産業は伝えている。

IDCは従来のタブレットに加え、キーボード着脱式のタブレットが今後伸びてゆくと見ており、毎年下落傾向が続いてきたタブレットは2018年に上昇へ転じると予想している。その背景は、脱着式タブレットが小型パソコンにとって代り、さらにMicrosoftのWindows版タブレットが伸びてくるためと見ている。

小型パソコンやタブレットにはSSDやNANDフラッシュベースのストレージが搭載されるが、ノートパソコンへのSSD搭載率は今後高まるという予想も出ている(参考資料2)。

参考資料
1. ニッポン家電産業の逆襲が始まっている!! 〜 主役はIoTと有機EL (2016/09/01)
2. ノートPCでのSSD採用率は2016年に33%、18年には50%超へ (2016/08/31)

(2016/09/05)

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