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有機ELがらみのフレキシブルエレに動き

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半導体そのものに大きなニュースはなかったが、半導体の応用に向けた記事は多かった。先週のトレンドは二つある。一つは、フラットパネルディスプレイの展示会である、ファインテックジャパンが開かれ、フレキシブルエレクトロニクスが注目された。もう一つは自律運転が可能にするロボットやロケットのトレンドである。

フレキシブルエレクトロニクスの中心は何といっても有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ。これは、プラスチックフィルムの有機基板上に形成できる技術であるから、フレキシブルな特性を生かすことが普及には不可欠。単なる液晶の置き換えでは、そのメリットが少ない。フレキシブルは、プラスチックエレクトロニクスとも密接に関係し、曲げられることが最大のメリット。

ファインテックジャパン2016関係で先週の主なニュースを拾ってみる。シャープは、3.4インチと少し小さめの有機ELを開発したと日本経済新聞が4月8日、報じた。折り曲げられる有機ELパネルで、画素を制御するトランジスタとしてIGZO酸化物半導体を使った。曲げられる角度に関する情報がないため、自由自在に曲げられるかどうかは不明。新聞の写真から判断すると、曲率半径が数十cmと大きい。

半導体関連企業の平田機工は、有機ELの受注増に対応するため、工場面積8000平方メートルの熊本工場に、クリーンルームなどの生産スペース2570平方メートルを増築する、と6日の日刊工業新聞が伝えた。5月に着工、10月末の完成を計画している。投資額は7億円、2017年3月期には前年比3倍の生産量を予定している。

GaN成膜装置大手の大陽日酸は、中国の吉林奥来徳光電材料に出資し独占販売権を得た、と6日の日刊工業が報じた。出資額は非公表。

フィンランドのベンチャー、Canatuが折り曲げ可能な透明導電膜を開発した、と日経産業新聞が8日報じた。従来のITO(InSn酸化物)の置き換えを狙い、カーボンナノチューブ(CNT)を透明電極に使う。CNTは針のような1次元構造を持ち、多くの針が電極パターンに形成されているような構造になるが、Canatuは、CNTとフラーレン(サッカーボール状の炭素原子60個からなる構造)を組み合わせた構造だとしている。ITOだけだと固く、何度も折り曲げるとITOにクラックが入る恐れがある。

プラスチックの有機基板は、どうしても水分を通しやすい。この耐湿性問題の水分防止にバリア膜形成が欠かせない。ただし、バリア膜は厚くするとバリア能力は増すが、曲げには弱くなる。このため最適な厚さが必要になる。肌着メーカーのグンゼが、この保護膜に参入したと7日の日経産業が伝えた。

プラスチックではなく、ガラス基板をできるだけ薄くしてみようという挑戦も始まっている。液晶ガラスだと基板は200µm程度の厚さだが、50µmに薄くしてフレキシブル基板にする試みを東京大学の須賀唯知教授らのチームが開発したと6日の日経産業が述べている。材料や装置を手掛けるランテクニカルサービスと共同開発したという。
 
もう一つのトレンド、自律運転技術は、センサ信号の意味を理解し、さらに制御することで、状況を判断しながら自動的に運行する手法である。9日の日経夕刊によると、Tesla MotorsのCEOであるElon Musk氏が立ち上げたSpaceX社は、ロケットを逆噴射しながら地上へ降りてくる技術を開発、実際に海上に浮かぶ回収船上に着陸させた実験に成功した。この技術は、センサで地上との距離を測りながら、エンジンを弱めていくという動作が必要で、センサと、その信号の意味を理解し、制御するといった自律運転技術が欠かせない。この技術はもちろん、ロボットやドローンの商用化にも欠かせない。

日立製作所も2018年を目途に人型ロボットを実用化すると発表した。必ずしも運転を必要としないが、人が何を望んでいるのかを理解し、解析して、その解答案を提示する、という動作はまさに人工知能(AI)の世界になる。人型ロボットはこれまでペッパーがあるが、決まったプログラムに対応するだけで自律的ではないため、プログラムされていない情報だと対話がうまくいかないケースが多い。ここに人工知能が入れば、意味を理解して応答するため、人間との対話が成り立つ。先日、IBMとソフトバンクが提携したのは、ペッパーを賢く改良して実際の業務に使うためだ。

AIや自律運転に必要な入力情報は、センサが提供する。このため、センサとAI、ロボット、自律運転は切っても切れない関係が成立する。光電子倍増管(フォトマルチプライヤ)に強い浜松フォトニクスは、光センサ用半導体を増産するため、浜松市の新貝工場に新棟を建設する、と日刊工業が伝えた。28億円を投資、2017年2月に稼働する計画。これにより、この工場の生産能力は2.5倍の月産1000万個になるという。新貝工場は2010年にソニーから譲り受けたもの。

(2016/04/11)

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