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バンプ形成、PCB実装など黒子ビジネスが活発に

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ファウンドリやEMS(製造請負専門サービス)など、ブランドを表に出さない「黒子ビジネス」が国内で活発になっている。京セラはウェーハ上にバンプを形成する請負サービスであるウェーハバンピングサービスを拡大し、沖プリンテッドサーキットは横河電機のプリント配線板生産と基板実装の事業を買収する。

3月31日の日刊工業新聞によると、京セラがウェーハバンピングサービスを強化、生産ラインを4月に従来の3倍に拡大する。内製向けも含め、2017年には現在の10倍以上のビジネス規模にする計画だ。京セラはもともと、社内のサーマルプリンタヘッドにICを実装するためのバンピング作業を行っていた。外販は2007年からスタートさせたが、余剰能力での対応しかなかった。このため外販売上額は、社内向けの1/4にすぎなかった。しかし、2014年4月に専任の営業を置いた結果、現在までに内製の2.5倍と急増し、外販比率は逆転した。

そこで外販ビジネスの強化、拡大に踏み切った。内製向けは150mmウェーハ対応だが、外販向けには200mmウェーハにも対応する。国内の半導体メーカーからの受託が大半だとしている。バンプ形成の部分の無電解めっきによる下地金属形成と、スクリーン印刷によるバンプ形成を組み合わせているのが特長だという。

OKIの子会社の沖プリンテッドサーキットが、横河電機の子会社である横河マニュファクチュアリング(東京都青梅市)を買収することで、EMS事業での売り上げ増を図っている。取得金額は20〜30億円で、買収によりプリント配線基板の生産能力を20%引き上げるという。横河の青梅事業所は横河電機向けのプリント配線板の生産と、基板実装を手掛ける。その事業所では稼働率が半分程度にとどまっていたとしている。

OKIは、買収によって中期計画の最終年度(2017年3月期)に、13年度比24%増の460億円のうちの9割以上を達成できる見通し。沖の事業はプリント配線板の生産だけではなく、基板実装も含む一貫生産によって、更なる受注拡大を見込む。

IoTがらみのニュースでは、IBMがスマータープラネット(Smarter Planet)の具体化策であるIoTビジネスに今後4年間で30億ドル(3600億円)を投資すると3月31日に発表、日経産業新聞が4月2日に報じた。IBMはもともとスマータープラネットを進めており、ARMやAT&T、SemtechなどとIBM IoT Ecosystemを構成している。さらに、特定企業とのコラボレーションプロジェクトもある。例えば、Pratt & Whitney社は、IBM IoT Solutionを使って、4000機以上の民間航空機のエンジンの調子を、より正確かつ先行的に監視している。

IBMのIoTビジネスでは、IoT端末は手掛けないが、IoT Solutionの構築を支援するクラウド型のオープンプラットフォームを構築中だとしている。IBMは従来のスマートフォンやタブレットなどの機器が生成する全データの90%が分析されず、活用されていないと見ており、それを利用してビジネスに活かすことを支援する。

工業用のIoTを最近では、IIoTと呼ぶようになってきたが、国内のオムロンは、製造現場で使うPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の最上位機種を発売した。インテルのCPUと大容量のメモリを使用し、基本命令の実行速度を従来機の3倍高速化しながら、動きを制御する時間間隔を従来の1/4と細かく制御できるようにした。製造機器のデータを収集して解析、制御処理を行う。1台で最大256基のモーターを制御できるとする。

パワー半導体関係では、ロームが初めてパワーモジュールを8月に月産3万個体制で量産すると、4月1日の日刊工業が報じた。600V、15Aのインバータ向けパワーMOSFETモジュール。200V〜240Vベースのエアコンなどのインバータ用途を狙う。また、昭和電工は放熱フィルムとして、カーボンをコーティングしたアルミ箔フィルムテープを開発したと3日の日経産業新聞が報じた。厚さ50ミクロンのアルミ箔上に厚さ3ミクロンのカーボンをコーティングしており、銅箔よりも熱伝導率が高いとしている。

(2015/04/06)

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