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アップルがiPad2を発表、モトローラのXoomとそっくりとの声

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先週は、アップル社が満を持してiPad2を発表したことが最大のニュースだろう。Mobile World CongressではiPad2かiPhone5のいずれかが発表されるという噂があったが、いずれも発表されず、3月2日にiPad2が発表された。プレゼンを行ったスティーブ・ジョブズCEOの発表をネットで見る限り、2月21日のニュース解説(参考資料1)で紹介した、モトローラ社のXoomとそっくりである。

図 Apple社のiPad2


iPad 2にはアップル社が設計したアプリケーションプロセッサA5を搭載し、ビデオカメラは2個、表裏に取り付けている。ゲームなどのコンテンツを楽しむためのジャイロスコープや加速度センサーなどを搭載している。本体の厚さを従来の13.4mmから8.8mmへと33%薄くし、重量は1.5ポンド(1ポンドは約450グラム)から1.3ポンドへと13%減らした。色は白と黒の2色。HDMIビデオ出力端子を備え、最大1080pまでのフルHDコンテンツをリビングルームのテレビに映し出すことができる。しかも設定が不要だ。

ジョブズによれば、今回はカバーも工夫し、ポリウレタン5色と皮革製を用意している。三角形に折れ曲がるこのスマートカバーは図のように立てかけてみることも寝かせて見ることも可能だ。マグネットが付いており、液晶ガラス表面にピタリと吸いつく。しかもマグネットによって正しい位置に自動的にカバーをかぶせることができる。裏地にはマイクロファイバを使い、ガラス表面をきれいに拭くことができる。ふたを開けると電源が自動的にオンし、閉じるとオフになる。

アプリケーションプロセッサにはA5というデュアルコアCPUを使い、CPUの性能を2倍に上げると共にグラフィックス性能を9倍に上げた。にもかかわらず消費電力は初代のiPadに使ったA4と同じだとしている。Xoomに使われているNvidiaのTegra 2プロセッサもデュアルコアのARM Cortex-A9を使っており、グラフィックス機能にはNvidiaのGeForceコアを入れている。iPad 2にもデュアルコアのCortex-A9とイマジネーションテクノロジーズのグラフィックスコアPOWERVR SGX543のデュアルコアを使っているらしい(参考資料2)。

米国での販売は、従来のiPadが利用していた通信キャリヤであるAT&Tネットワーク(W-CDMA方式)に加え、ベライゾン(CDMA2000 EV-DO方式)のネットワークでも使えるようにしている。これはiPhone 4をベライゾンのネットワークでも使えるようにした戦略(参考資料3)の延長になる。3月11日から米国内で発売すると共に、3月25日から日本、英国、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアでも売り出す。アップルは日本を重要な市場と見ているからこそ、アジアの中では日本での販売が初めてとなる。

iPad 2がXoomと似ていると感じたのはどうやら私だけではなさそうだ。海外では、「It's iPad vs Xoom … Who else?」(参考資料4)という記事や、「Motorola Xoom vs iPad 2」(参考資料5)、「Specs Still Matter (Or: iPad 2 vs Motorola Xoom)」(参考資料6)などの記事がある。表示のスピードやウェブ表示のスピードの速さをXoomで体験したが、極めて速かった。iPad 2はそれに近いのではないかと見ている。ただし、少なくとも初代のiPadとXoomを比べると、Xoomの方が速いことは海外の評価では明らかになっている。

参考資料
1. タブレットに見る携帯機器報道の温度差〜MWC 2011から (2011/02/21)
2. Apple to pack ultrafast, dual core SGX543 graphics into iPad 2, iPhone 5
3. auブランドのiPhoneが手に入る日が現実的になってきた (2011/01/14)
4. It's iPadvs Xoom …Who else?
5. Motorola Xoom vs iPad 2
6. Specs Still Matter (Or: iPad 2 vs Motorola Xoom

(2011/03/07)

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