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来年の全量買取制度で日本市場にどっと繰り出す中国の大手ソーラーメーカー

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先週は、さほど大きなニュースがなかったせいか、太陽電池における中国の存在感の強さを感じたニュースが多かった。12月はじめに幕張メッセで開かれたPVジャパンのレポートという記事が日経産業新聞に企画記事として掲載された。半導体では、日本で唯一のDRAMメーカーであるエルピーダメモリの台湾企業買収のうわさ話が新聞を賑わした。

実際にPVジャパンに足を運ぶと、中国のサンテックパワーやJAソーラーなど世界の1、2位を争う企業の存在感が非常に大きかった。19日の日経産業の、「中国の太陽電池、国営銀が後押し(気になる真実)」と題したコラムによると、中国の上位4社(サンテック、JAソーラー、トリナソーラー、インリーソーラー)に中国の公営銀行である中国開発銀行が2008年〜2010年に渡り210億ドル(1兆6300億円)もの巨額の融資をしているという。日本の補助金は経済産業省が消費者に購入の補助金という形で配布しているが、中国では企業に直接融資をしている。日本のシャープがかつての世界トップから今や6位と後退していることと比較して資金力を新聞では問題にしている。

日本で来年から始まる全量買取制度として、産業用/民生用を問わず太陽電池で発電した電力を全て買い取ることが議会で決まった。この日本市場にはサンテックをはじめとする中国メーカーが進出しており、中国メーカーが日本市場へ参入しやすい環境となっている。21日の日経産業では、上海超日太陽能科技(上海市)が2012年に日本市場に本格進出、60MW分の太陽電池を出荷し、7500万ドル(約58億5000万円)の年間売上高を目指す、と伝えている。中国メーカーにとって欧州市場は今、冷え切っており、来年の日本市場は格好の的となる。日本市場で日本のメーカーだけではなく、中国メーカーも太陽光パネルを販売できるわけだから、日本メーカーは中国メーカーとの競争力を試される。中国企業に勝てない日本企業がいれば、それは淘汰されていくことになる。

全量買取制度に着目したのはソーラーメーカーだけではない。ソーラーパネルメーカーへの投資を目的とした米国サンエジソン社もPVジャパンに出展した。日本でも来年からメガバンクと提携し350億円以上の投資を計画している、と22日の日本経済新聞は伝えている。国内のファイナンスも動き出した。九州におけるリース会社、九州リースサービスは芝浦グループホールディングスと共同でメガソーラー事業に乗り出す。太陽光パネルや架台などにかかる投資額は約7億円、九州リースがこれを資産として持ち、運営会社にリースとして貸し出し、運営会社の売電収入からリース料を受け取るというビジネスモデルだ。

21日の日経新聞はDRAMの大口取引価格が2GビットのDDR3品が0.95ドルまで下がったと報じた。1Gビット品は0.55ドルまで下がっている。DRAMの主力市場であるパソコン販売の伸び悩みが続き、タイの洪水によるHDDの供給不足がパソコンをけん引するに足らず、DRAMがだぶついている状態だ。さぞかし、DRAMメーカーは苦しいはず、と思っていると、エルピーダが台湾の南亜科技と経営統合するという報道が22日の日経に掲載された。

この報道に関して、エルピーダ側からは「当社から発表された記事ではありません」というプレスリリースが流れた。現実に南亜科技は米マイクロンと提携しマイクロンの技術を導入しているため、統合することはプロセス技術の面では難しい。DRAM価格の低迷を受けて、両社とも赤字のまま統合して誰が喜ぶだろうか。誰にメリットが大きいのだろうか。こういった現実を考えると、両社の統合によって未来が開けるとはとても考えにくい。このニュースを誰が何のために流すのか、を考えると、半導体ビジネスを知らない古い体質の大手企業や銀行系の経営者、霞が関などかもしれないという推測が成り立つ。その目的も推測できるが、推測の推測は事実から遠ざかる恐れが大きいためやめておこう。

(2011/12/26)

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