セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

ITS世界会議を控え、カーエレ技術の発表相次ぐ

|

静かなCEATECが終わり、今週始まるITS世界会議との端境期に当たった先週、ビッグニュースはないが、クルマ関連のニュースがいくつか出ている。トヨタの衝突回避車、デンソーとアイシン精機のカーエレクトロニクス、IMVの振動試験装置などのニュースが目立った。

トヨタ自動車は飛び出してくる歩行者を車が事前に検知して自動的にブレーキをかける技術について、2015年をメドに「すべての車種に導入する」(吉田守孝常務役員)方針を明らかにした、と10月11日の日本経済新聞が報じた。同社の高級車「レクサスLS」にはすでに導入されているが、使われるレーダー用半導体などの原価を抑え、普及車にも搭載していくという。レーダーは、77GHzなどのミリ波を発射して金属に反射して戻ってくる電波を検出するが、ミリ波発振器にSiGeやHEMTなどの高周波デバイスを使う。ただし、コストを下げるための工夫が必要。また、スバルの「アイサイト」に使われる技術はレーザーではなく、クルマの形を画像認識して捉える技術で、絵画の遠近法などを使って距離を測る。こちらはレーダー半導体が不要だが、高速の認識測定アルゴリズムが求められる。

ティア1の代表的な企業であるデンソーとアイシン精機は、共に今週東京で開かれる「第20回ITS世界会議東京2013」に出展する内容を公開したと、10日の日刊工業新聞は伝えている。デンソーはドライバーの眠気を監視する「ドライバーステータスモニター」や、フロントガラスにさまざまな情報を表示する大画面ヘッドアップディスプレイを出展する。アイシン精機は、「インテリジェントパーキングアシスト」を模擬体験できる駐車支援システムのシミュレータを出展する。こういったシステムは、搭載したからといって大幅に価格に転嫁できないという弱みがあるため、いかに低コストで作るかが勝負となる。

自動車部品検査の大手、IMVはこれまで販売してこなかった北米市場に向けて振動試験器を本格的に売り出す。5年後に年100台、10億円の売り上げを目指す。今年の4月に米国のドッドソン・テクニカル・サービスと販売代理店契約を交わした。当面は展示会への出展や北米市場の情報収集に力を注ぎ、販売量がある程度の規模になれば駐在員事務所を設置し、営業担当者を常駐させることも検討する。

自動車市場では、ECUシステムにセンサとアクチュエータ(ほとんどがモータ)を使うが、アクチュエータを駆動するためのパワートランジスタを従来のSi IGBTからGaNやSiCに変えようという動きがある。シリコンよりもバンドギャップが広く、材料固有の絶縁耐圧もSiの10倍もあるため、Siと同じ耐圧を得るのに必要な空乏層幅を狭くでき、すなわち抵抗を下げられるため、オン抵抗の損失が少ない。古河機械金属が出資するパウデックは、GaNを使ったパワー半導体を開発したと日刊工業が伝えた。600Vの耐圧を確認したと新聞では報じられているが、オフ時のパワートランジスタの電荷を素早く抜くためのショットキーダイオードなのか、パワートランジスタなのかはわからない。

半導体の製造装置も新材料に備える。サムコはSiCパワー半導体のプロセスの内、プラズマエッチングに使う装置を開発したと、8日の日経産業新聞が伝えている。6インチウェーハを1時間当たり3枚のスループットが得られるとしている。国内大手電機メーカー向けに販売し、初年度は8台の出荷を目指す。

電気自動車やハイブリッドカーなどに使うバッテリメーカーから中国や韓国への技術者の流出が続いていると10日の日経産業は伝えている。特に電池メーカーではここ数年リストラがあり、50歳以上の技術者が対象になっているという。優秀なエンジニアがリストラによって国内で職を失い、中国や韓国で技術指導することによって日本の技術が流出するという結果を招いている。そこで福島県に電池関連の企業を集積させる「バッテリーバレー」構想を練るところも現われた。

(2013/10/15)

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2019 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.