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熊本大地震、東京エレクトロン、ルネサスは確認中

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先週4月14日(木)午後9時26分ごろ、熊本県益城町で震度7、マグニチュード(M)6.5という大規模の地震が起き、その後余震が続き、16日午前1時25分ごろには震度6強、M7.3という大地震が起きた。これが本震に変わった。震源が10km程度と非常に浅く、被害は拡大している。近くの半導体と関連工場は大丈夫か。

熊本県には、ルネサスエレクトロニクスの工場が3つあり、三菱電機とソニーセミコンダクタの半導体工場と、製造装置の東京エレクトロンが2カ所、テスターのテラダインやテラプローブなどがある。半導体以外にも三菱電機関係のディスプレイ工場、富士電機のアモーファスシリコン太陽電池の工場、本田技研工業のCIGS太陽電池の工場が並んでいる。

真っ先にニュースリリースを発表して、現状を逐一伝えたのが東京エレクトロンだ。同社は4月14日に第1報を流し、土日を返上して16日(土)の第5報まで続けて流した。同社のライン稼働や震災の状況のリリースに加えて、熊本県に5000万円の義援金を提供するというニュースも追加した。こういった状況レポートは、同社とかかわりのある半導体製造工場だけではなく、同社に部品や材料を提供するサプライチェーンにも影響を及ぼす。同社のパートナーは情報を得られ、助けられたに違いない。

東京エレクトロンは、本震が来る前に合志事業所と大津事業所の建物や内部の設備、社員の安全確保などを報告し、無事であると第4報までに伝えた。16日の第5報では、合志事業所、大津事業所とも、建物の損傷や人的被害は確認されていないという。余震が続く中、社員の確保など安全を最優先として対応を続けていくと述べている。

ルネサスは、18日今朝の第3報まで流しており、それによると、川尻工場では設備や人員の確認のため14日から生産を停止している。16日の本震後に社員全員の安全を確認できたが、設備の部品に一部破損が見つかったとしている。本震によって被害が拡大したという。県南の錦工場や、大分工場、山口工場では通常通り稼働している。

さらに、サプライチェーン全体について、一部の製造委託先において、被害の拡大が確認されたと報告している。サプライヤやパートナーと一緒に復旧を目指すとしている。

三菱電機も最新状況を刻々と伝えている。17日現在の最新ニュースリリースによると、パワー半導体のウェーハ工場である合志地区と、ディスプレイを生産している泗水地区では、社員に重篤なけが人の報告はないという。建屋の倒壊はなかったが、余震が続く中、生産に係わる設備等を確認中な様子であり、生産を停止している。

半導体テスターのテラダインは、ホームページ上で18日現在、社員と家族の安全は確認したが、熊本事業所の建物と設備に関しては、確認中だとしている。

ソニーは、震源地に近い菊陽町において、CMOS、CCDイメージセンサを生産しているが、この熊本テクノロジーセンターに関する状況については何も発表しておらず、15日に3000万円相当の支援を行うと述べているだけに留まっている。

本田技研工業の熊本工場では14日夜から生産を停止し、状況を確認していると伝えているが、富士電機は何も発表していない。

今回の震災は、道路や橋を土砂で遮断された所があり、物資を届けるにも交通網が遮断されている状況で、さらに余震が続いているため、支援が難しく、物資が被災者の手元に届くのが遅れている。

このような状況の中、通信業者の支援活動ニュースは競い合って発表されている。いち早く発表したのがソフトバンク。最初の地震発生から2時間後の14日午後11時59分に熊本県内のWi-Fiスポットを無料開放し、九州全域に広げていった。その後、料金支払いの1か月延期を発表した。KDDIも続いて災害地区におけるauひかりやADSLサービスなどの基本料金免除や料金支払い延期を発表、外国人向け被災者への情報提供サイトの案内などを発表した。NTTも15日午前9時には無料Wi-Fiを実施、NTT西日本は熊本県と大分県での公衆電話の無料化を発表、避難場所での公衆電話の設置や、衛星を使った携帯通信移動基地局の設置なども行っている。

(2016/04/18)

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