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半導体製造装置メーカーの業績発表、総じて改善方向

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8月12日、日本経済新聞は、半導体製造装置メーカー7社の業績(2014年4〜6月期決算)が総じて改善していると伝えた。東京エレクトロン、日立ハイテクノロジーズ、アドバンテストなどがスマートフォンの拡大を追い風に、業績を伸ばしているとする。

東京エレクトロンやアドバンテストは前期までに拠点統廃合や不採算部門の縮小などの構造改革により、固定費を圧縮、最終黒字に転換した。日立ハイテクは、不採算の液晶パネル製造装置を縮小し、さらに血液検査装置などの医療関連部門が成長しているという。東京精密は、純利益が前年同期比9%減の15億円にとどまったが、開発費が膨らんだことが原因で足元では半導体チップの検査装置などの受注が伸びているという。

8月15日にはApplied Materialsが2014年度第3四半期(7月27日期末)における業績を発表した。売上額は前年同期比15%増の22億7000万ドル、GAAPベース(米国における一般会計原則)の純利益は3億100万ドル、非GAAPベースでは3億4900万ドルで同57%増だった。また、新規受注額は同24%増の24億8000万ドルとなり、特に同社最大の事業を誇るシリコンシステムズグループの新規受注額が前年同期を3億6200万ドル上回ったことが反映されている。

Appliedの新規受注額は前期比では6%減であり、売上額も同4%減であった。DRAMとファウンドリの受注減が前期を少し下回った結果となった。新規受注額の内訳は、ファウンドリ50%、フラッシュメモリ22%、DRAM14%、ロジックその他が14%だとしている。ファウンドリが新規受注を必要とする用途はスマホ。そのアプリケーションプロセッサをQualcommやMediaTek、Appleなどがファウンドリに生産を依頼しており、ファウンドリは28nmラインを増強し、20nmラインあるいは16nm/14nmラインを構築している。Appliedの新規受注と売上額の中では、米国の伸びが著しい。前年同期に3億6900万ドルの新規受注額が2014年第3四半期には6億8000万ドルに達し、売上額も前年同期3億5300万ドルが6億8300万ドルに達した。他の地域、例えば日本・韓国・台湾の合算売上は前年同期の10億7400万ドルから10億5300万ドル、新規受注額は同9億3800万ドルから10億9200万ドルへとわずかしか伸びていない。米国の新規投資はIntelとGlobalFoundriesであろう。

半導体の需要そのものはスマホの追い風が続く。9月にAppleがiPhone 6を発表すると見られており、中国ではTD-LTEサービスが始まっており、これから本格化すると期待されている。需要拡大に向け、昭和電工は川崎事業所において、半導体製造用のガスであるHBr(臭化水素)を現在よりも5割増産すると16日の日経が伝えた。

MEMS技術に関しても動きがあった。ロームは、MEMSのファウンドリビジネスに参入すると12日の日刊工業新聞が報じた。ウェーハから実装までの一貫生産体制を整え、2015年6月に量産を開始する。その前の2014年度内に月差200万個の小規模生産を始める。もちろん狙いはスマホや車載用の加速度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサなどの生産である。特にスマホ用途では、年間数億〜十数億個の需要が求められる。このため月産でも数1000万個体制が必要。2年後の2017年度には現在の6インチから8インチへ移行し、月産2000万個体制に引き上げるとしている。ロームの子会社であるラピスセミコンダクタ宮崎で生産し、約1500平米のクリーンルームを設置するとしている。

MEMSのメンブレンに圧電素子を配置して、振動による発電を目指す動きを14日の日刊工業が伝えている。いわゆるエネルギーハーベステイングで発電するという用途だ。IECのMEMSを扱う分科会SC47Fの幹事を務めるマイクロマシンセンターがMEMSの標準化を推進しているという。

(2014/08/18)

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